兄弟姉妹プロに注目!頑張るプロゴルファーファミリー

先々週、福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部で開催された「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」。今年プロデビューしたばかりの河本力プロが初優勝を飾りました。河本プロのお姉さんは、女子プロゴルファーの河本結プロ。国内男女ツアーでの兄弟優勝は、これで5組目となりました。

2019年のアクサレディスゴルフトーナメントにて、河本姉弟の2ショット。(Getty Images)

◆これまでの男女ツアーでの兄弟姉妹優勝

中嶋常幸プロ(48勝)/妹の中島エリカプロ(4勝)
クリス・キャンベルプロ(1勝) / 妹ニッキー・キャンベルプロ(1勝)
宮里聖志プロ(1勝) / 弟の宮里優作プロ(7勝)・妹の宮里藍プロ(日米欧通算24勝、国内15勝)
香妻琴乃プロ(1勝) / 弟の香妻陣一朗プロ(2勝)
河本結プロ(1勝)/河本力プロ(1勝)

その前週に開催された「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップゴルフトーナメント」では、丸山茂樹プロの長男である丸山奬王(ショーン)プロがプロデビュー。同週に開催された女子ツアーの「CATレディース」では、双子姉妹プロとして話題になった岩井千怜プロが2連勝を達成し、兄弟姉妹親子といったプロゴルファーファミリーの話題があちらこちらで盛り上がっています。

◆有名な兄弟姉妹プロといえば、尾崎三兄弟と宮里三兄弟

沖縄県出身の宮里三兄弟と言えば、長男の宮里聖志プロ、次男の宮里優作プロ、そして既に引退していますが妹の宮里藍プロの三兄弟。それぞれツアー優勝も果たしていて、優作プロは現在も男子ツアーでシード権を確保しています。三兄弟のお父さんの宮里優さんはティーチングプロで、まさにゴルフ一家。子供の頃の3人が、練習場で並んでゴルフクラブを振る映像なども残されています。

もう少し年代は上になりますが、昭和50年代から60年代、「AONの時代」と呼ばれる男子ツアー全盛期。青木功プロ、尾崎将司プロ、中嶋常幸プロの頭文字を取って「AON」と呼ばれたその時代に、日本のゴルフツアーを牽引していたのが徳島県出身の尾崎三兄弟です。

長男の尾崎将司プロ、次男の尾崎建夫プロ、そして三男の尾崎直道プロ。ジャンボ、ジェット、ジョーという愛称で呼ばれ、それぞれ日本ツアーで活躍しました。特に「ジャンボ尾崎」と呼ばれる長男の尾崎将司プロは、史上最多の113勝を誇り、世界ゴルフ殿堂入りしています。現在は指導者として注目を浴びていて、その門下生には原英莉花プロ、笹生優花プロ、西郷真央プロといった錚々たるメンバーが揃っています。

尾崎直道プロはアメリカツアーで8年もの間シード権を確保し、日本人プロがアメリカツアーに挑戦する礎を築いたプロゴルファーと言えるでしょう。

◆現在活躍している、主な兄弟姉妹親子プロゴルファーは?

岩井明愛プロ/岩井千怜プロ
菊地明砂美プロ / 菊地絵理香プロ
香妻琴乃プロ / 香妻陣一朗プロ
馬場ゆかりプロ / 馬場由美子プロ
福嶋晃子プロ / 福嶋浩子プロ
堀奈津佳プロ / 堀琴音プロ
川岸良兼プロ / 川岸史果プロ

◆プロゴルファーファミリーが少なくない理由

現在、男女共にプロゴルフツアーを牽引するようなプロは、ジュニアの時代からゴルフをしていたというプロがほとんどです。子供の頃からゴルフができるような環境があるというのは、家族の協力があってこそのもの。兄弟姉妹でプロゴルファーであったり、プロを目指していたりといったことが多いのは、血筋による才能ももちろんあると思いますが、家族からの与えられる影響も大きいのではと思います。

女子ツアーでは、お父さんがコーチだったり、キャディを務めたりといった姿をよく見ます。子供の頃から、お父さんがコーチというプロも多く、プロとなった今でもそのままお父さんがコーチを務めていることも珍しくありません。育ての親であり、ゴルフの師匠でもあるお父さんという存在は、その選手の良い癖も悪い癖も把握しているので、キャディを務めるお父さんもいます。
お父さんだけでなく、兄弟姉妹がキャディをしたり、マネージャーをしたり、それがプロの旦那様であることもしばしば。そういったように、ファミリーでツアーに関わっているというプロは少なくありません。
ツアーを転戦することは、お金の面でも気持ちの面でも負担の大きいもの。それを乗り越えるためにも、家族で協力し合い、そして支え合っているのかもしれませんね。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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