「え、渋野日向子プロも?」著名なプロゴルファーでもやってしまう【ルール違反】エピソード

ゴルフには細かいルールやマナーが存在するため、気を付けていてもルール違反をおかしてしまうことがあります。時折ニュースになりますが、プロゴルファーでさえ思わぬ失敗をしてしまうことも。アマチュアゴルファーならばなおさら、緊張する場面や気のゆるみからルール違反をしてしまうこともあるでしょう。今回は「プロでもやってしまった失敗エピソード」をご紹介しながら、正しいルールも合わせてお伝えします。

◆【原英莉花プロ】スコア誤記/失格

2023年10月19日、米女子ツアーの2024年シーズンの出場権がかかっていたQスクール・ステージIIの3日目、原プロは1ホール目のスコアを誤記。そのままホールアウトしたため、失格となってしまいました。(ゴルフ規則3-3b)

原プロは「67」の通算5アンダーでホールアウトしたはずでした。しかしスコアボードを見ると「66」と表示されており、おかしいと思い急いで大会事務局に確認したところ、8番(パー4)でボギーを叩いたにもかかわらずスコアカードには「4」と記載していたことが発覚。マーカー役を務めた同伴競技者が誤って記入したスコアカードに、原プロがサインを入れて提出してしまったのが理由で、実際のスコアと異なるため、スコア誤記による失格処分になりました。

記載したスコアが実際のスコアより多かった場合は、記載したスコアが有効になります。しかし記載したスコアが実際よりも少なかった場合は、過少申告とみなされ失格処分になるのです。残念ながら原プロは最終ラウンドに進むことができず「はじめてのミスに自分でもびっくりした」とコメントを残しました。

スコアの記入ミスを防ぐためには、自分で記入したものと同伴者のカードを見比べ、誤記入がないかチェックしましょう。

◆【渋野日向子プロ】マークミス/2打罰のペナルティ

2020年6月25日、アース・モンダミンカップの初日で渋野プロはマーカーを戻さずにパッティングしたとして2打のペナルティが科されました。(ゴルフ規則14‐7a)

5番ホール、2オンして打ったボールはショートし、1メートルのパーパットを残した渋野プロ。他の選手のラインにマークがかかるため、マークを1ヘッド分ずらし再びマーク。ここまでは問題ありませんでした。しかし、パッティングに入るときに、ずらしたマークをもとの位置に戻さずにボールを置いたため、誤所からのプレーとして2打のペナルティを科されてしまいました。このとき「すっかり忘れていた」とコメントしました。

マークの戻し忘れは他の選手でも時々見られ、石川遼プロも2019年9月1日RIZAP・KBCオーガスタの最終日にペナルティを受けています。

自分のマークが同伴者のラインにかかりそうなので、邪魔にならない位置にマークをずらすという場面は、初心者でも遭遇する可能性は十分にあります。マークを動かすときの正しい手順は次のとおりです。

1.マークする→ボールをピックアップ
2.パターヘッドなどを使ってずらす距離を測る
3.ずらした位置でマークする
4.2と同様に距離を測りもとの位置に「マーク」をずらす
5.もとの位置にマークしてからボールを置く

以上が正しいマークのずらし方です。特に「4」で再びマークすることを忘れがちなので、一連の流れを慌てずゆっくり行いミスを防ぎましょう。

◆【池田勇太プロ】クラブ本数の超過/2打罰のペナルティ

2017年7月7日、長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップの2日目。池田プロは所持クラブの本数が1本多く、2打のペナルティが科されました。(ゴルフ規則4-4)

池田プロは1番ホールをプレー中にキャディバッグにクラブが15本入っていたことに気づき、同伴選手に申告しました。本来ならばパーで上がっていたはずでしたが、ダブルボギーという結果に。スタート前に使うクラブを迷ったことから発生したミスだったようです。

ラウンドに持ち込めるクラブの本数は、14本まで。14本を超えると「違反があった各ホールに対し2打」のペナルティが科せられます。1ラウンドのペナルティは最高で4打までです。池田プロは1ホール目で気が付いたので2打のペナルティで済みましたが、気が付くのが遅ければ4打のペナルティでした。

アマチュアに置き換えて考えると、持っているクラブを全て使わない人がやりがちなミスです。使わないクラブはバックから抜き、ラウンドには持ち込まないほうが無難。持ち運びもラクになりますし、クラブ選択に迷う時間も短縮され、スロープレー防止にもつながります。

◆【松山英樹プロ、星野陸也プロ】他人のボールを誤球/2打罰のペナルティ

2018年11月15日、ダンロップ・フェニックスの初日に松山プロと星野プロがお互いのボールを間違えて打ってしまい、誤球として2打のペナルティを科されました。(ゴルフ規則15-3b)

14番のティショットで2人の打球は左ラフに。先に松山プロが、続いて星野プロが2打目を打ちました。実はこのとき松山プロは星野プロのボールを打ってしまっていたのです。星野プロも自分のボールを打たれたことに気が付かず、松山プロの打球を打ちました。グリーン上でお互い自分のボールではないことに気が付き競技委員に申告。2人はとも2打のペナルティを受けました。
2人のボールはどちらもスリクソンで、ラフに入ったボールを見間違えたのが原因だったよう。松山プロは人生で初の誤球とのことで、星野プロに申し訳ないとコメントしました。

他人のボールを間違えて打ってしまうミスは、誰にでも起こりうることです。このようなミスを防ぐためには、スタート前に同伴者のボールを全員で確認してお互いのボールを覚えておきましょう。人気のあるメーカーは、同じものを使っている人がいる可能性が高いので、ボールナンバー(ロゴマークの横にある数字)を変えたりペンでマークを付けたりして、区別できるようにするのが◎。

知人友人とのラウンドであれば、今回紹介したような出来事でペナルティを科すことは恐らくないでしょう。しかし「やってしまった」という気持ちがその後のプレーに影響し、残念なスコアになってしまうかもしれません。事前の確認や落ち着いて手順を踏むことで失敗は防げます。同伴者同士でお互い声を掛け合って、ルールに従い楽しくラウンドしましょう!

取材・文/夢書房

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