若林舞衣子が振り返る【息子の誕生日にハプニング!家庭内コロナ感染を乗り越えて…】

みなさん、人生楽しんでいますか? 若林舞衣子です。気が付けば秋のゴルフシーズン、いかがお過ごしでしょうか。少しご無沙汰している間に、ツアーも勝負の秋を迎えました。

ここまでのシーズンを振り返ると、びっくりするほど色々なことがありました。特に、家族で新型コロナウイルスに感染してしまったのは大変でした。

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◆家族でコロナ感染! 子どもの誕生日当日に高熱…与えられた時間の過ごし方

話は4月までさかのぼります。4月2日生まれの長男、龍之介は、今年、3歳になりました。余談ですが、この日は私を指導してくださっている岡本綾子さんの誕生日でもあります。龍之介、すごい運命の日に生まれています。その4月2日が、今年はお祝いどころではなくなってしまいました。

開幕から4試合に出場して、そろそろ一休みしたいタイミング。息子の誕生日に合わせて、その週はゆっくりと過ごしていました。家族でTDLにもお出かけしたんです。ところが、楽しかった余韻に浸る暇もなく、夜になって息子の保育園から連絡がありました。一緒に過ごしているお友達に陽性が出たため、息子が濃厚接触者になったかもしれないという連絡でした。

その2日後。まさに誕生日の当日に発熱してしまいました。39度の高熱でした。急いで濃厚接触者でも診察してもらえる病院を探して受診。PCR検査もしたところ、翌日になって陽性が判明しました。たまたまではありましたが、私が自宅にいる週だったから、熱で苦しむ息子の看病もできました。熱は比較的早く下がったのが幸いでした。

3歳の子供ですから、隔離などできるはずもなく、私もすぐにのどが痛くなって発熱。検査をすると陽性でした。夫も、のどが痛くて発熱。順番に、家族がみんな陽性になってしまったのです。

熱が38.6度まで出たときには、さすがにだるさを感じましたが、幸い、発熱には強いタイプ。フラフラになることなく、元気になっているのに外に出られない息子の世話をすることができました。家庭内感染や自宅療養の話はニュースや身近なところでも耳にしてはいましたが、自分の身に降りかかると、思った以上に大変でした。熱に強い私でもそうでしたから、そうでない方でお子さんがいたら、本当に大変だろうな、と感じましたね。

私も夫も、3~4日で症状がなくなったのはよかったのですが、その分、10日間の自宅療養は長く感じました。家族3人で自宅にこもり、初めてネットスーパーにも登録。食料品や日用品を購入してしのぎましたが、自宅から出られないのはなかなか辛いものがありました。

プロ仲間でも、新型コロナウイルスに感染した経験のある人は決して少なくありません。どんなに気をつけていても、これほど感染者が増えれば、感染する時にはしてしまうのだな、と実感した出来事でした。

感染再拡大の“第6波”と呼ばれる時期の後半にかかるタイミング。自分の感染だけでなく、家族の濃厚接触者としての自宅待機期間は長いものになりました。1週間のはずのお休みが3週間にも延びてしまったのです。こうなってしまった以上、仕方がありません。気持ちを切り替えて、与えられた時間を楽しもうと考えました。普段は一緒にいられる時間の少ない龍(龍之介くん)との時間を存分に味わうことにしたのです。毎日、ご飯を作るのも楽しみでした。

◆徐々に生まれる焦り……コロナ禍は年間スケジュールも狂わせる!

プライベートでは思わぬ時間ができたものの、さすがに3週目に入ると焦りが出てきました。シーズン中は、お休みを取ることはあっても、トレーニングをして、練習をして試合をするのがプロゴルファーの日常です。年間を通してスケジュールを立てて、心身を整えているのに、それができない。3週目は、体調も戻ったのでできる範囲で身体を動かしていましたが。それにも限界があります。スケジュールが狂ってしまっただけでなく、筋力も落ちてしまい、戻すのには時間がかかってしまいました。

4月末のフジサンケイレディスからツアーには復帰しましたが、最初の4試合は予選落ちが3回、棄権が1回というものでした。

私の所属先であるヨネックスは、プロになった時からお世話になっている地元、新潟県の企業です。6月半ばにその地元で開催されるリシャール・ミルヨネックスレディスに照準を合わせるように調整しました。

残念ながら結果は1打足りずに予選落ちでしたが、徐々にペースを取り戻せるようにはなってきました。

まさに、ワークライフバランスを改めて考えることになった、家族での新型コロナウイルス感染。これを乗り越えて、今、私はツアーに臨んでいます。

若林舞衣子 Maiko Wakabayashi 1988年生まれ、新潟県出身。165cm。11歳からゴルフをはじめ、アマチュア時代から活躍。2007年、プロテスト合格。翌年2008年「SANKYO レディースオープン」を20歳で初優勝。2016年に結婚し、2018年11月から産休に入り、2020年にはツアー復帰。21年の「GMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ」ではツアー史上6人目のママさん優勝を達成。ツアー通算4勝。インスタグラム Instagram@maaaiko

取材・文/小川淳子 写真/Getty Images 

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