筋力アップのトレーニングを行わずに飛距離アップするには、野球のバットを振るスイングが最も効果的だって言われたらどうしますか？ ゴルフスイングとは別物だと思っている人も多いと思いますが、松下奈央プロによれば、それがベストとのこと。早速のその極意を聞いてみましょう！
ラウンド終盤に飛距離が落ちたら、両足の小指側に体重を乗せてみよう！【松下奈央流・飛距離アップ術】
◆バットの先端を下げてから振り下ろす
私は飛距離を伸ばすのに最も効率がいいと考えているのが、「野球のバットスイング」です。なぜなら、ヘッドスピードが一気に上がるからです。
まずは実際に野球スイングを行ってみましょう。用意するのはバット型の素振り用練習器具です。これをまずは野球と同じように構えます。上体を起こし、バットを立て、胸の前に両手が来るように構えます。その形を崩さないまま上体を右に回します。このとき、バットの先端は目標を指す形が正解です。
その形から右手首を甲側に曲げてバットを背中側に倒します。先端が右肩よりも低くなるぐらいまで倒しましょう。あとは野球スイングと同じようにグリップエンドを目標に向けながら振るだけです。インパクトからフォローにかけて自然と手を返しましょう。まずはこのスイングを10回ほど行います。
次に、同じバットを使ってゴルフスイングを行います。先ほどと同じイメージでスイングするのがポイントです。注意点はバットを体の回転で上げること。下半身をどっしりとさせ、上体の回転だけでスイングすると、軸が安定し、スエーなど右腰が右に流れる動きを防げます。トップまでバットを上げたら、先ほどと同じように先端を下げてから下ろすと腕を素早く振れるようになり、ヘッドスピードが上がります。
バットを体の正面で握って構えます
バットの先端を目標に向け、上体を捻転します
バットを背中側に倒します
グリップエンドを目標に向けながらバットを振り抜きます
バットでゴルフスイングを行いましょう
◆左手主導のスイングを身につける
飛距離アップに悩む人は、インパクトでボールを目標方向に押し込む力が弱いようです。そこを強化するために有効なのが、左手1本でアイアンを持ち、ボールを打つ練習です。これは右手を使い過ぎて、左手を使えていない人にも有効です。
方法は7番アイアンを左手1本で持ちます。右手は腰の後ろに回しておきましょう。クラブをゆっくりと体の回転で上げたら、ゆっくりと下ろしてきましょう。大切なのはボールを真っすぐ飛ばすことで、飛距離は50ヤードも飛べば十分です。
打ち急ごうとせず、ボールをしっかりヒットすることに集中しましょう。リズムよくスイングできるようになると、ボールをフェースの芯でとらえる感覚が左腕に伝わってきます。右手主導だとボールにパワーが伝わりませんが、左手主導のスイングをすることで、インパクトではボールを押し込めるようになり、パワーも伝えられます。
左手1本で7番アイアンを持ち、体の捻転を意識してクラブを上げたら、体の回転でクラブをアドレスの位置に戻し、そのままフィニッシュまで振り抜きます
◆教えてくれたのは…松下 奈央プロ
まつした・なお／東京都出身。1998年8月29日生まれ。現在フリー。JLPGAティーチングプロフェッショナル資格 A級保持者。ステップアップツアーでも活躍するなか、アマチュアにも指導を行う。メディアも多数登場するなど、活躍の幅を広げている（Instagram @nao_matsushita829）
撮影／村上悦子 取材・文／山西英希 取材協力／南総カントリークラブ
