【臼井麗香プロ】“擬音”でつくる高再現性スイング【フェアウェイからは“パーン!”】

おしゃれで強くてかわいい!と、女性ゴルファーからも注目を集める、黄金世代・臼井麗香プロ。臼井プロがレベルアップするために活用したという“擬音”について、臼井プロと大本コーチに聞いてみました。

臼井麗香プロはコレでうまくなった!「“擬音”スイング」は女性ゴルファーもマネできる!

今回は、フェアウェイ&ラフからのショットの擬音をご紹介。フェアウェイウッドで避けたいのは、ボールに対してクラブヘッドを合わせにくい動き。臼井プロは『パーン』という擬音をイメージすることで、その動きを防いでいるとのこと。また、ラフから打つときはスリークォータースイングで打ちたいため、『パン、パン』の擬音をイメージしているそうです。

写真/Getty Images

◆芝の抵抗があればコンパクトに振ろう!

臼井プロ(以下、臼井):フェアウェイウッドで打つときのイメージは『パーン』です。インパクトはあくまでも通過点で、フィニッシュまで振り切ることだけを考えています。

大本コーチ(以下、大本):それぐらい潔くスイングしたほうがいい結果を生むと思います。ボールを正確にとらえることにこだわりすぎると、逆に中途半端なスイングになりますし、ヘッドが走りません。広いソールを滑らせるためにも振り切ることは大切です。また、アベレージゴルファーは飛距離を稼ごうとして振りすぎる傾向にあります。当然、再現性が低くなるため、ミスも多くなります。この場合、『バーン』のイメージで振っている人が多いので、『パーン』にすることによって振りすぎを抑え、バランスよく振れる効果があります。

臼井:ただ、ラフに沈んだボールを打つときは『パン、パン』のイメージなんです。最初の『パン』でバックスイングを右肩の位置で止め、二つ目の『パン』でフォローを左肩の位置で止めます。芝の抵抗に勝とうとして『バーン』と力を入れて打つと、ボールがどこに飛んでいくのか分かりません。確実にボールを出しつつ、ある程度は飛んでほしいので、スリークォータースイングで打ちます。その場合、『パン、パン』がしっくりきますね。

大本:無理に力を入れたくないから、ドライバーショットでの『バ』から『パ』に変わりましたね。ただし、ナイスショットしているのに、あまり飛ばないという人は、あえて力が伝わる『バーン』で振ってもいいでしょう。

【ポイント1】最初の『パン』でバックスイングを右肩の位置で止める

ラフからは大振りを避けることが賢明。スリークォータースイングをするためにも、最初のパンでバックスイングを止めるイメージを持とう

【ポイント2】二つ目の『パン』でフォローを左肩の位置で止める

ラフから打つときは無理に振り切る必要はない。フォローを左肩の位置で止めたほうがミート率はアップする

【ポイント3】フェアウェイからは強く打たないから『パーン』

フェアウェイウッドは力を入れすぎるとミスしやすいので、余計な力を抜くためにも半濁音の『パ』を使おう。さらに音を伸ばすことで、フィニッシュまで振り切れる

【ポイント4】ラフに浮いていればボールは左寄りラフに沈んでいればボールは右寄り

ラフからボールを打つ場合、ライによってボールの位置を変えるべき。浮いているのに右寄りに置くとテンプラになるので、左寄りに置く。沈んでいるときは右寄りに置くが、そのぶんロフトが立つので、自分が打てると思ったクラブより番手を一つ落とそう。また、擬音を『パ』にすることで余計な力を抜くイメージにするが、芝の抵抗に負けない程度の強さでグリップを握ること

◆教えてくれたのは…

臼井麗香 うすい・れいか/1998年12月7日生まれ、栃木県出身。昨年はトップテンに3回入るも、賞金ランキング59位でシード権を獲得できなかった。今季は初シード獲得と初優勝を目指す。ディライトワークス所属。

大本研太郎 おおもと・けんたろう/1974年1月18日生まれ、宮城県出身。PGAティーチングプロA級。スイング解析などの実践的なレッスンを中心に行う。臼井麗香や東浩子らのツアープロコーチとしても活躍。GPC恵比寿ヘッドコーチ。

週刊パーゴルフ 2020VOL.22掲載 取材/構成・山西英希 撮影・鈴木 祥 取材協力・船橋カントリー俱楽部(千葉県)