堀 奈津佳プロがレッスン【1】 力がなくても、小柄でも「200ヤード超え」はできる!

「同じ女性なのに、どうして女子プロはあんなに飛ばせるの?」。身長159センチと、決して大きな体ではないけど、230ヤードを飛ばす堀 奈津佳プロが飛距離アップの秘訣を教えてくれました。飛距離に悩むSサイズ女子の皆さん、これを読めば憧れの200ヤードも夢ではありません。力に頼らず、楽に飛ばせるコツを2回にわたってお届けします。

クラブは〝振る〞より〝振られる〞が正解

「思いっきり振った割には飛んでない……」なんてこと、よくあるのではないでしょうか。ムダな力はスイングの軌道を崩すことになり、ミスショットにつながってしまいます。自分の力でクラブを振るのではなく、クラブに振られるイメージを持つ方が、芯に当たる確率が高くなり、クラブの性能も発揮されて本来の飛距離が出るもの。コツは下半身の使い方。しっかり構えて腰を回転させることで、クラブに振られるイメージのスイングができるはずです。そしてもうひとつ大切なことは、気持ちよく振ること。自分の感性を大事にすることはとても重要です。練習中は飛距離や球筋に気を取られず、カラダの感覚に意識を向けてください。

アドレスは両ひざを前に向けてどっしり構える

骨盤に上半身がしっかり乗るイメージでアドレスしましょう。このとき、両ヒザが前を向いていることが大切。内股ではどっしり構えられません。そして、脚のつけ根から上体を前屈します。背中を前に倒すのではなく、脚のつけ根からです。重心は親指のつけ根から土踏まずが正解。かかと体重になると、カラダが動かなくなってしまいますので注意しましょう。

内股にならないよう注意!

内股にならないよう注意!

脚のつけ根から上体を倒す

脚のつけ根から上体を倒す

重心をかけるのは、親指のつけ根(母指球)から、土踏まずにかけて(ピンクの部分)

重心をかけるのは、親指のつけ根(母指球)から、土踏まずにかけて(ピンクの部分)

上半身は使わず、下半身の体重移動がポイント

テークバックでクラブをフワッと上げる人をよく見かけますが、これではスイング軌道が定まらず、うまく当たりません。クラブを上げるときは、上半身ではなく、右股関節に体重を乗せる感覚でカラダを回します。そして、ダウンスイングからインパクトにかけて体重を右から左に移します。右にあった体重を左で受け止めるイメージです。上半身を使わなくてもカラダは自然に回ります。

右股関節に体重を乗せる感覚でカラダを回す

右股関節に体重を乗せる感覚でカラダを回す

軸の中で回すイメージで

右から左への体重移動により軸ができ、軸の中でカラダを回すことができます。上半身始動のスイングだとカラダが左右に動きすぎて力が逃げてしまいます。また、右に体重が残ったままカラダを回すと、ヘッドが外から入ってしまい引っかけの原因に。もちろん飛距離も出ないので注意しましょう。

軸の線から肩出ないようにカラダを回す

軸の線から肩出ないようにカラダを回す

上半身が左右に動いてしまうと力が逃げてしまう

上半身が左右に動いてしまうと力が逃げてしまう

撮影/福田文平 取材/たかはしよし子 撮影協力/スワンナプーム・ゴルフ・アンド・カントリークラブ
★次回は、スイングのパワーをより効率よくボールに伝えるための、もうひとつのポイントをご紹介します。

クラブは〝振る〞より〝振られる〞が正解