個性的なフォームなのにシングル? 初心者が陥りがちなフォームへのこだわりと弊害

女子プロゴルファーのように、綺麗なスイングで打ちたいと憧れを抱いている女性ゴルファーは多いはず。しかし、スコアアップを目指すなら、スイングの美しさだけにとらわれるべきではないようです。では、何を意識すれば良いのでしょうか? トーナメントプレーヤーであり、PGAティーチングプロA級の資格を持ち多くのゴルファーを指導する、北原昌敏ティーチングプロに聞きました。

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◆スイングの美しさではなく、再現性が重要

「ゴルフは狙ったところにボールを運ぶ競技であり、スイングの綺麗さを評価するスポーツではありません」と北原プロ。「どんなスイングをしても、クラブをボールにインパクトさせるという動作に変わりはありません。もちろん綺麗なスイングを目指すのは悪いことではないですが、コースに出ると、イメージ通りのスイングを毎度再現するのは難しいんです」と話します。

シングルハンデの上級者にもかかわらず、「えっ?!」と驚くような個性的なフォームでスイングするゴルファーはよく見かけますよね。個性的なスイングでありながら、ほとんどのボールがミスなくまっすぐ飛んでいく。スイングにおいて重要なのは、美しさではなく再現性だという事がわかります。インパクトでしっかりとボールに力を伝えることが何より大切なのです。

◆体の動きではなくクラブの動きが大事

理想通りのインパクトを迎えるためには、「体の動きを意識しすぎないことが重要」と北原プロ。「スイングはクラブの振り子運動です。インパクト時にクラブがボールの芯をとらえることが大切であり、体の動きは実はあまり関係ありません。クラブの動きにつられて、体が勝手に動くイメージです」と話し、多くのアマチュアがうまくインパクトできない理由について「綺麗なスイングをしようとするあまり体の動きに意識が向きすぎると、クラブが思っているところに返ってこず、上手くインパクトできないんです」と教えてくれました。

実際に『体を回そう』『トップから腰を切ろう』と体の動きを意識しすぎると、リキんだりスイングがブレてチョロやダフリといったミスにつながります。

◆“連続素振り”ドリルで正しい位置にクラブヘッドを下ろそう

クラブ先行で体を動かし、インパクトの再現性を上げるために有効な“連続素振り”ドリルを教えてもらいました。

練習場などのゴムティにボールを置かず、左右連続素振りを行います。重要なのは、振るときも戻すときも必ずティにクラブを当てること。クラブに意識が行けば、必ずクラブヘッドが同じところ(ゴムティ)を通ります。逆に、スイングの美しさを意識するあまり体に意識がいくと、クラブヘッドはティのところに戻ってこないことがわかるでしょう。連続素振りをすると、体幹のしまりがわかります。軸ブレも起こりにくくなり、クラブに体が動かされていることが体感できますよ」

◆[POINT] スコア別おすすめ練習法

スコアアップを目指すなら、まずは自分のニガテを把握し、課題を克服することが重要です。今回は、多くのゴルファーをレベルアップさせた北原プロの指導経験から、各スコア帯で解決すべき課題を教えていただきました。

・スコア110~120前後

ありがちミスは“チョロ”。なかなか前へ進まずグリーンに到達するのに5、6打かかる方が多いはず。練習すべきは、ドライバーやフェアウェイウッドなど、距離の出る大きな番手。まっすぐ飛ばし、かつ距離を稼ぐことで、100台のスコアを目指せます。

・スコア90~100台前後

アプローチの精度が悪く、パーオンを逃したりグリーン周りでチョロチョロするケースが多いです。練習場ではドライバーなど長いクラブを気持ちよく打ちたいところですが、20~30ydの距離をしっかり狙えるよう、アプローチの練習に重点を置くことをおすすめします!

取材・文/夢書房

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