利用禁止コースが増えてる!?ゴルフ場での「セルフスタンドバッグ」取扱説明書

こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。最近、コース内で「あれ」をよく見かけるようになりました。「セルフスタンドバッグ」、「サブバッグ」、「スタンド付きクラブケース」などと呼ばれる、持ち運びできる細身のキャディバッグ。数本のクラブを入れて、セカンド地点からカートに戻ることなくグリーンまで持ち運べる優れものです。

アマチュアゴルファーがセルフスタンドバッグに入れているクラブは?

セルフでプレーされるプレーヤーが増え続けている昨今、「その次の番手も持って行く」ということが大事になり、必然的に手に持つクラブが多くなりました。では、セルフスタンドバッグを活用している方は、実際何本ぐらいのクラブを入れているのでしょうか?

使用されている方の中身を見てみると、パターとサンドウェッジと、そしてアプローチで使うクラブ数本は常に入れておくというのが基本のようです。そこに、次に使うクラブを足して持って行くので、5、6本という方が多いように見受けられます。

アプローチで使うクラブの選択肢が多い方の場合は、セカンド地点ではまだサブバッグを持たず、グリーンに近づいてからそれを使うという方もいらっしゃいます。実際、100ヤードを切ってくればサンドウェッジ1本で全て済ませてしまえる人もいれば、残り60ヤード辺りから4本のクラブが必要という方もいるので、アプローチ用のバッグという使い方をされている場合もあるようです。

セルフスタンドバッグを使用するメリットとデメリット

さて、利用者が増える一方で、様々な問題点が出てきているのも事実。まずはその良い点と悪い点をそれぞれ見ていきたいと思います。まずは良い点について。

【メリット】

・クラブを取りにカートに戻る必要が無い。
・ボールを入れておけば、急なOBやロストにも対応できる。
・クラブを忘れることが減る。
・雨の日に、グリップが濡れない。

セルフでのラウンドが増えると、やはり面倒なのがカートに戻るという行為。カート道から離れた方向へボールが飛んで行ってしまった場合など、カートに戻らずそのまま打って行ってしまいたい時というのは、往々にしてあるものです。暫定球を打つことになった際にも、ポケットにたくさんのボールを入れておくことはできないので、余分に入れておくことのできるセルフスタンドバッグはありがたい存在です。プレースピードを考えても、カートに戻る必要がないというのは大きなメリットです。

スタンド式であることで、その存在は大変目立ちます。地面に直接置くことでどうしても忘れがちになるクラブですが、サブバッグであれば置き忘れるといったことも無くなります。雨の日など濡れた芝の上に置くことも無いので、グリップが濡れないという利点もあります。

それにも関わらず、使用を禁止するゴルフ場が出てきているのはなぜでしょうか。そのデメリットについても考えていきたいと思います。

【デメリット】

・荷物が増える。
・カートでの置き場に困る。
・コース、キャディによっては断られることがある。

4つのセルフスタンドバッグを、カートの荷物を入れる籠に引っかけたことで、籠が壊れてしまったことがあります。引っかける場所はよく考えて。目土やバケツの邪魔になるような場所は避け、他のプレーヤーの邪魔にならないような場所、カートでも丈夫な所を探しましょう。

自走式のカートでない場合、皆がそれぞれセルフスタンドバッグを持って行ってしまったため、カートが忘れられていかれるということもあります。セルフスタンドバッグを持ってしまうと、自分のプレーだけに集中しがちです。誰がカートを運ぶのか、セルフならではのお互いの気遣いは、忘れないように気を付けましょう。

コース自体がその使用を禁止している場合もあります。私が勤めているコースではまだ遭遇したことはありませんが、『グリーン上にセルフスタンドバッグを置いてしまい、グリーンを傷つけてしまう人がいる』と問題になっているコースもあるようです。いずれにしても、使用の可否を事前に確認することをお勧めします。

また、実は、セルフスタンドバッグを嫌がるキャディは少なくないのです。キャディの仕事には、「汚れたクラブを回収→洗う→戻す」という一連の動作があるのですが、セルフスタンドバッグに汚れたクラブが戻されてしまった場合、「クラブの汚れの有無を確認して、それをバッグから出す」という作業が増えます。しかもそれが複数で、セルフスタンドバッグをかけている場所が各自バラバラの場合、それだけで時間をとられてしまいます。グリーン上でセルフスタンドバッグを渡される場合も少なくなく、そうすることで作業する手が塞がってしまうため、いつも通りに動くことができなくなるといったことも。キャディを付ける場合には、使用を諦めることも選択肢に入れて欲しいというのが本音です。

キャディを付けているのにセルフスタンドバッグを利用する場合は、クラブの汚れを落とすのも、カートに戻すのも、全て自分の責任でやる……と思っていてほしいというのが正直なところ。ラウンド前に「セルフスタンドバッグの中のクラブは自分で綺麗にする」「運ぶのは自分でするから大丈夫」と一声かけていただければ、逆にキャディにとって大変ありがたいものになります。

セルフスタンドバッグの使い方は人それぞれで良い!

時に、キャディバッグは持たず、セルフスタンドバッグのみでプレーに訪れるゴルファーもいます。クラブの本数をさほど必要としないならば、セルフスタンドバッグで足りてしまうものです。

しかし、かさばるセルフスタンドバッグは「手荷物扱い」というゴルフ場も増えました。お陰で、忘れる人も増えてきています。それにも関わらず、名前が書いていないセルフスタンドバッグのなんと多いこと! ネームタグは、必ず付けましょう。

練習場やショートコースに行く時などにも、大変便利なセルフスタンドバッグ。デザインも色々出てきているので、自分なりの利用の仕方を考えてみてはいかがでしょうか?

◆キャディのB子 プロフィール

キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。

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