日本最高峰・日本オープン開幕間近!アマチュアの優勝に期待

今週末、10月20日(木)から23日(日)まで、「第87回日本オープンゴルフ選手権競技」が開催されます。会場は、兵庫県三木市にある三甲ゴルフ倶楽部ジャパンコース(旧:ジャパンメモリアルゴルフクラブ)。NHKで生放送されるこの大会は、日本最高峰の大会! 日本オープンといえば、普段の大会に比べてアマチュア選手が多く出場することも注目ポイントのひとつです。

昨年覇者のS・ノリス選手(撮影/ALBA.Net)

なぜ、日本オープンが日本最高峰の大会と言われるの?

日本ゴルフ協会(JGA:Japan Golf Association)が主催する日本オープン。なぜ、日本最高峰と言われるのか? 毎週のように開催されているトーナメントとは何が違うの? と疑問に思われる方も多いことでしょう。

まずその大きな違いは、出場資格。日本ゴルフツアー機構(JGTO:Japan Golf Tour Organization)が主催、または運営している通常のトーナメントとは大きく異なります。
例えば、通常の大会であれば昨年のJGTOの賞金ランキング65位までのプロにシード権が与えられていますが、日本オープンの場合は40位まで、もしくは今季の8月末までの賞金ランキングの30位以内までのプロにしか出場権がありません。つまり、通常のトーナメントであればシード権があって、当たり前に出場できるプロが、日本オープンだけは出場資格が無いということも。

そういったプロが出場権を得るためには、各地区の予選を通過してきたプロやアマチュアと一緒に最終予選に出て通過する、もしくは各地区オープンに出場して優勝するなど、その資格を獲得するための条件を満たさなければなりません。そういった予選は、通常のトーナメントの合間に開催されていて、今年の最終予選はフジサンケイクラシックを終えたばかりの月曜日と火曜日の二日間に行われました。毎週ツアーに参戦している選手にとっては、非常に多忙なスケジュールとなります。

そういったプロの他に最終予選に出場するのは、全6会場で開催される地区予選を通過してきたプレーヤー達。そこには、アマチュアも含まれます。
地区予選に挑戦できるのは、ハンディキャップ3.9以下のアマチュアだけ。それ以上のアマチュアにもチャンスはもちろんあり、「ドリームステージコンペティション」という地区予選への出場をかけた予選があります。今年は8会場で279名が参戦したそうです。(59名が通過)
各アマチュアの大会の優勝者にも出場資格があるため、多くのアマチュア選手が出場します。それこそが、日本オープンの大きな特徴と言えるでしょう。

毎年開催される予選を通過してきたものだけが参戦できる日本オープン。今が旬のプロとアマが出場する大会であり、つまりは今年の日本一ゴルファーを決める大会と言っても過言ではないのです。

台頭目覚ましいアマチュアゴルファー

蝉川泰果選手(撮影:米山聡明)

さて、今年の日本オープンの注目は、先月末に開催されたパナソニックオープンゴルフチャンピオンシップでアマチュア優勝を果たした東北福祉大学の学生、蟬川泰果(セミカワ タイガ)選手。ちなみに、今まで日本の男子ツアーでアマチュア優勝を果たした日本人選手は、蝉川選手を含めて6名、女子ツアーは5名しかいません。

歴代のアマチュア優勝者(日本人に限る)

【男子】
倉本昌弘 1980 中四国オープン
石川遼 2007 マンシングウェアオープンKSBカップ
松山英樹 2011 三井住友VISA太平洋マスターズ
金谷拓実 2019 三井住友VISA太平洋マスターズ
中島啓太 2021 パナソニックオープン
蝉川泰果 2022 パナソニックオープン

【女子】
清元登子 1973 トヨトミレディス
宮里藍 2003 宮城テレビ杯ダンロップ女子オープン
勝みなみ 2014 KKTバンテリンレディスオープン
畑岡奈紗 2016 日本女子オープン
古江彩佳 2019 富士通レディース

一覧を見てもらえばわかるように、男子では石川遼プロと松山英樹プロ、女子の場合は宮里藍プロから数年空いて、急にアマチュアの優勝が増えた感じです。

プロの大会でアマチュアが優勝することは不可能とさえ言われていた中、出場する大会では常に優勝争いを繰り広げていたのがと当時アマチュアだった宮里優作プロと宮里藍プロの兄妹でした。まだ高校生だった宮里藍プロが宮城テレビ杯ダンロップ女子オープンで優勝を果たすと、それを機にツアーが大変盛り上がりました。この頃から、アマチュア選手がプロの大会で活躍するのも珍しくなくなってきましたね。ゴルフを知らない人までが会場に訪れ、たくさんの子供たちが応援に来てくれるようになりました。
昨今のツアーで優勝争いを繰り広げている若手のプロやアマチュア選手は、石川プロと宮里プロの全盛期に、親の影響でゴルフを見始めた子供たち世代ということになるかと思います。そして、アマチュアでも勝てるということを知っていることこそが、その強さと言えるでしょう。

男女どちらのツアーも、現在は若手の活躍が目立つ群雄割拠の時代。プロだろうと、アマチュアだろうと、誰が勝ってもおかしくないといった状況で開催される今年の日本オープン。マスターズ覇者であるアダム・スコットも参戦予定で、盛り上がること間違いなしです!

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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