ショットは上達しているのになかなかスコアが縮まらない。気持ちはピンに向かっているのにボールが届かない…。そんなゴルファーは攻め方に勘違いがあるのかもしれません。前回のセカンドショット編に続き、今回からはアプローチ編! 教えてもらうのは平野裕美プロです。

LPGAティーチングプロA級。
ヨガインストラクターでもあり、身体の使い方と連動した指導が高く評価されている。
大学で教鞭を執るほど英語に精通しており、英語でのゴルフレッスンも大好評。
『ヒルズゴルフアカデミー』等で熱血指導中のマルチに活躍するプロ。
◆どう攻める?【07】 パー4/残り20Y 砲台グリーンの手前にあるピンまで20Y

【A】PWや8Iなどで斜面に当てて転がす
【B】SWでしっかりゆったりスイング

正解は…【A】! 小さなスイングで手前から転がしたほうがやさしい
砲台グリーンの場合、ボールを上げて止めるという技術が必要です。20Y前後のアプローチは絶妙にコントロールしなければならず、とても難しいもの。アプローチでの大きいスイングは失敗するとミスの範囲も大きくなるので、8Iなどで一度斜面に当てて、ボールの勢いを減速させてグリーン上に止めるという方法が有効です。砲台の傾斜の度合いに応じて、PW〜8Iを使い分けて。

【B】だと…“フワッと上げて止める”のは上級者レベル
SWやAWで微妙な距離をフワッと上げてピタッと止めるのは難しいもの。トップやチャックリの原因になり、グリーン上を行ったり来たり…なんてことも。


このくらいの斜面なら手前から転がしたほうがラク!(平野裕美プロ)
注意したいのは・・・中間タイプ!

◆どう攻める?【08】パー3/ピンまで10Y グリーンの奥の斜面、左足下がり、ピンまで10Y、エッジから5Y

【A】PWでエッジから転がして乗せる
【B】SWで上げて止める

正解は…【A】! エッジに落として転がすボールは右足寄りに
「距離が短いから」とSWで上げて止めるのは、じつは思っている以上に高度なテクニックが必要で至難のワザ。傾斜に沿って振ってもリーディングエッジに当たって大きくトップしてしまう可能性が高くなります。下りの傾斜からのアプローチは、ピンの近くを狙うのではなく、小さなスイングで近いところに落として転がすのが基本です。

“地球に対して垂直に立つ”ことが重要。トップしたり空振りしてしまうのを避けるため、ボールは右足寄りに置き、小さなテークバックで確実にボールにヒットしましょう。
【B】だと…カツンと当たってトップしやすい
傾斜に沿って立ってクラブを振ると、クラブのリーディングエッジにボールが当たってトップする確率が高くなります。

注意したいのは・・・Sタイプ!

レジーナ2019年冬号より 撮影/内藤サトル イラスト/岩井勝之 撮影協力/静ヒルズカントリークラブ