有村智恵プロが【史上7人目の6度目】ホールインワンを達成!そのスゴさとは?【数字でスゴさを読み解く国内女子ゴルフツアー】

国内女子ツアー第7戦、KKT杯バンテリンレディス2日目、有村智恵プロが8番パー3で自身6度目のホールインワンを達成! これで、国内女子ツアーにおける最多回数に並びました。しかも有村プロは現在、妊活中でツアーはお休み中。この試合はスポット出場した試合での偉業となりました。ではそのスゴさとは? 新記録となる7度目を今後達成する可能性はあるのでしょうか!?

今回もゴルフにまつわる「数字」をヒントにその魅力を解説していきます! これさえ読めば、もっとゴルフがしたくなる! 楽しくなるはずです♪

画像/Getty Images

◆ホールインワンの確率は、ツアープロでも1/3000!!

一般的に、ホールインワンの確率は、1万2000分の1と言われています。これがツアープロに限ると、3000分の1になるそうです。1ラウンドで4つのパー3があり、年間100ラウンド回るとした場合、400回のチャンスを得ますが、それでも7~8年に1回出るぐらいの確率となります。にもかかわらず、国内女子ツアーでは、ホールインワンを6回も達成している選手がなんと6人もいました。今堀りつプロ、城戸富貴プロ、金萬壽プロ、塩谷育代プロ、高村博美プロ、藤田さいきプロの6人です。そこに今回、有村智恵プロが加わりました。

舞台となったのは、KKT杯バンテリンレディス2日目の8番パー3。

「打ち下ろしが12ヤードぐらいあり、アゲンストの影響をもろに受けやすいなと。風に強い球をと思い、大きめのクラブ(4番ユーティリティ)を持ち、コントロールショットで打ちました。ピンの手前5ヤードに落ちて、そのまま転がって入った感じです。めっちゃ嬉しかったですね」。

クールな有村プロには珍しく、両手を挙げて喜んでいました。それだけ嬉しかったのでしょう。

実は今季、有村プロは今大会まで1試合も出場していませんでした。妊活のため、ツアーを休んでいたからです。ただ、今大会は地元熊本県の開催であり、楽しみにしている人たちのために、急きょ出場を決めました。当然、例年に比べると練習量は極端に少なく、不安を抱えながらのラウンドでした。ところが、いざフタを開けてみると、予選通過どころか10位タイでフィニッシュ! しかも、ホールインワンまで達成したのですから、さすがとしか言いようがありませんよね。

◆3万回に1回を達成した“持っている”人

いきなりスポット参戦でのホールインワンとなれば、かなりの低確率と予想できますが、有村プロの場合、もっと確率の低い偉業を達成しています。

11年のスタンレーレディス初日の出来事です。8番パー5の第2打、ピンまで残り190ヤード地点です。3番ユーティリティで放ったショットはピン手前5メートルに落ちた後、吸い込まれるようにカップの中へと消えていきました。なんとパー5を2打で終えるアルバトロスを達成したのです。アルバトロスの確率は約100万~200万分の1と言われ、1ラウンドで4つのパー5があるとした場合、25万~50万ラウンドで1回出る計算になります。国内女子ツアーの場合は約1万8000ラウンドに1回とのことですが、ホールインワンと比べると、はるかに確率が低いと言えるでしょう。

そんな偉業を達成した直後にもかかわらず、有村プロは同じ日の16番パー3でホールインワンを達成しました。なんと1ラウンドでアルバトロスとホールインワンの2つを記録したわけです。当時は「怖いとしか言葉が出なかったです」と振り返っていましたが、間違いなく“持っている”のでしょう。なにせ、アルバトロスとホールインワンを1ラウンドで達成したのは、男女を通じて日本初の快挙でしたから。ちなみに、その確率は、約1080万ラウンドに1回らしく、毎日ラウンドして3万年近く年かかる計算になるそうです。

そんな記録を持っている有村プロですから、いきなり出場してのホールインワンを達成しても驚かない人もいるかもしれませんね。

今回、ホールインワンで史上最多記録タイに並んだ有村プロ。現在、記録保持者でレギュラーツアーで戦っているのは藤田プロしかいません。一方で、女子プロは今、次々と有望な若手が登場しています。記録に到達するのは誰なのか、そんな視点で試合を観戦するとおもしろくなりそうです。

◆山西英希/プロフィール

スポーツライター。ゴルフを中心に幅広く取材、執筆。

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