JLPGAツアー“史上最強の世代”は? 世代別に見る〈優勝者数〉と〈通算勝利数〉を調べてみました!【数字でスゴさを読み解く国内女子ゴルフツアー】

国内女子ツアー第26戦「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」で今季3勝目を飾った櫻井心那プロ。10代でJLPGAツアー3勝を達成したのは、宮里藍プロ、畑岡奈紗プロに続く史上3人目の快挙でした。

実はこの大会では、櫻井プロと同学年の尾関彩美悠プロと神谷そらプロも8位タイに入っていました。櫻井プロら03年度世代は、世代別で数えると通算7勝を挙げており、強い学年という印象を与えています。では【世代別の優勝者数】や、【世代別の通算の勝利数】を紐解くと、一体何位に当たるのでしょうか!?

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◆【世代別の優勝者数】黄金世代の優勝者数は13人!

櫻井心那プロは03年度世代ですが、この世代の優勝者は川﨑春花プロ、尾関彩美悠プロ、神谷そらプロの4人。数字的には99年度世代以降では最多になります。4人のほか、佐藤心結プロ、竹田麗央プロなど優勝争いに絡んだ経験を持つ選手もいるので、今後も増えていくことも十分期待されるでしょう。

【世代別の優勝者数】が最も多いのは、98年度世代、いわゆる黄金世代です。なんと13人もの優勝者を輩出しています。しかも、全員が日本選手であり、昨年2人、今年2人となお優勝者数を増やしています。
その影響からか、彼女たちよりも下の世代を見ると、99年度世代は3人(稲見萌寧プロ、S・ランクンプロ、菅沼菜々プロ)、00年度世代は3人(古江彩佳プロ、西村優菜プロ、吉田優利プロ)、01年度世代は3人(笹生優花プロ、山下美夢有プロ、西郷真央プロ)、02年度世代は2人(岩井明愛プロ、岩井千怜プロ)となっています。毎試合、黄金世代の誰かが優勝争いに絡んでくるわけですから、そこに加わって勝ち切るのは至難の業でしょう。

ちなみに、【世代別の優勝者数】での第2位は、87年度世代の10人(吉田弓美子プロ、笠りつ子プロ、原江里菜プロ、有村智恵プロ、穴井詩プロ、服部真夕プロ、アン ソンジュプロ、テレサ ループロ、黄 アルムプロ、ナ ダエプロ)です。第3位タイが69年度世代の8人(平瀬真由美プロ、入江由香プロら)、82年度世代(古閑美保プロ、西山ゆかりプロら)、88年度世代(イ ボミプロ、菊地絵理香オプロら)、92年度世代(青木瀬令奈プロ、成田美寿々プロら)でした。

単年度ではなく、2年度に渡って優勝者数が最も多いのは、現在34~36歳になる87、88年度世代で18人となります。

◆【世代別の通算の勝利数】レジェンド2人を持つ最多勝世代とは?

ただ、「優勝者数が多い世代=勝利数も多い世代」ではありません。なぜなら1人で何十勝も挙げているケースがあるからです。もちろん、優勝者数が多ければ、勝利数も増える確率は高くなります。実際、世代最多優勝者数の98年度世代は42勝も挙げています。しかし、ランキングでは歴代14位と、決して高い順位ではありません。

世代別の通算の勝利数】 歴代1位は51年度世代の98勝です。優勝者数は3人ですが、大迫たつ子プロが45勝、岡本綾子プロが44勝、永田冨佐子が7勝を挙げています。永久シード選手が2人もいるわけですから、当然といえば当然かもしれません。

歴代2位は89勝を挙げている87年度世代です。この世代は優勝者数でも第2位であり、ある意味最強世代と言えるのかもしれませんね。特筆したいのは穴井プロが今年に入って2勝し、1位の51年度世代との差を詰めていることです。さすがに9勝差を埋めるのは難しいかもしれませんが、そのときは真の最強世代と呼んでいいでしょう。

歴代3位は88勝の54年度世代です。昨年までは2位でしたが、穴井プロの2勝で逆転されてしまいました。もっとも、この世代での優勝者数は2人しかいません。歴代最多勝を誇る涂阿玉プロが70勝、日蔭温子プロが18勝を挙げています。

歴代4位は88年度世代の77勝です。87、88年度世代で166勝挙げているのは、まさに圧巻です。宮里藍プロ、横峯さくらプロ、藤田さいきプロらの85年世代(50勝)、上田桃子プロ、諸見里しのぶプロらの86年世代(29勝)を加えると、この4年度世代で245勝となり、まさにこの世代がJLPGAツアーの一時代を築いたと言えるでしょう。

ちなみに、歴代5位は45年世代の69勝で、これは樋口久子プロが1人で挙げたものでした。

取材・文/山西英希

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