「この人、上手そう」とキャディに思わせる、こなれたクラブセッティングとは?

こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。さあ、今日も頑張りしょう! と気合の入るスタート前、キャディバックをカートに乗せながらついつい確認してしまうのが、そのクラブのメーカーやスペック。ウェッジだけが違うメーカーのものが入っていたりすると、「このお客様は上手そう?」と思うキャディは、きっと私だけではないはず。

キャディは、その日につく予定のお客様に挨拶する前に、まずはキャディバッグと対面します。カートにキャディバッグを乗せた後、クラブ全てをチェック。ヘッドカバーを外しながら1本1本丁寧に確認していくのですが、毎日毎日やっていると、キャディバッグやヘッドカバーの見た目、入っているクラブの様子などから、そのお客様がどういった方かを想像することができるようになります。

写真提供/キャディのB子

クラブでお客様のレベルを判断⁉

シャフトの固さ、ウェッジの種類、ロフト角、ウッドの本数やそのメーカーなど、クラブから得られる判断材料はたくさん。このお客様は若い方、飛ばし屋さん、ゴルフ歴○十年のベテランさん…もちろん、当たるかどうかは別ですが。そんな風に勝手に想像しては、今日の立ち回り方を考えながらクラブチェックをこなしていきます。

かなり使い古されたクラブが1本だけ入っているという場合も、想像力を掻き立てられます。他のクラブは新しくしたけれど、自信のあるこのクラブだけは入れておきたい! もしくは、思い入れのあるこのクラブはお守り。——そんな、クラブへの想いが感じられますよね。きっと、もう何年もゴルフされている方なのでしょう。
ちなみに、私が勤務するゴルフ場はとても林が多いので、今では珍しいロングアイアンや、傷だらけのユーティリティーを林からの脱出用にと入れているお客様を見ると、「慣れていらっしゃるな」と思わずニヤリとしてしまいますね。

クラブ以外のものも見られてる⁉

想像力を掻き立てられるのは、クラブだけではありません。最近は、クラブ以外のものが入っていることも増えました。バットなどの素振り用の器具や、交換用のシャフトなどなど。(※ちなみに他のクラブを出し入れする際に、このシャフトによって傷つくことがあるので、カバーをするか、グリップ側を上にすることをおすすめします。)そういったものが入っているのを見ると、こだわってゴルフされているのだろうなぁと感じます。

なぜか、池に入ったボールを拾うための「ゴルフボールピッカー」と呼ばれる器具を入れている方も結構見かけますね。
他のゴルフ場のバッジなども見ます。名門コースのメンバーバッジをつけている方なら、あんな方。あちらこちらのコースの紙のネームタグをつけられている方なら、こんな方。キャディの想像は膨らむばかりです。

ヘッドカバーも、かなり個性が現れるもの。アニメのキャラクターだったり、大きなぬいぐるみだったりがついていると若い方を想像するのですが、孫からもらったというご年配の方だった…なんてこともあります。

想像が大きく裏切られる場合も

当然、大きく裏切られることも多々。先日ついた女性のお客様は、クラブが全部で7本。ウッド3本、アイアン3本、パター1本。ゴルフショップでキャディバックとセットになって売られている、いわゆる「初心者用セット」でした。

そのお客様とお話してみれば、ゴルフ歴は長いもののそれほど興味があるわけではなく、たまに誘われて練習場に行ったり、ラウンドしてみたり…といった感じで、スコアも140ほど叩くとか。そこは、まあ想像通りでした。
そして、いよいよ朝一番のティショット。緊張の面持ちのお客様でしたが…、放たれたショットはまさかのビッグドライブ! 男性のお客様にも劣らない飛距離で、思わず私の目は点に。何事も思い込みはいけないと、改めて思い知らされました。

ちなみに、今まで一番少なかったクラブ数は、4本。多かったのは20本。4本の方は、ドライバー、7番アイアン、サンドウェッジ、パターというセッティングで、初心者の方が借り物のクラブでプレーされるのかな?という私の想像を飛び越えて、まさかの「あわや90切り」という猛者でした。
20本の方は、想像通り、アイアンの試し打ちの最中で、2セット入っているような状況で、色々と悩んでいるご様子でした。

クラブのセッティングだけでなく、ヘッドカバーのチョイスなども、お客様の様子が伺えるところ。キャディバッグのフードを開けた時に、自分らしさ現れる様な、そんなセッティングをぜひ! 目指していただけたらなと思います。

◆キャディのB子 プロフィール

キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。

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