【暑熱順化って何?】熱中症にならないために、 真夏のゴルフ対策を今から始めよう【医師監修】

昨年、埼玉県のゴルフ場で、猛暑の中行われた競技中に出場者が熱中症で倒れそのまま死亡するという痛ましい出来事がありました。毎年のように最高気温を更新するような危険な暑さとなっている夏。プロのトーナメントでも、ラウンド中に熱中症のような症状で途中棄権する選手やキャディが増えてきました。

毎週プレーしているプロゴルファーでさえ、危険に感じる猛暑。暑くなることが予想される日は、不要不急な外出はせず、エアコンの効いた室内で過ごすことが大切…とはいえ、接待やコンペで断れない! という時もありますね。夏でもゴルフがしたい! というゴルファーに、今から準備をする「暑熱順化」をお勧めします。

◆監修医プロフィール

八十川要平 先生

医療法人財団 百葉の会 銀座医院院長
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本人間ドック学会専門医・指導医 等

◆真夏に向けて今から準備! 「暑熱順化」とは?

暑熱順化とは

暑さに慣れるため、熱中症の危険が高まる前に無理の無い範囲でする汗をかくような取り組みのこと。

体を暑さに慣れさせることが重要なため、気温が上がり熱中症の危険度が上がる前に、無理の無い範囲で汗をかくことが大切です。日常生活の中で、運動や入浴をすることによって汗をかくことで、体を暑さに慣れさせます。暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかると言われています。暑くなる前から、余裕をもって活動を始め、夏に備えるようにしましょう。


暑熱順化の主な効果

・安静時の体温の低下
・血漿量の増加
・同じ運動強度に対しての発汗量の増加
・心拍数の低下
・主観的疲労度の低下


これらの適応によって、気温の高い状況においても運動パフォーマンスの維持・向上が期待できます。

◆暑熱順化の取り組み方は?

【1】ウォーキング・ジョギング

帰宅時にひと駅分歩く、外出時にできるだけ階段を使用するなど、意識して汗をかくような動きをしましょう。目安としては、ウォーキングなら1回30分。ジョギングなら1回15分。頻度は、それぞれ週5日程度です。

【2】サイクリング

通勤や買い物など、日常生活の中で取り入れやすいのがサイクリングです。1回30分程度で、週3回が目安です。

【3】筋トレ・ストレッチ

室内での筋トレやストレッチで、軽く汗をかくことができます。運動時は室内の温度に注意して、暑くなりすぎたり水分や塩分が不足したりしないようにしましょう。目安は、1回30分程度で、週5回~毎日できると良いですね。

<入浴>

シャワーのみで済ませず、湯船にお湯をはって入浴し、適度に汗をかきます。入浴の前後には、十分な水分と適度な塩分を補給しましょう。湯の温度は低め(38~40℃)で、時間は少し長め(10~15分)の入浴がおすすめ。頻度は、2日に1回程度です。

一度暑熱順化ができても、数日暑さから遠ざかると効果が無くなってしまいます。自分が暑熱順化できているかを意識し、できていない時には特に熱中症に注意するようにしましょう。

◆熱中症になりやすいタイミング

5月の暑い日

5月でも、最高気温が25℃以上の夏日や、30℃以上の真夏日となることがあります。身体がまだ暑さに慣れていないため、気温が高くなる日に活動をする際には、屋外でも室内でも体調に注意し、水分補給と適度な休憩をするようにしましょう。

梅雨の晴れ間

梅雨の時期になり気温が下がると、それまでに暑熱順化した体も元に戻ってしまいます。梅雨の晴れ間で気温が上がる日は、温度も湿度も上がる可能性があるので、熱中症には特に注意しましょう。

梅雨明け

梅雨明け後は、晴れて気温が高くなる日が続くことが多くなります。梅雨の間に暑熱順化できていないことで、熱中症による救急搬送者数が急増する時期でもあります。

お盆明け

お盆休みや夏休みの間に、暑熱順化が戻ってしまう場合があります。また、帰省や移動などで疲れている場合にも、熱中症には注意が必要です。

◆ゴルフ場での熱中症対策は?

こまめに水分補給をし、氷嚢などの対策グッズを活用しましょう。塩分補給も忘れずに! ゴルフ場によっては、乗用カートに、クーラーや扇風機などを取り入れているところも。スタート時間を普段より1時間早く設定しているゴルフ場もあります。予約の際に、確認してみても良いかもしれません。

もし、ラウンド中に頭痛や吐き気、顔のほてり、筋肉収縮し手に力が入らないなど、熱中症と思われる症状が出た場合には、すぐにプレーを中止して木陰に移動しましょう。すぐにゴルフ場に連絡し、指示を仰ぐことが大切です。

熱中症にならないためにも、今から準備を始めて、夏でもゴルフを楽しんじゃいましょう!

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

おすすめの関連記事