課題の発見も克服もゴルフ場で完結させる派です【私たち、こうしてギュンと急成長できました】

ゴルフを始めて短期間で飛躍的に上達した女性にインタビュー。どのように課題を克服し、100切り→90切りを果たすことができたのか、秘訣を語ってもらいました。

◆子育てと仕事の合間に短期集中で我流レッスン

「一般的に習うゴルフのスイングと違い、私は右手優位の打ち方なんです」——そう語るのは、現在シニアのトップアマとして活躍中の内山汐里さん(以下、汐里さん)。汐里さんがゴルフを始めた年齢は39歳。短期間で腕を磨くことができたのは、独自の練習の成果だ。

「仕事と子育てで忙しかったので、効率よく上達したいと思ったんです。よく『ゴルフは手ではなく体を使って打て』と言われますが、私の場合、テニスで身についた体の使い方を変えるのはかなりの遠回りになると気づいたので、自分に合った打ち方を自分自身で研究することにしました」と振り返る。

多様なライから打って飛距離の違いを確認したり、練習用バンカーでフェース面を少しずつ開きながら軌道の違いを確認したり……と、試し打ちを繰り返した。同じ動きをして30〜40球うまくいけば、ようやく「自分に合っている」と納得できるとのこと。逆に、数回うまくできても続けて成功しないものは「自分に合わない」と割り切るという。

「いったん身につけたスイングも、試合で再現できなかったらやり方を変えます。コースで再現できなければ意味がないですし、できない理由も知りたいので」

汐里さんは試合中に課題を見つけ、次の試合までに調整するタイプ。試合後にゴルフ場に残って、暗くなるまで練習することがほとんどだそう。ゴルフ場の了解を得て、朝4時から車のライトで照らしながら練習したこともあるという。

「時間に制限がなければ、一日中続けられるほど練習が大好きなんです(笑)。今はアマチュア競技に集中していますが、指導者は天職だと思っているので、いずれはゴルフも資格を取って、テニスとゴルフ二刀流の指導者になるのが夢です」

◆「練習は短期“超”集中型」内山汐里さん

アベレージ77、ベストスコア69(共に白ティ)。元世界ランカーのテニスコーチ。
現在はフリーランスのテニスコーチ兼アマチュアゴルフ競技のトッププレーヤーとして活動中。
親子3世代でゴルフを楽しむスポーツ一家。娘・りたまるさん(右)はLPGAティーチングプロA級のプロゴルフコーチ
汐里さんのゴルフアドバイザーでもある。

Golf History

◆小学生〜大学生/テニスを極め、世界の舞台で闘う

小学4年生から硬式テニスを始め、大学卒業までテニス三昧の日々。伊達公子さんと同期のテニスプレーヤーとして大舞台で数々の成績を残した。インターハイ、インカレ、全日本に出場、大学王座決定戦では優勝を果たす。

23歳/ジュエリー業界に就職し、店長代理に

大学卒業後、かねてより興味のあったジュエリー業界に就職。店長代理を務めていた頃、結婚を機に退社。2児に恵まれ子育てに心血を注ぐ。

39歳/ゴルフに出合い、ひたすら自主練を重ねる

中学生の娘がゴルフを始めたのをきっかけに、待ち時間の間、打ちっぱなしでボールを打ち始める。テニスで培ったセンスを生かしてボールと戯れることから始め、徐々に多種のショットを身につける。

数か月後に100切りを達成

同年、コンペ要員として呼ばれたラウンドで100切りを達成。当時は年1ゴルファーで、このときのラウンド経験はまだ数回目だった。

43〜44歳/5年目に90切りを達成 ←ココで急成長!

エンジョイゴルフでは飽き足らず「競技ゴルファーの道を歩む」と決意。子育てと仕事を両立しつつ、娘の試合送迎の間にギュギュッと練習。

アマチュアの公式戦に出場。本格的な競技の世界へ

試合に出場し、課題を見つけてはホールアウト後に猛練習。コツを掴んだら次の試合で実践! という自己完結型の練習法で進化を続ける。「闘うことは自分を知ること。自分の弱さも強みもリアルに知ることができるから、競技が好きなんです」(汐里さん)

45歳〜80切りに続き、誕生日にパープレー(72)を達成!

全日本パブリックミッド女子の試合で80切り(75)を達成、予選を通過。翌年、日刊アマチュア女子地区予選で、誕生日に72を達成。

現在〜今年、世界女子シニアゴルフ選手権への出場が確定

テニスとゴルフの二刀流を続行。ゴルフではトップアマとして成績を残すべく健闘中。2024年世界女子シニアゴルフ選手権にも出場予定。

Regina2024春号より転載 撮影/大崎 聡 エディター/大津恭子 撮影協力/Lounge Range広尾天現寺

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