50代からでも飛距離が伸びる“3つの条件”って?【ドラコン世界女王・大和田紗羅が教えます】

年齢を重ねると飛距離アップなんてムリ……そう思い込んでいませんか? ドラコンの世界女王・大和田紗羅プロによれば、50代からでも飛距離アップは十分可能だと言います。ヘッドスピードとミート率のアップに弾道の高さを身につけ、飛距離を伸ばしましょう!

大和田紗羅プロ

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◆【右手のひらを開かない】スイングを覚えよう

飛距離アップのために大切な3要素とは、(1)ヘッドスピード(2)ミート率のアップ(3)弾道の高さ、です。これらの要素を底上げできれば、50歳を超えても飛距離を伸ばすことは十分可能です。

まず、ヘッドスピードを上げるために、スイングアークを大きくすることを考えましょう。50代以上で飛距離が出ないと悩む人に共通するのは、体を上手く使えていないことです。バックスイングでは目標に対して背中を向けるぐらい上体を捻転し、フィニッシュでは胸を目標に向けるぐらいしっかりと体を回しましょう。この動きができると、スイングアークが大きくなり、クラブヘッドが動く距離が長くなる分、ヘッドスピードが上がります。

次に、ミート率のアップですが、スイング中はフェース面を開かないように心がけましょう。イメージとしては、右手のひらを開かない動きと同じです。クラブを持たずに、左手を右胸に当て、右腕だけを伸ばしたままアドレスの形をつくります。このとき、右手のひらは目標に正対しています。その状態からバックスイングを行いますが、途中まで右手のひらはボールに向けたままです。トップでは右手のひらが真上を向き、ダウンスイングの途中から再びボールを向き始め、インパクトでは目標に正対します。

右手のひらとフェース面はほぼ同じ向きになるため、この右手の動きができるとフェース面を開かずにスイングでき、ミート率が上がります。バックスイングと同時に右手のひらを正面に向けると、実際のスイングではフェース面が開いてしまうので気をつけましょう。一度フェースを開いてしまうと、インパクトではスクエアに戻しにくくなるのでミート率は下がり、飛距離も落ちます。さらに、弾道を高くしたければ、アッパー軌道でクラブを振り抜きましょう。

バックスイングでは背中を目標に向けるつもりで上体を捻転しましょう

フィニッシュでは胸を目標に向ける意識を持ちましょう

スイングアークが大きくなると、ヘッドスピードが上がり、飛距離が伸びます

【OK】アドレスで右手のひらを目標に正対させたら、右手のひらをボールに向けながらバックスイングを行います。トップでは右手のひらは上を向きますが、ダウンスイングの途中から再びボールに向き始め、インパクトでは目標に正対します

【NG】バックスイングで右手のひらを開いてしまうと、インパクトでは目標に正対しにくく、ミート率が低くなります

アッパー軌道でスイングすると弾道は高くなります

◆飛ばしにオーバースペックは禁物!ドライバーも見直して

飛距離アップを狙うなら、スイング面だけでなく、使っているドライバーも見直してみましょう。私が見る限り、飛距離に悩む女性ゴルファーは、自分が持つ本来の力よりもちょっとハードなスペックのクラブを使っていることが珍しくありません。

例えば、ヘッドスピードが26m/sなのに、フレックスがAのシャフトをドライバーに装着している人がいます。Aは少し力がある女性向けで、ヘッドスピードも32m/sぐらいは欲しいところです。そうでなければ、Lシャフトを使うべきです。その方が間違いなくクラブを素早く振れるため、ヘッドスピードは上がります。

また、重さにも注目してみましょう。50グラムのRシャフトを40グラムのAシャフトにするだけでヘッドスピードがアップして飛距離が伸びます。

体力やスイングスピードは個人差があるので、他人のスペックには左右されず、自分に合ったスペックのシャフトを選択しましょう。

自分に合った硬さ、重さのシャフトを使うと、クラブを素早く振ることができ、飛距離アップにもつながります

◆教えてくれたのは…大和田紗羅プロ

おおわださら/1994年生まれ。福島県出身。日本人女子選手として初めて2022年女子ドラコン世界チャンピオンに輝く。公式最長飛距離342ydの記録保持者。ティーチングプロフェッショナル資格 A級とJLPGAジュニアゴルフコーチ資格を持つ

撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/東京相武カントリークラブ(アコーディア・ゴルフ)

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