藤田さいきが教えます!「飛ばしたいと思ったら、もっと腕を振りましょう」

3シーズンぶり12回目のシード権を獲得した藤田さいきプロ。平均飛距離は245・14ヤードと若手にひけをとりません。平均ストロークは自己最高の71・4713と、まだまだゴルフに磨きがかかっています。そんな藤田プロに女性ゴルファーが上達するためのアドバイスを聞きました。今回は、ドライバーの飛距離アップと方向性アップです。

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クラブに100パーセント仕事をさせると効率よく飛ばせます

最近のツアーは20代前半の若い選手が増えていますが、36歳の私もなんとか戦えています。一緒に回る若い選手から「さいきさん、飛びますね」って、いってもらえることもあります。昨シーズンのツアーの平均飛距離は245・14ヤードでランキング15位と、自分でもがんばっているなぁと思います。

年をとっても飛距離が衰えない理由をよく聞かれますが、スイング的にはあまり変えていないのです。筋力を増やすようなトレーニングは、年齢的にもケガにつながるので、柔軟性重視でやっています。飛距離を維持できている一番の理由は、道具の進化だと思います。クラブやボールが飛ぶようになったり、曲がりにくく進化しているので、それをほどよく使いこなせていると実感しています。私のスイングの考えは、クラブに100パーセント仕事させること。男子のように強靭な肉体でクラブを振るのは難しいですし、体への負担も大きくなります。クラブに仕事をさせると体への負担が少なくなり、長くゴルフを楽しむことができると思います。

クラブに仕事をさせるとは、簡単にいえばシャフトをしならせて、そのしなり戻りのタイミングを合わせて、ボールに最大のパワーを伝えるということです。ゴルフクラブは、野球のバットのようにしならないわけではありませんからね。私の中では、「打つのは自分ではない。打つのはヘッド」と思っています。いかにヘッドの動きを邪魔しないようにするかをモットーにスイングしています。

若手と対等の飛距離を誇る藤田プロ。シャフトのしなり戻りをうまく使うスイングをすることで、効率よく飛ばせます。体への負担も少なく、ケガもしにくい

横振りで手首やヒジの正しい使い方を覚えましょう

さて、女性のみならず、多くのゴルファーは「もっと遠くに飛ばしたい!」と思っていますよね。まず、オススメしたいのが手首(リスト)やヒジをうまく使ってクラブを振ることです。女性ゴルファーの方は、体を早く回しすぎて、いわゆる使いすぎている印象があります。「手打ちはダメ」というフレーズの意識が強いのでしょうか、体の動きに対して腕を振っていません。体を使って振る意識が強いあまり、体の回転が早すぎて、腕やクラブが遅れてしまいます。いわゆる振り遅れという現象です。

振り遅れるとフェースは開いてしまいます。ヘッドがボールに当たる衝撃に対して、押せません。フェースとボールが正面衝突することで、パワーを効率よくボールに伝えたり、芯でとらえやすくなります。体の正面でボールをとらえるイメージが理想です。そのためには、クラブを戻すために腕を振り下ろす力が必要になります。布団たたきで布団をたたくときは、手首のスナップを効かせて腕を振っていると思います。それと同じように、腕を振ることはスイングにも必要なのです。

体を使って振ろうと意識が強すぎると腕の振りが遅れてインパクトでフェースが開きやすい。フェースが開いて当たると、パワーをロスして飛ばせません

体の正面でインパクトしましょう! フェースとボールを正面衝突させるイメージ です。

インパクトで体の正面でとらえられるようにイメージしましょう。フェースとボールが正面衝突する形で芯に当たりやすく、飛ばせます。腕を振ることでタイミングが合います

むやみやたらに腕を振ればいいというわけではありません。手首やヒジの正しい動かし方、使い方があります。普段通りクラブを握って、ヘッドを胸の高さで横振りすることで体感できます。ポイントとしてはバックスイングでは、右ヒジを下に向けたままたたみ、左手甲、もしくは右手のヒラが真上を向くように動かします。そして、インパクトはアドレスの位置に戻して、フォロースルーは左ヒジを下に向けたままたたんで、左手甲、もしくは右手のヒラが下を向くように動かします。インパクトからフォローにかけて、ヘッドが手元を追い越していきます。これが正しい手首や腕、ヒジの使い方です。横振りにしたほうが分かりやすいと思います。

動かし方の感覚がつかめたら、いつもどおりボールにヘッドを合わせて、手首や腕の使い方、ヒジのたたみ方の動きを意識してスイングください。この動かし方をするとフェースは開いた状態で上がって、ダウンスイングからフォロースルーにかけて閉じていくのでパワーを生み出しやすくなり、ボールもつかまります。体の正面でボールをとらえるために、腕を振ることはとても大切です。腕力には自信があるのにボールが飛ばないのは、この動かし方ができていないからです。腕はどんどん振っていいんです。腕の使い方を覚えたあとに、体の動きを合わせると、効率よくクラブに仕事をさせられるので、飛距離は伸ばせます。

手首とヒジの正しい動きを感じるドリル

クラブを胸の高さに上げて横振り。バックスイングで右ヒジをたたみながら左手甲が真上を向くように上げます。インパクトはアドレスの位置に戻し、フォロースルーは左ヒジをたたみながら左手甲が下を向くように動かします。フェースは開いて閉じる動きになります

横振りで手首やヒジの動かし方をつかんだら、ヘッドを下ろして通常の構えで同じ動きを意識しましょう

教えてくれたのは…藤田さいきプロ

ふじた・さいき/1985年11月22日生まれ、栃木県出身。ツアー通算5勝。2004年プロ転向。05年にツアーデビューし、06年から12年連続でシード保持。20―21シーズンは賞金ランキング28位で3季ぶりにシード復帰。ツアーでの平均飛距離は、36歳にして245・14ヤードで15位と飛距離は健在。2022年は11年ぶりの優勝を目指す。チェリーゴルフ所属。

撮影 / 村上悦子 取材・文/小高拓 取材協力/鶴カントリークラブ(栃木県)