男子ゴルフツアーに女子も出場可能!? メインツアー以外の試合もこんなに面白い♪【シニア・Abema・ステップ】

4月に入り、ゴルフ業界はシーズン真っ盛り! プロのトーナメントも女子ツアー、男子ツアーに続いて、いよいよシニアツアーもABEMAツアーも開幕しました! 「シニアツアーはわかるけど、ABEMAツアーって何?」と思われた方のために、男子ツアー、女子ツアー以外の、“プロゴルファーが参戦する様々なツアーや大会”について説明していきたいと思います。

【2023】ラシンク・ニンジニア/RKB レディース 橋添 穂プロ/撮影 福田文平

◆シニアツアーと下部ツアー(ABEMAツアー&ステップ)

シニアツアーは、男子の場合は50歳以上、女子の場合は45歳以上のプロを対象としたツアーです。男子のシニアツアーは日本プロゴルフ協会(PGA)が管轄。女子のシニアツアーはメインツアーと同じく日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が管轄していて、「レジェンズツアー」と呼ばれています。どちらも同じくメインツアーで活躍していたプロに優先的に出場権が与えられているので、名前を聞いたことがある有名選手が多く出場しているのが特徴です。

シニアツアーの楽しさは、プロとの距離の近さ。観戦に行ってみると、プロとギャラリーの間にロープが張っていないことも多く、一緒にラウンドしているような気分で観戦できるのが特徴的です。シニアならではとも言える技術の引き出しの多さはもちろんですが、自分のプレーの参考になりそうな少し身近なゴルフを見ることができる、そんなメインツアーとは違った魅力があります。

下部ツアーとは、メインツアーに出場する権利の無いプロのためのツアーです。それに出場するプロはメインツアーのシード権を持たないプロで、QTランキングの上位から順に出場権が与えられています。男子の下部ツアーは、インターネットテレビ局「AbemaTV」が特別スポンサーをしているため、「ABEMAツアー」という名前になりました(スポンサーがつく前は「チャレンジツアー」と呼ばれていました)。女子の下部ツアーは「ステップ・アップ・ツアー」という名称で、“ステップ”と略されて呼ばれることが多いですね。

下部ツアーで上位に入ると次年度のメインツアーに出場する権利が与えられるため、シードを逃したベテランにとっても、デビューしたばかりの若手にとっても、メインツアーへの大事な登竜門と言えます。

それぞれのツアーを管轄する組織は? 

国内にたくさんあるゴルフ関連の団体の中で、プロゴルファーを管轄する団体は主に3つ。

・日本プロゴルフ協会(The Professional Golfers’ Association of Japan=PGA)
・一般社団法人 日本ゴルフツアー機構(Japan Golf Tour Organization=JGTO)
・一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(Japan Ladies Professional Golfers’ Association=JLPGA)

JLPGAは、女子のメインツアー、下部ツアー、シニアツアーと、女子ツアー全てを管轄しています。男子ツアーは少し複雑で、JGTOがメインツアーと下部ツアー、PGAがシニアツアーを担っています。元々、男子のメインツアー、下部ツアー、シニアツアー全てをPGAが管轄していましたが、PGAという組織の中にメインツアーと下部ツアーなどのツアー部門を担うJGTOという組織ができ、それが1999年に独立。以来、メインツアーと下部ツアーはJGTO、プロテストとシニアツアーはPGAという形になりました。JLPGAも元をただせばPGAの女子部であり、JGTOもJLPGAもPGAから独立したものということになります。では、それぞれの組織を跨いで出場することはできないのでしょうか?

女子が男子のツアーに出場することも可能

女子のツアーは、女子選手に限ったもののため男子プロが出場することはできませんが、男子ツアーについては性別を限っていません。そのため、女子が男子に交じって大会に出場することも可能。推薦という形での出場ではありましたが、過去に女子プロが男子の大会に出場した例もあります。

◆男子の大会に出場した女子プロ◆

【レギュラーツアー】

ソフィー・グスタフソン:2003年カシオワールドオープン
ミシェル・ウィー:2005年カシオワールドオープン/2006年カシオワールドオープン
宮里藍:2006年アジア・ジャパン沖縄オープン

【チャレンジツアー】

小川あい:2005年カニトップ杯チャレンジ
山村彩恵(アマ):2006年エバーライフカップチャレンジ
石山千晶(アマ):2009年サンロイヤルGCカップ
横峯さくら:2018年Novil Cup

もちろん、女子であっても同じティからのプレーになりますが、PGAのプロテストもその出場資格を男子に限っていないので、女子プロが男子ツアーにフル参戦することも全くの夢物語というわけでもないのです。実際、アマチュアの世界では女性のクラブチャンピオンもいます。プロゴルファーにとっての夢舞台であるマスターズに、女性が参戦する……なんて未来もあるかもしれません。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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