【宮里美香プロ連続写真】 インサイドアウトからのドローボール。自分の個性を生かした無理のないドライバースイングをプロコーチが解説!

飛距離が伸びる! カッコいい! マネしたい! ゴルフをする女性なら誰もが憧れる人気女子プロゴルファーたちのスイングを、連続写真をもとにプロコーチ・大西翔太氏が解説。女性ゴルファーにもマネできるポイントも教えてもらいました!

手とカラダが同調した、インサイドアウト軌道の、ドロー打ちが宮里プロの特徴。自分のポテンシャルを分かっている無理のないスイング

バックナンバーをチェック!女子プロのスイングをプロコーチが解説シリーズ

宮里美香プロ/Getty Images

長い間米ツアーで戦ってきた宮里プロ。みなさんにはおなじみでも、じつは日本ツアーのプロとして戦うのは昨年から。いわばルーキーです。

スイングの特徴は、インサイドアウトが強めのドロー打ち。

個性的ではありますが、ジュニア時代から華々しい活躍をしてきたプロは、ゴルフの大ベテランであり、30歳となった今、自身のポテンシャルを熟知した無理のないスイングだと感じます。もちろん、見習うべきポイントはたくさんあるので、よく観察してください。

スイングとは関係ないですが、宮里プロは本当にやさしい女性。人柄がいいのでみんなに好かれています。

試合では勝負師で、運を自分の味方にする力はありますが、普段はとても穏やか。

後輩の面倒見もよく、米ツアーに参戦する選手に対して自分の経験を交えながらていねいにアドバイスされています。これはなかなかできないこと。

日本ツアーに来たばかりなのに、すでに頼られる存在になっています。ほんとうにステキですね。

ボールと正対したつまり感のないアドレス

ボールの位置は真ん中より左、上体は右に偏っています。つまり、ボールに対してカラダが正面にあります。

アイアンではボールは真ん中、ドライバーでは真ん中より左。その位置に合わせてカラダが右に偏るのが正解ですが、それができていないアマチュアは多いので、ぜひこのカタチをお手本にしてください。

グリップはボールがつかまりやすいストロング気味に握っています。

手とカラダが同調したバランスのいいテークバック

手が腰の位置に来た時、シャフトが地面と平行になっているのは、振り遅れていない証拠。手とカラダが同調して動いていることがわかります。

アマチュアの方は、この位置でシャフトが斜め下。いわゆる振り遅れが多く、その原因は手でクラブを上げようとするから。気をつけましょう。

胸を開かずカラダの回転だけでクラブを上げている

ギリギリまで胸を開かず、インサイド目に上げていっているのは、ドローボールを得意とする宮里プロならでは。

イン目に上げることで、インパクトに向けてアウト目になり、ドローボールが出るのです。胸だけでなく頭も残っているところも、手を使わずカラダの回転だけスイングしている証拠です。

手が頭より右にあるコンパクトなトップ

たとえば前回の葭葉選手のような大きなトップと違い、シャフトが地面と平行になる手前で止まったコンパクトなトップです。

とはいえ、背中は目標に向くほど捻転している、きれいなカタチです。

これはカラダの回転のみでクラブを上げているからできること。

コンパクトなトップは、方向性がよくなるのがメリット。ぜひマネしたいポイントです。

頭を残し、胸をぎりぎりまで開かずにインパクトに向かう

クラブが真下に下りてきていますが、胸はずっと閉じたまま。下半身は左足体重へと移っています。

インパクトの直前まで頭が残っているところも、ポイントですね。

ほどよく地面反力を使っているため、飛んで曲がらない

頭を残し、カラダをちょっと沈めながら、左足を踏み込んで、ほどよく地面反力を使ってインパクトしています。

地面反力は使いすぎるとミスになりがち。自分の力に見合った使い方で、実戦的な安定したショットを実現しているのです。

右手とクラブが一直線。パワーをすべてボールに伝えた証拠

頭は右に残りつつ、ヘッドと引っ張り合うように、大きなアークを描いています。

これは、パワーをすべてボールに伝えきったから。

アウト目に振り抜いているのは、ドローボールを打った結果です。

クラブが高い位置でフィニッシュ。シャフトは目標方向に真っすぐ向いている

体の回転、スイングのテンポとバランスがいいからできる、おさまりのいいフィニッシュです。

シャフトが目標方向に真っすぐ向いているのも特徴。一連の動作のバランスがよく、さらにしっかりカラダを回転させないと、このカタチにはなりません。

◆教えてくれたのは…

宮里美香プロ Mika MIYAZATO 1989年生まれ、沖縄県出身。160cm。8歳からゴルフを始める。2003年、14歳260日という史上最年少で「日本女子アマ」優勝。高校卒業後の2008年、米ツアーQTで出場権を得、プロ転向。2009年から米ツアー参戦。2010年と、2013年にスポット参戦で「日本女子オープン」優勝。2012年、「セーフウェイ クラシック」で米ツアー初優勝。2017年に米ツアーシードを失い撤退。2019年より主戦場を日本女子ツアーに移す。2019年度賞金ランク34位。所属/ニチコン。Instagram@ mikamiyazato_official

指導/大西翔太プロ 1992年生まれ、千葉県出身。ティーチングプロ。青木瀬令奈プロのコーチ兼キャディとしてツアーに帯同する傍ら、女性やジュニアなど、幅広い層のアマチュアにもレッスンを行う。「ゴルフをメジャースポーツに☆」がモットー。(インスタグラムアカウント @shota.ohnishi

取材・文 たかはしよし子