勢いが止まらない! 2024年【国内男子ツアー】の注目ポイントや選手は?

女子プロゴルフツアーに遅れること1ヶ月。いよいよ今季の国内男子ゴルフツアーが開幕しました! 三重県の東建多度カントリークラブで開催された開幕戦「東建ホームメイトカップ」。初日からアマチュアがトップに立つという思いがけないニュースから始まり、昨年のツアーを盛り上げた金谷拓実プロが優勝という、今年の男子ツアーを占うかのような結果となりました。しかも、その後入ってきたDPワールドツアー(ヨーロピアンツアー)での中島啓太プロ優勝のニュース!

女子ツアーに話題を持って行かれがちな男子ツアーですが、今年の男子ツアーは一味違う⁉ そう思わせてくれた先週1週間。まずは開幕戦を振り返りながら、今年の男子ツアーの見どころについて話していきたいと思います。

◆男子ツアーの本気を見せた開幕戦

開幕戦初日、今年大学3年生になるアマチュアの中野麟太朗選手がコース記録タイの10アンダー「61」でまわり、首位に立ちました。今までに、プロの大会でアマチュア優勝を果たした選手は7人。とくにここ数年、毎年のようにアマチュア選手が優勝しています(2019年金谷拓実プロ・2021年中島啓太・2022年蝉川泰果・2023年杉浦悠太)。
中野選手は、国内のアマチュア日本一のタイトルである「日本アマチュアゴルフ選手権」の昨年の覇者。アマチュアの台頭著しいゴルフ界で、最も注目されている選手と言えます。最終的に優勝は逃したものの、結果は4位。いつ勝ってもおかしくない選手です。

中野麟太朗選手 (撮影/ALBA)

開幕戦2日目は、前日の夕方から降り出した雨のためコースコンディションが悪化。スタートは遅れに遅れ、最終的にはなんと6時間遅れでのスタートとなりました。それでも中止を選ばなかったことに、今年の男子ツアーの本気を見たような気がします。6時間遅れということで、その日の内にスタートできなかった選手も。その影響は、最終日まで残る形になり、開幕から非常にタフな大会となりました。3日目の早朝に、2ラウンド目の残りを消化。14時から始まった3ラウンド目は、18時過ぎに再びサスペンデッド。最終日の早朝に3ラウンド目の残りを消化し、8時過ぎから無事に最終ラウンドがスタートしました。

いつスタートできるかわからない状態で待機することは、体力的にも精神的にも辛いもの。そんなタフな展開となった大会にもかかわらず、優勝スコアはなんと23アンダー! 15アンダーでもやっとトップ10というバーディ合戦となりました。

そんな大会を制したのは、昨年のツアーで賞金ランキング3位となった金谷拓実プロ。意外にもまだ賞金王になったことが無い金谷プロですが、初の賞金王獲得に向けて今年もツアーを大いに盛り上げてくれるに違いありません。

◆日本勢の海外ツアーでの活躍にも注目!

金谷プロの優勝からしばらくして、DPワールドツアーで中島啓太プロ優勝のニュースが入ってきました。昨年の日本ツアーで賞金王に輝いた中島啓太プロは、その資格でDPワールドツアーを主戦場にしています。そして、先週開催された今季6試合目となる「ヒーローインディアンオープン」で、日本勢5人目となる歴史的勝利を飾りました。

今年は、2月にUSPGAツアー「ザ・ジェネシス招待」で松山英樹プロが2年ぶりに優勝。DPワールドツアーでも「コマーシャルバンクカタールマスターズ」で、星野陸也プロが青木功プロ、松山英樹プロ、久常涼プロに続く日本勢4人目の欧州ツアー制覇を達成しています。先月には、オーストラリアツアーとアジアンツアーの共催である「ニュージーランドオープン」で、幡地隆寛プロが優勝。日本国内のツアーはまだ始まったばかりですが、海外のツアーでは日本人選手が素晴らしい結果を残していっています。

国内ツアーの大会数の減少傾向が止まらない男子ツアーではありますが、その影響もあってか海外へ挑戦する選手が増えている印象です。アジアンツアーの予選会の結果を見ても、多くの日本人選手が挑戦していました。

世界中で開催されている大会の結果は、テレビやネットなどでリアルタイムに知ることができる時代。ゴルフ観戦は、国内だけじゃもったいない! 海外で活躍する日本人選手を応援しながら、これから本格化する国内ツアーでは、これから海外でも活躍しそうな選手を予想しつつ楽しんでほしいと思います。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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