ショットもパターも! 飛距離の出ない女性が使えるスマートな一言「お先に失礼します」

こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。さて、先日キャディさせていただいたのは、男性2人、女性2人のグループ。男性陣は、どちらもなかなかの飛ばし屋さんでした。飛距離が出る方がいると、どうしても前の組と距離をとらねばならず、ティイングエリアで待つこともしばしば。もし、ティショットを曲げてしまえば、前の組にあっという間に離されてしまう……プレースピードの管理も仕事の内であるキャディとしては、少々不安な状況でした。

そんな中、男性陣が打つレギュラーティと、女性が打つレディースティとの差が10ヤードほどしかないというホールで、女性のお客様が一言「私たちが先に打っちゃいましょうか?」と提案してくださいました。
女性のドライバーの飛距離は、どちらも頑張って160ヤードぐらい。前の組に届いてしまうということはまずありません。そういったことをキャディから提案させていただくこともありますが、お客様の方から提案してもらえるのは大変ありがたいというのが本音。女性たちが順番に打ち終わる頃には前の組も先に進んでいて、男性陣が打てる状況になっていました。

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◆ティイングエリアやセカンドで使える「お先に失礼」ショット

原則として、「ピンに遠い人から打つ」ということに変わりはありませんが、2019年のルール改正で「準備が出来た人から打つ」という項目が追加になりました。しかし、先に打つ予定の人がクラブを取りに行っているような状況なのに、「ピンに遠い人から打つ」ということにとらわれ過ぎてただ順番を待っている人は未だに多いです。

誰かに「先に打って良いよ」と言われてなんとなく打つのではなく、「打つ順番は打てる人から」を念頭に、一度まわりの状況を見てみましょう。

例えばティショットであれば、前の組が自分なら絶対に届かない場所にいる時。他のプレーヤーが打つと届いてしまうから待っているような状況であれば、自分が先に打つことが可能です。セカンドショットであれば、グリーンが空くのを待っているプレーヤーがいる時。グリーンに届かない人や、レイアップする(グリーンを狙わずに刻む)人が先に打つことで、進行はかなりスムーズになります。

そこで大切なのは、声掛けです。「届かないので、先に打ちますね」とか「横に出します」といったように、他のプレーヤーに声をかけて「自分が先に打つこと」をアピールすることです。他の人たちの注意が自分に向いたのを確認してから打つことで、安全を確保します。打ち終わったら、後方で打つ人のために安全な場所へ速やかに移動しましょう。

同じティイングエリアから打つ場合、ティショットの順番は成績順ということにこだわる方が多い中で、「ショートホール以外は飛距離順」というグループがいます。あまりに飛距離に差がある場合、飛距離順にすることでセカンドオナー(2打目を先に打つ人)になりがちな人がティショットを先に打つことになり、2打目に使うクラブを用意するタイミングが作れます。焦りたくないという人には、とくにお勧めの打順と言えます。

もしそうでなくても、「飛ばないので、先に行きます!」と宣言してしまえば、反対する人はほとんどいません。「先に打って良いよ。」と言われると、思わず焦ってしまう人も多いので、自ら進んで「お先に」を宣言してしまいましょう。ただ、飛ばないからと言って先に先にと行き過ぎるのも危険。他の人のプレーもしっかり確認できる範囲で行いましょう。

◆グリーン上で使える「お先に失礼」パット

グリーン上での「お先に」は、タップインできるような短いパットだけではありません。誰かのライン上にマークをしなければならない状況の時、パターを使ってマークを移動するというのが通常ですが、これが案外手間だったりしませんか? 誰かがプレーしている間にマークの移動ができれば良いのですが、その時になって言われて移動して、自分の番になって戻して……とやっていると結構な時間のロスになります。

そこで、「お邪魔なので、先に打ちますね」と言って先にパターを終えてしまう方がいらっしゃるのですが、これがかなりスマートに感じます。他にも、自分のマークが誰かのスタンスにかかってしまう時など、なんとなく相手のプレーに差し触りがありそうな時は、「お先に」と気遣えたら良いですね。

そして先にホールアウトしたら、グリーン周りに置かれているクラブを、自分の分だけでなく全員分回収。回収したクラブの量が多い時は、先にグリーンを下りてカートに片付けに行ってしまえば、より一層スマートに感じられます。

しかし、これらのことはあくまでもプレースピードを早めるための処置。まわりの状況をよく見て、急いでも焦らず、スマートな「お先に」を心がけたいですね。

◆キャディのB子 プロフィール

キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。

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