意外と高収入なゴルフボールダイバー!? 知られざる仕事内容とは

ゴルフダイバーのなかには年収は1,000万を超える人も存在し、思った以上に高収入な職業です。しかも1日の作業はわずか2時間。年収や業務時間だけを見ると効率の良さそうですが「池ポチャ」ボールを回収する「ゴルフボールダイバー」とは、いったいどんな仕事なのでしょうか?

◆ゴルフボールダイバーは池ポチャのボールを拾う仕事

ゴルフボールダイバーは、コース上にある池や水ハザードに落ちたボール=ロストボールを拾い、販売することで収入を得ます。スキューバダイビングのようにタンクを背負い、池に潜ります。タンクの酸素は1本で2〜3時間。この時間でいかに多くのボールを回収するかで収入が決まります。

必要な条件は、国家資格である潜水士の免許を持っていること。池の中に潜り落ちているボールを拾うことができれば、年齢や性別、経験年数などは問いません。林の中に落ちているボールを回収するアルバイトなら時給1,200円前後と言われていますが、池の中に潜るゴルフボールダイバーとなると、平均年収500〜600万円、しかも1日わずか2時間程度の短時間というから驚きです。

◆拾ったボールはショップに持ち込み換金

ゴルフ場から回収したボールは、ゴルフ場に料金を支払って買い取るパターンや、清掃費を受け取らない代わりに無料で持ち帰るパターンなどがあり、ゴルフ場によってさまざまです。回収したボールは次の工程を経てショップや専門の業者に買い取ってもらい、報酬を受け取る仕組みです。

1.洗浄
2.選別
3.業者に持ち込み
4.査定

買取価格は、ボールの劣化状態によって決められます。池から拾い上げた段階で傷みがひどくゴミになってしまうボールもあり、全てが買い取り対象になるわけではありません。相場は状態によってランク分けされ、1球10〜100円です。

1回の潜水で3,000球程度から12,000球も拾えることがあり、その内半分が売り物になるようです。1球を100円で換算すると15万から60万円になることから、かなりの高収入を得られる可能性があります。

ボールを回収する時間帯はゴルフ場との話し合いで決まり、一般的に営業時間外の早朝もしくは夜に行います。本業がある会社員でも時間の調整ができるため、副業としても成り立つ職業です。

◆ロストボールの回収はゴルフ場も助かる

林や草むらの中のボールなら従業員やアルバイトを雇って回収できますが、池ポチャしたボールは池の中に潜れる人しか回収できません。この作業は素人では無理なため専門業者に依頼する必要があり、当然費用が掛かります。そのためそのまま放置しているゴルフ場も結構あるようです。

しかし、そのまま放置し続けると池が汚れ、環境面や見た目にもよくありません。ゴルフボールダイバーに頼めば無料で回収してくれるため、ゴルフ場は費用をかけずに池をきれいに保てるのです。

参考までに、池やOBゾーンに落下した打球を探すことのできる時間は、正式なルールでは3分、一般的には5分程度といわれてます。棒やクラブを使って回収しても問題ありません。この間に見つからなければ、進行に影響するため探すのをあきらめ、プレーを続行しましょう。

◆全国のゴルフ場が職場に

回収するゴルフ場は、自分が行ける範囲であれば全国どのゴルフ場でも対象です。とはいえ回収を求めるゴルフ場の情報が公開されているわけではないので、基本的に次の2つの方法で探します。

1.営業をかけ自分で探す
2.ゴルフ場からオファーが来る

ゴルフ場への営業や紹介をもらうことがほとんどですが、スキルの高いダイバーになると、全国各地のゴルフ場や海外からオファーが来ることもあります。ゴルフボールダイバーの仕事は、国内だけにとどまらないグローバルな職業なのです。

◆楽しては稼げない! 池の中は過酷

「なんだか楽して稼げそう!」そう思った人もいるでしょう。しかし、池の中に潜るのは思っている以上に過酷です。コース上にある池は濁りがひどく、真っ暗で水底がはっきり見えることはほぼありません。

冬場は水温が低く、ウエットスーツを着用してもとにかく寒い。氷が張っている池に潜ることもあり、入水したところを覚えていないと出られない危険性もあります。海外のコースではワニやヘビが生息している池もあるため、命がけで潜らなくてはなりません。

泥や藻で濁った水中を手探りで2時間……冬場の早朝・深夜の潜水は、想像しただけでも過酷さが伝わりますね。ゴルフボールダイバーは、短時間で高収入が狙えるけれど、潜水技術と体力が勝負の職業です。決して「楽して儲かる」仕事ではありませんが、働く場所と時間を自分で決められる、自由度の高い職業なのです。

取材・文/夢書房

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