【成田美寿々プロ直伝】「乗せる」から「寄せる」へ”アドレス”でうまくなるアプローチ

アプローチでは、アドレスの段階からボールを転がすのか、上げるのかを考えて準備するのが正解。転がしのアドレスからボールを上げようとしたり、上げるアドレスから転がそうとしたりすると、トップやザックリなど悩ましいミスの原因に。目的に応じたアドレスをマスターして、“乗せる”から“寄せる”アプローチを目指しましょう!

◆「アプローチは難しく考えすぎないこと!アドレスをマスターすればミスは減ります」(成田美寿々プロ)

成田美寿々プロ

◆基本となる打ち方をひとつ覚えることが大切

私がアプローチの前にチェックすることは、ボールのライとピンまでの距離、グリーンの傾斜です。それによってボールを転がすのか上げるのか、どのクラブを使うのかを判断しています。

ライに関してはボールが芝の上に浮いているか沈んでいるか、順目か逆目か、傾斜があるかをチェック。ラフに沈んでいるなら芝に負けないようにヘッドスピードを上げますが、その場合は飛び過ぎないようにロフトの大きいクラブを選びます。ボールがラフに浮いていて、ボールの下をヘッドが潜り抜けてしまいそうなときは、ロフトの小さいクラブを選んでいます。

また、左足上がりのライなら、ボールを上げると止まってしまうので、ロフトの小さいクラブを使って転がします。基本的に転がすことを第一に考えます。極端な話、花道やラフが短ければ、パターを使うのが一番。それが無理な場合に、ロフトの小さいクラブで転がせるかどうかを考えます。

私はウェッジを4本持っていますが、グリーン周りで使うのは56度と60度がメイン。上りで25ヤード以上の距離があるときはPWを使います。読者の皆さんは、ボールを上げるときはSW、転がすときはAW、強い球で転がすときはPWというイメージでクラブを選ぶのがおすすめです。

アベレージゴルファーは、できるだけシンプルなアプローチを心がけた方が、ピンに寄る確率が高いはず。テクニカルな打ち方を覚えるより、基本の打ち方と、目的に応じたアドレスをマスターしましょう。「それだと、グリーン周りのさまざまな状況に対応できないのでは?」と不安に思うかもしれませんが、基本の打ち方を覚えるだけで、アプローチのバリエーションはいくつにも増えるんです。

たとえば、単純にクラブを3本使えば、それだけで3通りのアプローチ。さらにボールの位置を真ん中、左足寄り、右足寄りと変化させるだけで3通り。膝から膝、腰から腰の2種類の振り幅を掛け合わせれば、全部で18通り。それだけ打ち分けすることが出来れば、グリーン周りのアプローチは十分カバーできるはずです。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

アベレージゴルファーなら、グリーン周りで使用するクラブはPW、AW、SWの3本。ボールの位置はスタンスの真ん中、それよりも右、左の3パターン。振り幅は右膝から左膝までと、右腰から左腰までの2通り。PWで右に置いたボールを打つときが最も転がる球になり、SWで左に置いたボールを打つと最も高く上がるボールになります。クラブ、ボール位置、振り幅を掛け合わせれば、さまざまなバリエーションの打ち分けが可能に。

◆成田プロの使用クラブはPW、56度、60度

◆ボール位置の基本は3か所

◆成田美寿々(なりたみすず)プロ プロフィール

1992年10月8日生まれ。千葉県出身。167cm。O型。2013年8月2日JLPGA入会(85期生)。12歳よりゴルフを始め、拓殖大学紅陵高等学校時代に本格的に競技の道へ。12年『富士通レディス』で初優勝後、着実に勝ち星を重ね、ツアー通算13勝。趣味は宝塚鑑賞。YouTubeチャンネル「成田美寿々芝組ゴルフch」も大好評。インスタグラムアカウント(@ misuzunarita)

撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 撮影協力/南総カントリークラブ

おすすめの関連記事