バンカー越えは高さよりも距離優先で打ちましょう

ツアーでもトップクラスの飛距離を誇る渡邉彩香プロですが、最近はショートゲームの精度も上がっています。そこで、アベレージゴルファーでも対応できる状況別の寄せテクを紹介してもらいましょう。

第7回はバンカー越えのアプローチについて説明します。

渡邉彩香プロ

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【素朴な疑問1】バンカー越えのアプローチで、バンカーを越えることができないのはなぜ?

【私はこうしてます!1】打つ前に弾道をイメージしてからアドレスに入ります!

当たり前かもしれませんが、バンカー越えのアプローチで一番大切なのは、確実にバンカーを越える球を打つことです。もちろん、誰もがそう思ってボールを打っているでしょう。にもかかわらず、なぜバンカーに落としてしまうのかと言えば、中途半端にピンに寄せようという気持ちがあるからです。

例えば、ピンが手前のグリーンエッジから離れているときは、バンカーに落とす確率は低いと思います。なぜなら、思い切って振り幅を大きくできるからです。さらに、目標が手前のバンカーよりも遠いところにあるので、視界からバンカーを消すことは難しくありません。

ところが、手前のエッジから近いところにピンがあると、ピンの手前にボールを落とさなければ大きくオーバーすると考えます。振り幅を小さくして対応しようとしますが、距離のコントロールに失敗して、少しでもショートするとグリーン手前のバンカーにつかまります。アベレージゴルファーがバンカーにボールを落とすのは、ほとんどがこのパターンです。

まずは中途半端な考え方を捨て、ピンに寄せることよりもバンカーを確実に越えることを第一に考えましょう。アドレスに入る前に、どのような高さでどこにボールを落とすかなど、あらかじめ弾道をイメージしておけば、それに対応した構えになるのでミスは出にくくなります。

バンカー越えのアプローチでは、アドレスに入る前にどれだけボールを上げてどこに落とすかを明確にイメージしておくと、ミスを防げるようになります

素朴な疑問2:確実にバンカーを越えるにはどうやって打てばいい?

私はこうしてます!2:あえてハンドファーストに構えましょう!

極端な砲台グリーンでなければ、無理にボールを高く上げる必要はありません。サンドウェッジを使えば、普通に打ってもバンカーを越えるだけの高さは出ます。確実にバンカーを越えてグリーンにボールを乗せたければ、高さよりも距離を重視しましょう。

まずはボールをスタンスの真ん中に置きます。左足を半足分ほど下げてオープンスタンスに構えたら、両手が左足太モモ内側の前にくるようにセットしましょう。ボールよりも両手が目標方向に出たハンドファーストの構えになります。

なぜハンドファーストに構えるかと言えば、ボールをしっかりとらえたいからです。スイング幅を大きくしなくてもボールをつかまえてくれるのでバンカーを越えるだけの距離を出せます。

目標に対してクラブフェースをスクエアに合わせると距離は出ますが、グリーンに落ちた後に転がる距離が長くなるのでフェースは開いておきます。ボールをどれだけ飛ばすか、どれだけ上げるかによってクラブフェースの開き具合は変わりますが、リーディングエッジが時計の1時を指すぐらいを目安にしましょう。練習場でボールを打ち、微調整してください。

体の回転でクラブを上げたら、目標に向かってクラブを振り抜きます。ポイントはクラブをゆっくりと振ることです。ハンドファーストに構えているので、ゆっくり振ってもグリーンまで届く距離は出ます。むしろ、ランを抑えられるのでピンの先にボールを落としても大きくオーバーすることはありません。

ボールはスタンスの真ん中で、フェースを開いてオープンスタンスに構えます。両手は左足太モモの内側にセットして、ハンドファーストに構えましょう

体の回転でクラブを上げます

できるだけゆっくりとクラブを振るように心がけましょう

ゆっくりとクラブを振りましょう

◆教えてくれたのは…渡邉彩香プロ

わたなべ・あやか/93年生まれ、静岡県出身。初優勝は14年。15年は飛距離を武器に年間2勝。その後、シード落ちを喫したが、2021年は見事シード復活を果たし、賞金ランキング14位で20-21シーズンをフィニッシュ

撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力 凾南ゴルフ倶楽部

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