初心者必見! プロキャディ・伊能恵子がアドバイス ゴルフ上達に役立つエチケット&マナーのススメ【10】グリーン上での行ったり来たりを防ぐカギはドラム缶にあり!

プロキャディ・伊能恵子さんが独自の視線で語るエチケット&マナー第10回は、グリーン上での行ったり来たりを防ぐコツについてです。パット数が多いと遅延プレーにもつながります。むだなパットを防ぎ、スコアアップにも役立てましょう!

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◆もしもカップがドラム缶だったら入りそうな気がしませんか?

グリーン上でカップの周りを何度も行ったり来たりしていると、プレーの進行が遅くなり、同伴プレーヤーに迷惑をかけてしまいます。できれば、3パット以内には抑えたいところですが、初心者にとってグリーン上の傾斜を見分けることは難しいことですよね。その結果、下り傾斜で極端にオーバーしたり、上り傾斜で大きくショートしても仕方がないと思います。ただ、グリーン上の一番高いところを見つけることができれば、自分のパットが上りなのか下りなのかを判別することは十分可能です。それだけでもパッティングの結果は大きく変わることでしょう。

一番高いところを見つける際、参考になるのがグリーン全体の傾斜ですが、これはグリーン上に立った状態ではよく分かりません。少し離れたところからグリーン全体を見たほうが把握できます。最初のうちはグリーンを観察する余裕がないかもしれませんが、できる範囲で構わないのでグリーンに近づくときに全体の傾斜を見るクセをつけておきましょう。

また、小さなカップに対してボールを入れたいという気持ちが強いと、プレッシャーがかかり、体がスムーズに動きません。インパクトが強くなったり、弱くなるのもそれが原因です。ツアープロでさえ、プレッシャーがかかる場面では短いパットを外すことがあります。アマチュアが短い距離だからといって、絶対に入れなければいけないと考えるのはナンセンスです。ましてやツアープロとビギナーやアベレージゴルファーではパットに対する考え方も練習量も異なります。まずはカップに入れるよりも寄せることを第一に考えたほうが、好結果につながるのではないでしょうか。そこでお勧めしたいのが、ドラム缶をイメージすることです。

直径が一升瓶とほぼ同じ小さなカップを目標にするからプレッシャーがかかるわけで、仮にドラム缶がカップだったらどうでしょう? 一升瓶にボールを当てることができなくても、直径約60センチのドラム缶なら当てられそうな気がしますよね? パッティングではそういう気楽さが大切なんだと思います。実際、下りのパットが苦手な人でも、ドラム缶のカップに対してなら、極端にオーバーすることが少なくなったりします。

ボールをドラム缶の中に入れてさえしまえば、残りは30センチ以下のパットです。身内同士のラウンドなら普通にOKをもらえる距離でしょう。たとえOKが出なくても、入る確率はかなり高いと思います。

グリーン上では分からなくても、グリーンから少し離れたところからグリーン全体を見ると、どこが高いのか理解できます。この場合だと、左サイドから右サイドに向かって下っています

パッティングではドラム缶をイメージするのが正解です。直径60センチのドラム缶の中にボールを入れることができれば、30センチ以下のパットしか残りません

状況にもよりますが、小さなカップを狙うとプレッシャーがかかるので、あまりお勧めしません

取材・文/山西英希 撮影協力/木更津ゴルフクラブ