まるで引っ越し!女子プロゴルファーのお荷物事情

国内女子トーナメントの開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」開催まで、あと少し。開幕戦を皮切りに、シーズンがはじまってしまえば、ほぼ毎週のように大会が開催されます。女子ツアーのスケジュールを見てみればわかるとおり、7月までお休みの週はありません。

各選手の自宅から遠い場所での大会が続く場合、帰らずにそのまま移動することも少なくありません。そうなると、必然と多くなってしまうのが、荷物です。ゴルフの道具はもちろん、毎日の着替え、日用品など必要な物をスーツケースに詰め、大荷物を抱えての移動ということになります。そんな女子プロたちの荷物についてのあれこれをご紹介します。

選手たちの荷物はこんなにも膨大! 必需品は?

「連戦とはいえ、試合は木曜日か金曜日からでしょ?」なんて思われがちですが、開催コースはその週の頭からトーナメント関係者でいっぱいです。4日間競技であれば、テレビで放送されているような試合が始まるのは木曜日からです。しかし、月曜日と火曜日は指定練習日、そして水曜日にはプロとアマチュアがチームを組んで争うプロアマ戦が開催される場合がほとんど。つまり、選手達の多くはその週の月曜から既に現地入りしているのです。

選手が持参する荷物といえば、まず、仕事道具である大切なキャディバック。それを入れるためのトラバルカバーは、一般のゴルファーが宅急便用に使うようなものではありません。プロが使うトラベルカバーは、人が二人ぐらい入ってしまいそうな大型のもので、下部についているキャスターを使い、ゴロゴロと引っ張って運びます。

ゴルフウェアも大変な量です。大会の4日間分はもちろん、練習ラウンドを含め1週間分のウェアは必要です。ホテルのクリーニングサービスやコインランドリーなどを利用するにしても、同じウェアばかりを着る訳にもいきません。

選手によっては、契約しているメーカーから着るウェアを指定されている場合があり、毎週のように大きな段ボールが会場に送られて来ることも。ウェアに合わせて、スパイクやベルト、帽子といった小物を合わせる必要もあり、ゴルフ関係のものだけでも荷物は膨大になります。

それ以外に、普段着る服や化粧品、前夜祭などで着用する服や靴など、スーツケースひとつにはおさまらないほどの荷物を持って、各地を転戦しているんです。

宅配業者が重要なパートナー!過去には荷物をめぐるトラブルも

ここで、重要な役割を担うのが『宅急便』の存在です。ゴルフ場にはもともと宅急便のカウンターが設置されている場合が多いですが、トーナメントの開催期間中はとくに大忙し! 選手だけでなく、関係者の荷物も大量に送られてきますし、また同じように次の会場へ送ることにもなります。

その週の会場から、次の週の会場へ。選手が旅するように、荷物も日本各地を旅していきます。

問題は、宅急便の配達が次週の必要な時に間に合わない場合です。そういった場合には、宅急便を使うことができず、飛行機の手荷物として持って行くほかありません。

海外ツアーとなれば、荷物はますます大きくなります。とある海外の大会では、選手達が次の会場にそのまま移動するために、ひとつの航空便に集中。選手達が預けた荷物があまりにも多すぎて、飛行機に乗りきらず、一部の荷物は次の便となってしまったことがあるそうです。後から宿泊先に届けられる形になったとはいえ、荷物が手元に来るまで気が気でなかったそうです。

最終日、優勝インタビューが行われている頃のクラブハウスでは、キャディバックを片付けるために広げられた大きなトラベルカバーがそこかしこに並べられ、選手達が次の会場に送るための準備をしている姿を見ることができます。

宅急便コーナーには次から次へと荷物を送る関係者がずらり。ゴルフ場の玄関前には、スーツケースに段ボール、ボストンバッグなど、まるで引っ越しでもするかのような膨大な荷物を抱えた選手たちが、ゴロゴロとキャスターを転がして次の戦地へおもむく姿が。

そんな選手達の姿を見れば、過酷な闘いは試合中だけではないのだ、ということを感じていただけるかもしれませんね。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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