ハーフショットを覚えるだけで、打てる距離の幅が一気に広がります!

フェアウェイウッドやユーティリティでグリーンをとらえるのは厳しくても、アイアンでならグリーンに乗るチャンスは広がります。特に100ヤード以下ではしっかりと乗せたいところ。そこで今回は100ヤード以下で距離のバリエーションを増やす方法をレッスンします。ポイントはハーフショットですよ!

秋山真凜さん

コースマネジメントは危険を避けて次のショットを打ちやすいところを狙う!

Q:アイアンの距離を上手くコントロールできません。何かいい対策はありますか?

A:フルショットのほかにハーフショットの飛距離を覚えましょう!

読者の皆さんはキャディバッグの中に何本のアイアンを入れていますか? 一般的な女性ゴルファーだと7、8、9番アイアンにピッチングウェッジ、サンドウェッジの5本でしょうか。ということは、それぞれのフルショットでどれぐらいの飛距離が出るのかを把握していると思うので、最低でも5通りの距離を打てるわけです。これにハーフショットの飛距離を足せば、なんと10通りにまで打てる距離の選択肢が広がります。

仮に7番アイアンのフルショットでのキャリーが90ヤードだとしましょう。さらに、8番で80ヤード、9番で70ヤード、ピッチングウェッジで60ヤード、サンドウェッジで50ヤードとします。ハーフショットでは距離が約3割減と考えれば、7番で60ヤード、8番で55ヤード、9番で50ヤード、ピッチングウェッジで45ヤード、サンドウェッジで35ヤードとなります。

60ヤードと50ヤードが重なっているので、数字的には8通りになりますが、球筋的には10通りです。というのも、7番でのハーフショットとピッチングウェッジでのフルショットはどちらも60ヤードですが、弾道が異なるからです。前者は弾道が低い分、ランが多く出ます。逆に後者は弾道が高いのでランが多く出ません。したがってボールが止まる距離に多少の差が出ます。例えば、ピンまで残り60ヤードだったとしたら、ピンが手前にあるならピッチングウェッジでのフルショットを選択し、ピンが奥にあるときは7番アイアンのハーフショットを選択すると、ピンに寄る確率が高くなるわけです。また、目の前に木の枝があるときなども7番アイアンのハーフショットは有効です。

各番手のフルショットとハーフショットの距離を把握しておけば、距離の打ち分けだけでなく、状況に応じた攻め方のバリエーション広がります

さらにワンランクアップ! 中途半端な距離を打つときは大きい番手を短く持って打ちましょう!

ハーフショットの打ち方ですが、ボールの位置はスタンスの中央、振り幅はバックスイングで左腕が水平になるところまで上げたら、フィニッシュでは右腕が水平になるところまで振り抜きます。ダウンスイング以降はスピードに乗っているのでフィニッシュの位置が多少大きくなりますが、イメージとしては右腕が水平になるところまでです。時計でいえば、3時から9時までのスイングを心がけましょう。

スイング幅が小さくなったからといって、手だけでクラブを操作するのは厳禁です。しっかりと上体を捻転してバックスイングを行い、ダウンスイングでは前傾姿勢をキープしたまま体を左に回していきます。最初は左腕が水平の位置よりも高く上がるかもしれませんが、鏡や動画などでチェックしながら調整していきましょう。

また、7番のフルショットで90ヤード、8番のフルショットで80ヤードの人が、85ヤードを打ちたいときは、大きいクラブである7番アイアンを選択します。通常はグリップエンドが指1本分ほど余らせていますが、距離を落としたいときは指3歩分余らせるように短く握り、いつもと同じスイングをすると、飛距離が落ちて85ヤードになります。8番アイアンで無理に届かせようとして力を入れると、ミスの要因になるので気をつけましょう。

バックスイングでは左腕が水平になるところまで上げるのがハーフショットです

フォローはスイングスピードがあるので右腕が水平になるよりも少し大きめになります

通常はグリップエンドから1本分余らせて握りますが、距離を落としたいときは、グリップエンドから3本分余らせて握りましょう

◆秋山真凜プロフィール

秋山真凜(あきやま まりん)/1996年10月12日生まれ、福岡県出身。158cm。プロ野球「ソフトバンク」前監督で野球解説者の秋山幸二氏の娘。ベストスコア69を記録した中学時代からプロゴルファーを目指し、数々のジュニア大会で好成績をおさめる。TPI Golf Lv.2 Junior Lv.2を取得。現在は、リポーター、スポーツキャスターとして、ゴルフ番組をはじめ多数のメディアに出演。特技は英語、韓国語で、2021年のZOZO CHAMPIONSHIPでは、タイガーウッズ氏のラウンド後のインタビューも担当。『秋山真凜のYouTubeチャンネル』/インスタグラム(@marin_akiyama)

◆取材協力/南総カントリークラブ

撮影/村上悦子 取材・文/山西英希  衣装提供/テーラーメイドゴルフ

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