稲見萌寧プロが涙を流すほど難易度が高い〈〇年連続優勝〉の記録【数字でスゴさを読み解く国内女子ゴルフツアー】

USLPGA主催の「TOTOジャパンクラシック」では、通算22アンダーで稲見萌寧プロが逆転優勝を飾りました。これで稲見プロは19年以来5年連続での優勝です。そこで、今回は何年連続優勝記録があるのかを調べてみました。

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◆ホッとしたら涙が出てきた

最終18番ホールでウイニングパットを決め、同組で回っていた桑木志帆プロらと喜びのハグを交わしていた稲見萌寧プロ。そのときは満面の笑みを浮かべていましたが、アテストを終え、表彰式の前に行われたテレビインタビューを受けた際、いきなり言葉に詰まり、涙を流し始めました。泣くつもりはなかったらしいのですが、インタビュー中にあることを思い出したら、急に涙が出てきたそうです。

そのあることとは、5年連続してツアー優勝を飾ったことです。稲見プロがツアー初優勝を飾ったのは19年のセンチュリー21レディス。その翌年である20年はスタンレーレディスで2勝目を飾り、21年はなんと年間9勝を挙げて賞金女王に輝きました。さらに、22年も2勝と、4年連続で優勝を飾っていました。

「プロになってからずっと持ち続けている目標があって、それは毎年優勝することなんです。でも、今年はなかなか勝てず、もう無理かなという気持になっていたところで勝てただけに、安心感で涙が込み上げてきました」

確かにこの大会を含めて残り4戦で優勝するのは厳しかったかもしれません。まさにラストスパートに入ってきてからでの優勝だっただけに、ホッとした気持ちが涙につながったのでしょう。

◆4度のスイング改造を乗り越えた稲見プロ

ところで、稲見プロは5年連続優勝を飾っていますが、ツアー記録はどうでしょうか。調べてみると、なんと10年連続で優勝している選手がいました。ツアー通算50勝を挙げている不動裕理プロです。99年の伊藤園レディスでツアー初優勝を飾ったのを皮切りに、00年6勝、01年4勝、02年4勝、03年10勝、04年7勝、05年6勝、06年2勝、07年2勝、08年4勝と留まることを知りません。しかも、09年こそ未勝利に終わりましたが、10年、11年は2勝ずつ挙げているだけに、むしろ10年連続は惜しい記録と言えるでしょう。

その不動プロに続くのは、9年連続のアンソンジュプロ(10年~18年)。8年連続の平瀬真由美プロ(89年~96年)と全美貞プロ(06年~13年)、申ジエプロ(14年~21年)です。この中で継続しているのは、ジエプロだけですが、あと2年でタイ記録、3年で新記録となり、十分更新が期待できるところです。ちなみに、5位には7年連続の横峯さくらプロ(05年~11年)が入っています。

ここ数年は、ツアーのレベルがどんどん上がってきているので、1勝することすら難しい状況です。それを何年も続けて行うのは、技術はもちろん相当な体力と強い精神力が要求されるでしょう。今季の稲見プロは4度のスイング改造を行ったり、体調不良もあって思うようなゴルフができない時期が長くありました。それを乗り越えての優勝は大きな自信になるはずです。まだ24歳と若いだけに、不動プロの記録を塗り替える可能性はかなり大きいと言えるでしょう。

取材・文/山西英希

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