クラチャンって何? ゴルフ場のNo.1を決める戦いを現役キャディが解説

こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。現在、私の勤めるゴルフ場では「クラチャン」を決める時期に突入。日曜日になると、通常とは違うピリピリとした空気が漂います。出場するメンバーさんも、普段とは違う真剣な表情。キャディも誰につくのか、ドキドキの日々です。

ゴルフをしていれば、たまに耳にすることもある「クラチャン」という言葉。しかし、エンジョイゴルファーにとっては、あまり身近ではない存在かもしれませんね。今回は、そんな「クラチャン」について紹介していきたいと思います。

◆「クラチャン」って何?

「クラチャン」とは、「クラブチャンピオン」もしくは、その戦いである「クラブチャンピオンシップ(クラブ選手権)」の略。そして、「クラブチャンピオン」とは、その名の通りクラブ(ゴルフ場)のチャンピオンのことです。各ゴルフ場で毎年行われるクラブ選手権で優勝した人に与えられる称号である「クラチャン」は、そのゴルフ場のNo.1プレーヤーともいえ、そのゴルフ場を代表するプレーヤーでもあります。

クラブハウス内にメンバーの名前が記されたボードが飾られているのを見たことがある方も多いと思いますが、クラチャンになるとメンバーズボードの中にあるチャンピオンボードに年号と名前が記されます。ゴルフ場によっては、クラチャン専用の駐車場やロッカーが用意されていることも。競技ゴルファーにとっては、憧れの称号とも言えるクラチャンですが、複数のゴルフ場でクラチャンになっているという強者もいます。

◆クラチャンを決めるクラブ選手権とは

クラブ選手権は、各ゴルフ場で毎月行われている「月例」とは違い、ハンディキャップ無しで戦う競技です。出場できるのは、そのゴルフ場に所属しているメンバーに限られ、ハンディキャップによる出場の制限が設けられているゴルフ場もあります。

クラブ選手権の競技形式は、ゴルフ場によって差異はありますが、通常のストローク戦で行われる「予選」と、トーナメント方式によるマッチプレーで争われる「決勝」とに分けられていることが多いです。決勝に残れるのは予選の上位8名か16名か、ゴルフ場によって違います。1対1のマッチプレーとなる決勝は、数日に分けて行われることがほとんどです。

ちなみに、私が勤めるゴルフ場ではほぼひと月をかけてクラブ選手権が行われます。1週目に予選の18ホールが行われ、決勝に残る16名が決まります。2週目からは1対1のマッチプレーとなり、ベスト16による決勝1回戦目の18ホールが行われます。3週目は、朝1番トップのスタートでベスト8によって争われる準々決勝18ホール。そして、その日の内に続けてベスト4による準決勝18ホールが行われます。つまり、1日に2ラウンドまわることになります。いよいよクラチャンが決まる決勝戦は、36ホールによるマッチプレーになります。

ゴルフ場によって日程に違いはありますが、決勝戦は36ホールというゴルフ場は多いです。つまり、クラチャンになるためには、2ラウンドをまわり切れる体力が必要不可欠ということになりますね。

通常通りにラウンドしていたのでは2ラウンドを消化できないので、クラブ選手権中はそれ以外のお客様の組を抜いていきながらのラウンドになります。つまり、選手権が開催されている日にプレーをする場合、選手権の組が近づいてきたときには、その組が通り過ぎていくのを待つことになります。

◆女性のクラブチャンピオンはいる?

女性がクラチャンに挑戦することも可能です。その際、男性と同じティを使用することになります。男性並みの飛距離が求められることになりますが、女性のクラチャンは決して珍しくありません。私が勤めるゴルフ場でも、クラチャンに挑戦する女性ゴルファーはいます。

日本ゴルフ協会に加盟しているゴルフ場でクラチャンになると、「全日本クラブチャンピオンズ」というクラチャンの日本一を決める全国大会に出場できるのですが、その大会で女性が決勝に進出してニュースになったこともあります。

クラチャンはゴルフ場の顔とも言える存在なので、クラブ選手権はキャディとしても最も結果が気になる競技です。今年のクラチャンが誰になるのか、そのキャディを誰が務めるのか。落ち着かない日々はまだしばらく続きます。

◆キャディのB子 プロフィール

キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。

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