森田理香子直伝「ベストスコア更新がかかった時にスコアを崩す人は、攻めてみて」

「いつも100切りの壁に当たる」。「なかなかベストスコア更新ができない」。途中までいい感じでラウンドしていても、スコアを意識したら崩しちゃうのはゴルファーの永遠の課題。その課題を超えるべく、森田理香子プロのラウンド術を教えてもらいました。

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「現役時代は常にリーダーボード見ていました」。ラウンド中は自分のスコアを理解して向き合う

「初めての100切りが見えてきた」とか、「ベストスコアを更新できそう」など、自分の中でいいスコアが出そうなときに、そこまでいい感じでラウンドしていても、急に崩れるという話を聞きます。プロの世界でいえば、優勝争いや予選通過がかかっているときと似ている状況です。意識しちゃいますよね。

私は現役時代、リーダーボードはガン見していました。特に優勝争いや予選通過の時は、回りの状況を確認して、覚悟しながらプレーをしていました。アマチュアの方でいえば、スコアカードを見て自分のスコアを確認しながらラウンドする形です。残り何ホールで、いくつで回れば目標達成できるなどと考えます。

例えば、試合中、予選通過ラインより下回っているときは、バーディを取らないといけない状況です。通常は易しいホール、難しいホールが分かるので、「あそこはバーディを取らないといけない」「難しいホールは守ってスコアを落とさないようにしないといけない」と考えます。基本的にパー5はバーディが欲しいホール。距離の長いパー4は難しいホールとなりますね。それが予選通過ラインに届いていなければ、難しいホールでも攻めていかなきゃいけないので、プレースタイルが変わります。優勝争いをしていても、前の組の方でスコアを伸ばして抜かれていたら、こっちも攻めないといけないですし、2位に差があるなら守っていればいいと、スタイルが変わります。ですから、あとから状況を知るのではなく、自分の置かれている状況を常に知っておきたいのです。スコアの状況を把握して、ホールによって攻めるか守るかを考えることは大切です。

ミスしたくない気持ちは緩みを生む。大事なホールは思い切り振り抜こう

最終ホールをボギーで上がれば100を切れる。そういう状況になったら力が入りますよね。私も最後パーなら予選通過となったら、力は入りますから。力が入っても攻める気持ちで思い切り打つように心がけています。思い切り振った結果、曲がったとしても気持ちがいいので後悔はありません。

そういう場面になると「曲げたくない」「ミスしたくない」と思うと、スイングが緩んだり、体の動きが止まってミスショットをしてスコアを落としてしまいます。アマチュアの方がスコアを意識するような時は、そこまでいいゴルフをして好スコアにつながっているのですから、それまでどおり何も変えずに振ることを心がけましょう。

それでも最終ホールでスコアを落として、ベストスコア更新にならなかったり、目標スコアに到達できないことの方が多いと思います。プロでも同じですが、技術的な問題であったり、気持ち的な慣れもあります。壁を破るのはその積み重ねだと思います。そういう状況になったら、攻める気持ちで思い切りのいいプレーを心掛けてみましょう。いつか壁を超えられる時が来るはずです。

ちなみに、先ほど易しいホール、難しいホールによって、攻める、守るというお話しをしました。この場合の守るは、マネジメント的な話しです。例えばグリーンの端にピンが切られていてピンを無理に狙った場合、グリーンを外したときに難しいアプローチが残りやすくなり、パーセーブが難しくなります。難しいホールでは、しっかりパーを取れるように、グリーン端のピンを狙うのではなく、安全にグリーンセンターを狙うということを守りといいます。

最終ホールボギーならベストスコア更新。そういう状況で曲げたくないと思うと、スイングが縮こまって逆にミスしやすくなります。思い切り振り抜くことでうまくいきやすい

森田理香子プロフィール

もりた・りかこ/1990年1月8日生まれ、京都府出身。ツアー通算7勝。2008年にプロ入入り。10年の「樋口久子IDC大塚家具レディス」でツアー初優勝。13年には年間4勝を挙げ、23歳で賞金女王に輝いた。18年を最後にツアーから撤退し、現在はゴルフウェアのプロデュースや、ゴルフ中継の解説などで活躍している。スイングの動きを見直したら、ドライバーの飛距離は現役時代より10ヤード伸びたという。

撮影/福田文平 取材・文/小高拓

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