24年度のメルセデスランキング50位以内の平均年齢はツアー史上最年少の26.1歳 【数字でスゴさを読み解く国内女子ゴルフツアー】

国内女子ツアー第37戦「大王製紙エリエールレディスオープン」では、青木瀬令奈プロが今季2勝目、ツアー通算5勝目を飾りました。同時に、メルセデスランキング上位50人が来季のシード権を手にすることに。その平均年齢はなんとツアー史上最年少となる26.1歳でした。

◆最年長は41歳の全美貞プロ

06年にシード選手50人の平均年齢が30歳を切り、29.5歳となったときはついにそういう時代が来たかと話題になりましたが、それ以降はずっと20代をキープしていた国内女子ツアー。20-21年シーズンには26.3歳まで下がり、22年は27.6歳、23年は26.6歳でしたが、来年度はついにツアー史上最年少記録を更新となる26.1歳に。単純に考えて、26歳を過ぎたら中堅クラスになるわけです。裏を返せば、23年はそれだけ若い世代がツアーで活躍した年だったといえるでしょう。

そんな流れに反して、41歳の最年長でシード権を獲得したのが全美貞プロです。なんと18シーズン連続18回目のシード権獲得になります。反対に最年少となる19歳でシード権を獲得したのが櫻井心那プロです。昨年のステップアップツアーで5勝を挙げて賞金女王となりましたが、JLPGAツアーでも4勝を挙げ、メルセデスランキング5位に入ったのは立派のひと言に尽きるでしょう。ちなみに、櫻井プロは神谷そらプロ、竹田麗央プロ、佐藤心結プロ、尾関彩美悠プロ、川﨑春花プロと同じ03年度生まれですが、04年2月13日生まれの早生まれのため、今回最年少になりました。

また、シード選手が最も多い世代はその03年度世代と1歳上の02年度世代(岩井明愛プロ、岩井千怜プロ、桑木志帆プロ、佐久間朱莉プロ、仁井優花プロ、内田こと子プロ)です。次点となる5人は98年度世代(小祝さくらプロ、原英莉花プロ、吉本ひかるプロ、高橋彩華プロ、天本ハルカプロ)と00年度世代(吉田優利プロ、リハナプロ、古江彩佳プロ、安田佑香プロ、阿部未悠プロ)でした。この4世代だけで全体の44パーセントを占めている計算となります。

◆誰にも抜かれなかった濱田茉優プロ

濱田茉優プロ /Getty Images

今回メルセデスランキング50位以内に入ったうえで初シードを獲得したのは、櫻井プロ(5位)、桑木プロ(10位)、神谷プロ(19位)、蛭田みな美プロ(21位)、竹田プロ(23位)、仁井プロ(25位)、ハナプロ(26位)、安田祐香プロ(35位)、天本プロ(42位)、山内日菜子(43位)、内田プロ(45位)の11人です。山内プロ、蛭田プロ、天本プロ以外の8人は00年以降に生まれた世代だけに、平均年齢が低いのもうなずけますね。

また、一度シード落ちしてから今回復帰した選手は2人います。3シーズンぶり2回目となった吉本プロと2シーズンぶり4回目となった濱田茉優プロです。濱田プロは50位で大王製紙エリエールレディスオープンを迎えましたが、プレッシャーからか5オーバーの81位タイで予選落ちを喫しました。本人はシード獲得ならずと思ったのか、かなり落ち込んだ表情でコースを後にしていましたが、誰にも抜かされることがなかったのです。51位の堀琴音プロとの差は0.35ポイントでした。まさに“果報は寝て待て”ですよね。前週の伊藤園レディスの最終日最終ホールで5メートルのパーパットを沈めていましたが、その1打が最後の最後に生きた形となりました。その試合では22位タイに終わったものの、どんなときでも気を抜くことはできないんだと改めて教えられた気がします。

取材・文/山西英希

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