プロゴルファーのプレーを間近で観戦?!大会ボランティアって何するの?

昨年に引き続き、無観客で開催されることが多かった今年のトーナメント。特に印象的だったのは、東京五輪という大舞台にも関わらず、観客がいないという状況でした。

しかし、その五輪をテレビで観戦して「あれれ?」と思った方はいませんか? 無観客のはずなのに、コースの外にはロープが張られていて、同じような服を着た方々が観戦しているのは、何故…?

というわけで今回は、選手のプレーを間近で見ることのできる、「ゴルフトーナメントの大会ボランティア」というお仕事について紹介していきます。

五輪での様子/Getty Images

ボランティアの仕事紹介

大会によって業務内容も変わりますが、どんな仕事であれトーナメントを裏で支える大会ボランティアの存在は、とても大きなものです。大会によっては、「大会運営協力スタッフ」と名前を変えるボランティア。一度はやってみたい! と思う人も多いと思いますが、具体的に何をしているかはあまり知られていません。一体どんな役割を担っているのでしょうか?

◆スコアラー

ひとつの組の選手のスコアを、1ホール終了毎に速報本部へ報告する係です。昔は各ホールのグリーン周辺に置かれた電話機によって報告がなされていましたが、今で各自持たされた専用の端末機によって即座に情報が送られるようになりました。それらの情報を元に速報本部で集計された選手達の順位が、各種メディア、そしてコース内の掲示板などで利用されています。

スコアを数えるということだけでなく、選手がプレー中のコース内での立ち回り方についても、ゴルフの知識が必要とされる仕事です。ルールを確認するために競技委員を呼ぶよう求められたり、アテストの際に選手からスコアの確認を求められるといったこともあり、選手に一番近い存在と言えるかもしれません。

◆キャリングボード

ひとつの組について、その組の選手のスコアをギャラリーに見せるための係です。スコアラーと共に行動することが多く、二人でスコアを確認している姿がよく見られます。

ボード自体がとても目立つため、プレー中の立ち位置に気をつけなければならず、ゴルフの知識が必要となります。重さもあり、風の抵抗も受けます。それをある程度の高さに上げたまま18ホール歩かなければならないので、数ある仕事の中で一番の力仕事といえるかもしれません。

◆マーシャル

ひとつの組について移動する移動マーシャルと、ある一定の場所から動かないホールマーシャルと二種類ありますが、どちらも「お静かに」と書かれたボードを持ち、ギャラリーの安全確保と誘導を主な仕事としています。

移動マーシャルの場合、ギャラリーが多くつくと思われる組には「先発」、「中発」、「後発」といったように、役割分担がされています。選手の打ったボールの確認や通るルートの確保を主な仕事としている「先発」。選手のプレーの妨げにならないようにギャラリーを誘導する「中発」。次の組へ配慮しながらギャラリーをコース内で立ち止まらせないようにする「後発」。全て選手たちのプレーへと繋がる、大事な仕事です。

◆フォアキャディ

池といったペナルティエリアや、OBの付近、ブラインドのホール等に待機して、選手のボールの行方を確認する作業をします。ペナルティエリアに入った場合は、そのラインを超えた場所に旗を差し、選手に教えます。選手はその旗の位置を確認して、救済措置を受けることになります。

◆その他

◆速報板…コース内に設置されている、スコアや選手の位置を示す速報板の情報を更新
◆練習場…練習場の球出しや片づけ
◆競技委員の補助…スタート係やアテスト係
◆ギャラリー対応…ギャラリー受付やチャリティー受付
※その他、各ブース…プレスルームやボランティア本部等

このように、ボランティアの仕事は多岐にわたります。体力のいるものもあれば、ずっと座っているお仕事もあり、選手にとても近い仕事もあれば、全く会えないような仕事もあります。

ウェアと帽子が支給され、朝食と昼食はお弁当が配られますが、交通費や宿泊費は出ず、ボランティア用の駐車場は用意されていますが、移動などの手配は自分でしなければなりません。集合時間も朝の6時から7時ぐらいであることが多く、拘束時間もけして短くありません。そんな中でも、大会の空気に魅了され、ボランティアを希望するゴルフファンの方は毎年数多くいらっしゃいます。

楽しそうに働いてくださるボランティアの方々に、プロキャディとしても、助けられ励まされたことは多々。ボランティアさん同士の交流もあり、キャディとボランティアさんを交えたゴルフのコンペなどもあったりします。

大会ボランティア、一度経験してみませんか?

各地で開催されているゴルフトーナメントですが、ボランティアの募集は大会を運営している会社によってそれぞれ行われています。トーナメントを運営する会社はそれほど数が無く、その会社のホームページから好きな大会を選ぶことができるようになっています。もし興味があれば、「ゴルフボランティア募集」で検索してみてくださいね。トーナメントの面白さを一番近い所で味わえば、ますますゴルフが楽しくなること間違いなし!

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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