あなたのドライバーの飛距離は何ヤード？ もしも160ヤード以下ならスイングに問題アリ。クラブヘッドが加速しないスイングになっている確率が高いと思われます。まずは、しっかりとヘッドが加速するスイングを身につけましょう。
そこで今回は小澤美奈瀬プロがスイングスピードを増すための素振りを紹介してくれます！ しかも、たった2種類の素振りを行うだけでいいんです。早速、チャレンジしてみましょう！
◆スプリットハンドドリルで右腕を伸ばして左腕をたたみましょう！
飛距離が出ない女性ゴルファーの打球を見ると、右に力なく飛んでいく球筋が多いようです。インパクトの衝撃に耐え切れないことや、グリッププレッシャーが強過ぎるため、クラブヘッドが遅れて下りてくること、そしてヘッドを走らせる意識がないことに原因があります。
以上の原因を解消できれば、少なくとも180ヤードは飛ばせますし、今の段階でそれぐらい飛んでいる人もさらなる飛距離アップが望めます。
そこで、原因解消に有効な「素振りドリル」を紹介します。最初に行ってほしいドリルは、右手と左手を離して握る「スプリットハンドで」の素振りです。これは通常の握り方と左手は同じですが、右手はシャフトとグリップ部分の境目あたりを握ります。右手と左手を拳1個分空ける感じですね。あとは目一杯のスピードでクラブを振って下さい。ダウンスイング以降、右腕がしっかり伸びていく感覚と左腕がたたまれる感覚が分かると思います。この左腕がたたまれる動きによって、ヘッドが加速するんです。
スプリットハンドでの素振りを何回も繰り返すと、クラブを加速させる適切なポイントを理解できるので、あとはそのポイントを体に覚え込ませましょう。注意ポイントはゆっくり振らないこと。右腕を伸ばす感覚が分からなくなります。とにかく目一杯のスピードでクラブを振ることが大切です。ちなみに、素早くクラブを振ると、お腹に力が入ると思いますが、それが体幹を使ったスイングになります。
左手はいつもどおり、右手はシャフトとグリップ部分の境目ぐらいを握ります
右手と左手の間隔はこぶし1個分ぐらいです
いつもと同じようにスイングしますが、目一杯のスピードでクラブを振るように心がけましょう
◆クラブを逆さに持ち、5の力でクラブを握って振りましょう！
2つ目のドリルは、クラブを逆さに持って行う素振りです。ドライバーのヘッドに近い部分を持ってアドレスしたら、やはり目一杯のスピードでクラブを振ります。このとき、ビュンという空気を切り裂く音が聞こえてくると思います。問題は、その音がどこで鳴っているかです。おそらく、最初は右足の前あたりで鳴っていると思います。それを左足よりもさらに左で鳴るようにクラブを振りましょう。
右足の前で音が鳴っている人は、クラブヘッドを走らせるポイントがボールよりも手前にあると考えて下さい。左サイドで音が鳴る人は、ダウンスイングでタメができて、しっかりインパクトからフォローにかけてヘッドが加速している証拠です。そのままフィニッシュまで振り抜くことによって、ヘッドスピードが増し、飛距離アップにつながります。
注意ポイントはクラブを強く握らないこと。それを防ぐには、最初にクラブをＭＡＸの力で握ってみましょう。それを10としたら、9、8、7、6、5と徐々に力を抜いていき、5のところで握ります。もしくは4か3でもいいでしょう。それぐらいのグリップ圧で握ると、ヘッドはかなり走ります。同じ5の強さでも0から1、2、3、4、5と上げていくと、強く握ってしまうので、必ず10から下がっていくこと。0から行くと、手首だけでなく、前腕にも力が入るので、ヘッドを走らせることができず、飛距離アップも望めません。
クラブを逆さに持って握ったらアドレスします
ビュンという音が右サイドでする人は、加速させるポイントが手前過ぎます
左サイドでビュンという音がなるようにクラブを振りましょう
グリップに力を入れず、5ぐらいの強さで握るのがポイントです
◆教えてくれたのは…小澤 美奈瀬プロ
小澤 美奈瀬／おざわ みなせ 1992年2月6日、愛知県出身。全米女子プロゴルフ協会会員。 テレビ、雑誌、ラジオなど多くのメディアにぴっぱりだこの“ツヨカワ”ゴルファー。ひとりひとりに寄り添う指導でレッスン予約も殺到中。ヘッドスピードは50m/sを超え、過去に人気ゴルフ番組で優勝を果たすなど高い実力を持つ。インスタグラムアカウント（@i_am_minase）
撮影／村上悦子 取材・文／山西英希 取材協力／アクアラインゴルフクラブ（アコーディア・ゴルフ）
