田中瑞希プロのスコアアップ大作戦 下半身リードを身につけるドリルに挑戦してみよう!

身長151センチと小柄ながら、パワフルなドライバーショットとキレのあるアイアンショットを武器に、国内ツアーで活躍する田中瑞希プロ。今シーズン、シード権獲得はもちろん、ツアー初優勝を狙います。その田中プロが女性アベレージゴルファーのために、スコアアップの秘訣をレッスン! 第11回は下半身リードを身につけるためのドリルついて説明します。

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◆あえて素振りを行うことに意味がある

前回は、アイアンショットでダウンブローに打つには、下半身リードのスイングが大切だと説明しました。そこで今回は下半身リードを行いやすくするためのドリルを紹介します。

私はシャフトを短く切ったアイアンを使用しますが、読者の皆さんはクラブを持たなくても構いません。クラブを左手1本で持ったら、右手を左手の小指側からクロスさせて、互いの甲を近づけるように構えます。あとはそのままトップまでクラブを上げたら、ダウンスイングを行い、フィニッシュまで振り切るだけです。

バックスイングでは、右ヒザが右サイドに流れたりしないように注意しながら、右のお尻をしっかりと張ることで、右足股関節の上に上体を乗せます。ダウンスイングでは、左ヒザを正面に向ける動きから始め、その後に上体を下ろしてきます。

大切なのは、バックスイングでの下半身の粘りとダウンスイングでの下半身リードの動きです。通常のクラブを持ってボールを打つと、この動きよりもクラブヘッドをボールに当てることに意識が集中するので、あえてボールを打たずに素振りを行うとこにポイントがあります。

左手1本で短いクラブを持ち、左手小指の下から右手をクロスさせ、両手の甲を合せるように構えます

右ヒザが右へ流れないように注意して、右股関節の上に上体を乗せます

左ヒザが正面を向くように、元の位置に戻すことからダウンスイングを始めましょう

インパクト後はそのままフィニッシュまで振り抜きます

私はシャフトを短く切ったアイアンを使っています

◆ドライバー、アイアン、アプローチすべてに有効

下半身リードのスイングはアイアンショットだけに有効とは限りません。ボールに対してパワーをロスすることなく伝えられるのでドライバーショットの飛距離も伸びるし、ボールを正確にコンタクトできる分、アプローチでも距離感や方向性のコントロールが容易になります。

おそらく、皆さんの多くは、これまで下半身リードのスイングをしてこなかったと思います。クラブを先行させなければ、ボールにヘッドが当たらないというイメージが強かったからでしょう。それだけに、いきなり下半身リードのスイングを行えといわれても、急にできるようにはなりません。短いクラブでの素振りやクラブを持たないシャドウスイングなら、コースや練習場ではなくても、いろんなところでできるはずです。自宅で大きな鏡や窓に移った自分の姿を確認しながら、形を意識して行いましょう。

このドリルは素早く行うことが目的ではありません。ゆっくりでいいのでとにかく下半身リードのダウンスイングを心がけること。体にこの動きが染み込むまで徹底して行ってください。正直、アベレージゴルファーには練習場でボールを打つよりも効果があると思います。豪快なドライバーショットや切れ味鋭いアイアンショット、チップインを狙えるアプローチをしている自分の姿を思い浮かべながら、今季強く続けましょう。

クラブを素早く下ろそうとは考えず、ゆっくりと下半身リードの形をイメージしながら行いましょう

取材・文/山西英希 撮影/鈴木祥 

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◆教えてくれたのは…

田中瑞希プロ たなか・みずき/1998年生まれ、熊本県出身。2019年に3度目の挑戦でプロテストに合格。小柄ながらドライバーの平均飛距離は約243ヤード。今季の開幕戦、アース・モンダミンカップでは3位タイで注目を浴びる。ツアー初優勝を期待される黄金世代のひとり。

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