リランキングって何⁉ 後半戦への出場権をかけた戦いが熱い!

暑い日が続く中、プロゴルフトーナメントもいよいよ折り返しの時期になりました! 男子は賞金王、女子は最優秀選手賞をかけた戦いが目を引く後半戦、来年のシード権獲得のための争いも熾烈になっていきます。

しかし、そんな後半戦へと向かうこの時期、実は水面下では既に熾烈なランキング争いが繰り広げられているのです。

昨年の優勝者やランキング(男子は賞金ランキング・女子はメルセデス・ランキング)上位のプロは、いくつかの大会を除いたほぼ全ての大会に出場する権利があります。大会への出場選手は、その大会ごとに決まっている「出場優先順位」によって決められていて、前年優勝者、シード保持者、主催者が推薦する者……といったように、既定人数分の出場枠が優先順位順に埋められていきます。そして、残った出場枠を埋めるように、QT(クォリファイングトーナメント)ランキングの上位の選手から権利が与えられていく形になっています。つまり、QTランキングが上位であればあるほど、出場できる大会が増えるという仕組みです。

しかし、QTでどんなに上位に入ったとしても安心できない理由があります。それが、この時期に行われる「リランキング」です。

リランキングとは?

開幕からずっと出ていたプロの名前が見当たらなくなったり、たまにしか名前を聞かなかったプロが出てくるようになったりするのが、まさにこの時期。それは全て、リランキングによるものです。

リランキングは、年2回行われることがほとんどで、「○○の大会後」といったように決められています。今年の女子ツアーは、7月に開催されたニッポンハムレディスクラシックで既に第1回のリランキングが実施されました。第2回は、9月に開催されるミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンの後に行われます。男子ツアーは、今週末に開催されるフジサンケイクラシックの後に実施されることが決まっています。

それまでに稼いだ賞金、または獲得したポイントによって、QTランキングが入れ替わります。前半戦のQTランキングが上位だったとしても、その大会までに賞金やポイントを獲得できていなければ、後半戦に出場することが難しくなります。逆に、ほとんどの大会に出場できないような順位にいたとしても、出場できた数少ない大会で上位に入れば、後半戦で多くの大会に出場できる可能性が出て来るわけです。

2週連続優勝を決めた岩井千怜プロも、元々はQTランキング90位。出場できる大会は限られていたのですが、推薦枠をフルに活用し、第1回リランキングで33位に。それにより出場できるようになった大会で優勝を決めたのでした。
まさに、下剋上。大会で結果を残した者が、出場権を獲得できる——リランキングとは、そんな仕組みなのです。

岩井千怜プロ

後半戦に向けて、リランキングに注目!

7月に開催されたニッポンハムレディスクラシック後に行われた女子の第1回リランキングでは、岩井プロ以外にも、辻梨恵プロが出場8試合で157位から25位へと順位を上げ、第2回リランキングまでの中盤戦の出場を確実にしました。
男子では、QTランキング3位で出場権を得た桂川有人プロが、4月に開催された「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント! 2022」で初優勝を飾り、リランキング争いから抜けました。日本プロゴルフ選手権大会で3位に入った吉田 泰基プロは、今週末に実施されるリランキングによってQTランキング59位から、出場試合数がたったの2試合にも関わらずかなりランキングを上げる見込みで、後半戦での活躍が期待できます。

逆に順位を落としたプロももちろんいて、そういった場合には下部ツアーに主戦場を移し、来年の出場権を少しでも上げるために戦っていくことになります。
QTランキングで出場している選手にとっては、今がまさに勝負所。リランキングが行われるこの時期、後半戦出場をかけた熾烈な争いが繰り広げられているのです。

リランキングの順位は、各ホームページで確認することができます。男子ツアーの場合は部門別データのリランキングリストに、女子ツアーの場合はトーナメントのQTランキング・リランキングから、リランキングにその結果が載っています。
ぜひ、チェックしてみてください!

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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