【プロツアー最終戦間近!】メルセデスポイントって何?残すは熾烈なシード権争い!

今年のツアーも、いよいよ残りわずか! 時には楽しそうにラウンドしていたプロの笑顔が少しばかり減って、焦りも見て感じられる頃となりました。

最終戦、男子ツアーは12月4日に最終日を迎える「ゴルフ日本シリーズJTカップ」、女子ツアーは11月27日に最終日を迎える「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」。それぞれ、王者、女王が決まる気になる場面になるはずでしたが、女子ツアーでは先週の伊藤園レディスで山下美夢有プロが今季4勝目を挙げたことによって、既に女王戴冠が確定! 最終戦を待たずして、女王争いは終焉を迎えました。

だからといって、熱い戦いはもう見られない…といったことはなく、一足早く決着してしまった女王争いの裏側で、来季の出場権をかけた争いが熾烈になっているのです。「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」は予選落ちの無い大会ではありますが、出場人数がかなり少ないため、来季の出場権をかけたシード権争いは今週開催の「大王製紙エリエールレディスオープン」でいよいよ最終決着が付くことになります。

山下美夢有プロ (Getty Images)

◆メルセデスポイントとメルセデスランキングとは

毎年、新たなヒロインが生まれる女子ツアー。女王と呼ばれる最優秀選手賞、来季のシード権、そのどちらもメルセデスランキングによって決まります。メルセデスランキングとは、規定の大会で得た順位をポイント(メルセデスポイント)に換算し、その獲得ポイントを競うもの。2019年末に、獲得した賞金で競う賞金ランキングから、ポイント制への変更が発表され、昨年の賞金ランキングとメルセデスポイントの両方を使用するという形の過渡期を経て、今年いよいよ本格施行となりました。

従来の賞金ランキングでは高額賞金の大会の比重が大きく、賞金の大きな大会で優勝した人、または上位入賞した人が女王争いやシード権争いにおいて有利という状況でした。そこで、順位を一律にポイント化することによって、公平なランキングを目指したという形になります。

それにより、協会の言うところの「年間を通じての総合的な活躍度を評価」が可能に。アメリカ男子ツアーのFedEx Cupポイントランキングや、女子ツアーのCMEポイントランキングのように、世界的に見てもポイント制が主流になってきています。

ポイント配分テーブル(5位まで抜粋)

メルセデスポイントは、賞金額と同様に予選を通過すれば最低でも1ポイントをもらうことができ、上位に行く程そのポイント差も大きくなっていくという形です。(70位までの配分表は、協会のホームページで確認することができます。)

◆シード権争いとクォリファイングトーナメント

メルセデスランキングの50位までが来季のシード権、51位から55位までが来季の前半戦の出場権を得ることができます。その権利を得られなかったプロは、JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部 (岡山県)で今月末から4日間に渡って実施されるクォリファイングトーナメントのファイナルステージに出場し、来季の出場権をかけて争わなければなりません。来年という1年間がどうなるのかが決まってしまう4日間。ツアーとはまた違った緊張感の中での戦いであるため、「クォリファイングトーナメントにはもう行きたくない」という台詞はよく耳にします。

今週、いよいよそのシード権争いの最終戦。ボーダーラインにいるプロ達の、必死な闘いもいよいよラストスパート。シード権獲得のボーダーライン周辺には、優勝経験のあるプロもたくさんいて、その戦いの厳しさがわかります。

若手の台頭が目覚ましい女子ツアーでは、21世紀生まれのプロが躍進し、20世紀生まれの選手がもう既にベテランの雰囲気を醸し出しています。次々と若手選手が出て来ては、また新しいヒロインが生まれ、シード選手が入れ替わっていく…まさに混戦状態です。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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