森田理香子直伝「20ヤードは伸ばせる! 体を使ったスイングの基礎固め」

ツアー通算7勝を挙げ、2013年には賞金女王となった森田理香子プロ。ツアーでも屈指の飛ばし屋として活躍していました。森田プロが飛距離アップの仕方を教えてくれました。効率よく力を出すためには、手打ちではなく体全身を使ったスイングがポイント。体を使った振る感覚を養うところから始めます。ベテランの男性ゴルファーが読んでも、再確認できると思います。

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手打ちでは飛ばない。体全身を使えば飛ばせます

ドライバーショットで、きれいな放物線を描いてボールが飛んでいくと気持ちいいですよね。ゴルファーならプロもアマチュアも関係なく、みんなボールを遠くに飛ばしたいと思っているものです。ボールを飛ばすためには、最新のクラブで自分のスイングに合っているものを使ったり、スムーズな動きで効率よくボールに力を伝えられるスイングをすることが大切です。そして、正直なところ、クラブを早く振るための筋力も欠かせません。プロは、みんなトレーニングをしているので、身長150センチぐらいでも250ヤード飛ばせるのです。

ただ、トレーニングをやらなくても、効率よく力を出せるスイングを身に着ければ、飛距離を伸ばすことはできます。今、150~160ヤード飛んでいる方なら20ヤードは飛ぶようになると思います。効率よく力を出せるスイングは、みなさんも聞いたことがあると思いますが、体の大きな筋肉を使って振ることです。飛距離が出ないという方のほとんどは、手先に頼ったスイング、いわゆる手打ちなので、その動きを変えましょう。

ゴルフクラブを握っているのは手です。手先に重さを感じるので、どうしても手でクラブを振ろうとしてしまいます。手だけでクラブを振っても、クラブはそれほど速く動かせません。今の私のドライバーの飛距離は260ヤードぐらいですが、両足を揃えて手だけて打つと200ヤードも飛ばないと思います。体全身を使うことで、ボールを飛ばせるのです。例えば、ボールを投げるときに座ったまま手先だけで投げるのと、左足を一歩踏み込んで投げるとのではどっちが遠くに投げられるかというのと同じです。当然、一歩踏み込んだ方が遠くに投げられますよね。体を使うとはそういうことなのです。

フォロースルーで右腕が伸びていれば体を使って振れている証拠。スイングアークも大きくなる

手打ちの人はバックスイングで左ヒジ、フォロースルーで右ヒジが大きく曲がっている

クラブを逆さに持って素振りをし、腕を伸ばす感覚をつかむ

いきなり体を使ってください、といってもなかなかできませんよね。私は小学生の頃からずっとクラブを握っているので、右打ちのときはできますが、左打ちになると手打ちになってしまうのです。左打ちに慣れていないから体で振る感覚がないのです。バックスイングで左腕が曲がったり、フォロースルーで右腕が曲がると手先を使っている証拠です。特にフォロースルーで右腕を伸ばして振れるようにしたいですね。細かい動きよりもまずは、体で振る感覚をつかみましょう。

体で振る感覚を養うために、クラブを逆さにしてヘッド側を握ります。クラブの重さを感じないので、手で振ろうという意識を消せます。バックスイングは左腕を真っすぐ伸ばしたまま上げて、フォロースルーでは右腕を真っすぐ伸ばすように振ることで手打ちを防げます。スイング中意識するのは、私はおヘソです。バックスイングはおヘソを右に回して上げ、ダウンスイングからフォロースルーにかけてはおヘソを左に回します。フォロースルーではおヘソが目標方向を向くまで回します。おヘソが難しいようでしたら、背中や腹筋、肩でも構いません。腕が伸びているとスイングアーク(ヘッドの円弧)も大きくなるので、大きな力を出しやすくなります。最初は正面から見て手元が時計盤の9時から3時の振り幅の素振りを繰り返し行ってください。スイング中、特にフォロースルーで右腕を伸ばせれば、必ず飛距離は伸びます。

クラブを逆さに持って素振りをすれば体全身で振る感覚を養いやすい

バックスイングで左腕を伸ばして上げ、ダウンスイングからフォロースルーにかけて右腕を伸ばす。フォロースルーで右腕を伸ばす感覚をつかみましょう

正面から見て手元の高さが時計盤の9時から3時までのハーフ素振りから始めましょう

森田プロはおヘソを回す感覚で振っている。フォロースルーでおヘソが目標方向を向くまで回すことがポイント

森田理香子プロフィール

もりた・りかこ/1990年1月8日生まれ、京都府出身。ツアー通算7勝。2008年にプロ入入り。10年の「樋口久子IDC大塚家具レディス」でツアー初優勝。13年には年間4勝を挙げ、23歳で賞金女王に輝いた。18年を最後にツアーから撤退し、現在はゴルフウェアのプロデュースや、ゴルフ中継の解説などで活躍している。スイングの動きを見直したら、ドライバーの飛距離は現役時代より10ヤード伸びたという。

撮影/福田文平 取材・文/小高拓

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