20~30ヤード飛ぶ“ドラコン用マン振りスイング”は普通のスイングとどう違う?【ドラコン世界女王・大和田紗羅が教えます】

ボールを遠くへ飛ばしたいのはゴルファーなら誰もが思うこと。女性だからって飛ばないわけではありません。女性だからこそ飛ばせる伸びしろが残っているんです。ドラコンの世界女王である大和田紗羅プロによれば、アッパーブローで打ち、ボールのスピン量を減らして、キャリーを稼げる打球に変えると、飛距離は一気に伸びるとのこと。アマチュアゴルファーにとってマネをするのは難しいかもしれませんが、興味ありますよね。今回は大和田プロの通常スイングとドラコン用のマン振りスイングの違いを見せてもらいました!

大和田紗羅プロ

◆ドラコンスイングは体を120度回すからオーバースイングになる

通常スイングとドラコン用のマン振りスイングを比べた場合、最も大きな違いは、体をどれだけ回旋するかにあります。それが最も表れるのはバックスイングです。通常のスイングでは上体を90度右に回しますが、ドラコンスイングでは120度回します。

実際にアドレスから比べてみましょう。まず、通常のアドレスでは、右足に体重の6割を乗せ、左足に4割乗せて構えますが、ドラコンスイングでは、右足に7割、左足に3割の体重配分です。当然、体の軸は右に大きく傾きます。ボールの位置はどちらも左足カカトの延長線上ですが、ティアップの高さは変わります。通常はクラブヘッドとボールがほぼ同じ高さですが、ドラコン用はボールが約1個分ヘッドよりも上にきます。よりアッパーブローに打つための準備です。

バックスイングでは先ほどいったように通常スイングは上体を右に90度回し、ドラコンスイングは120度回します。そのため、トップではヘッドが腰の高さぐらいまでくるオーバースイングに見えると思いますが、あくまでも上体をより大きく回すことによってヘッドの位置が下にくるということです。

通常スイングの体重配分は右足6割、左足4割、ティアップの高さはボールとヘッドがほぼ同じ

ドラコンスイングの体重配分は右足7割、左足3割、ティアップの高さはヘッドよりボール1個分出るぐらい

通常スイングはトップで両手の位置が右耳よりも少し上

ドラコンスイングはトップで両手の位置は頭より上

通常スイングはバックスイングで上体を90度回します

ドラコンスイングはバックスイングで上体を120度回します

◆フィニッシュまで右足7割、左足3割の体重配分をキープ

通常のスイングはダウンスイングからフォロースルーにかけて体重を左足に乗せていきますが、ドラコンスイングでは右足に体重を7割残したまま振り抜きます

すると、アッパーブローでボールをとらえることができ、スピン量が少なく、高弾道の打球になります。その分、キャリーを稼げることになります。しかも、クラブには遠心力が働き、ヘッドスピードが通常よりもアップしているので、私の場合はトータル飛距離は20~30ヤードほど伸びます。

NGとしては、ダウンスイング以降で上体が目標方向に突っ込まないようにすること。どれだけ体重を右足に残したまま振り抜くことができるかどうかで、飛距離が大きく変わります。

通常スイングは左足に体重を移しながらインパクトを迎えます

ドラコンスイングは右足に体重の7割を残したままインパクトを迎えます

通常スイングはフィニッシュで左足に体重が多く乗ります

ドラコンスイングはフィニッシュでも右足に体重が多く乗ります

◆動画で比較してみよう!

◆教えてくれたのは…大和田紗羅プロ

おおわださら/1994年生まれ。福島県出身。日本人女子選手として初めて2022年女子ドラコン世界チャンピオンに輝く。公式最長飛距離342ydの記録保持者。ティーチングプロフェッショナル資格 A級とJLPGAジュニアゴルフコーチ資格を持つ

撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/東京相武カントリークラブ(アコーディア・ゴルフ)

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