佐伯三貴流【ゴルフの暑さ対策】

みなさん、こんにちは。佐伯三貴です。猛暑、台風、豪雨と大変な夏です。私の故郷広島を始め、被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げます。

佐伯三貴プロ/Getty Images

今日は、夏のゴルフについてお話ししたいと思います。東京五輪が行われた霞ヶ関カンツリー倶楽部がある埼玉県川越市は、日本でもっとも暑いと言われる場所のひとつ。テレビの画面からも暑さが伝わってきました。とくに女子競技の時期の猛暑はものすごく、体力があって暑さに慣れているはずのキャディがふたりも熱中症でリタイヤしたほどです。

選手たちはなんとか乗り切りましたが、最近の日本では、夏のゴルフと熱中症は切っても切り離せない関係になっています。

どんなに暑くても試合のあるプロは、もちろん毎年、それぞれの対策を行っています。私は日焼け止めが汗で落ちてグリップが滑るのが嫌で、最小限しか塗らないほうだったせいもありますが、できるだけ素肌を露出しないことです。肌を出してしまうと、どうしても日焼けをし、夜になって熱を持って疲労がたまるからです。ただ最近はスプレーやスティックタイプであまりヌルヌルしない日焼け止めが増えているようなので、チェックしてみてください。

もう一つ、小まめに使ったのが涼感スプレー。シャツにシュッとすると涼しくなるタイプのものを、ラウンド中何度もスプレーしていました。意外に効果が高かったですね。ハンディタイプの扇風機も持っていましたが、音がうるさいのでほとんど使えなかったので扇子を使っていました。

小瓶に入れた塩も必須です。ヤバいな、暑いなというときに水と一緒に舐める。塩タブレットのようなものでもいいですね。日傘ももちろん使っていました。虫よけ、氷のうももちろん持ってコースに出ます。キャディだけでなくトレーナーやマネージャーも帯同していたので、色々なものを持って歩いてもらっていました。

ホテルに戻ってからは、オールシーズン、半身浴を30分ほどしていました。汗を出して疲労を取るのが目的です。好きな香りのアロマを炊いて、スマートフォンでYouTubeを見たりするリラックスタイム。大きなお風呂がない、普通のビジネスホテルのお風呂でも、トイレのフタを閉めてタオルを敷いた上にスマホを置いたりして楽しんでいました。

食事は、どうしても外食なので偏りがちでしたね。「体力つけるためにお肉食べなきゃ」「ウナギ食べなきゃ」という感じ。学生を指導している今でこそ、グループラインで栄養面を考えたメニューをアップしたりしています。コロナ禍で外食ができない学生たちが、これを見ながら自炊できるように、というものです。でも、自分が試合に出ている頃は、どうしても偏ってしまっていました。

眠る時は気にせずエアコンをかけていました。お腹が冷えないように肌掛けだけは必ずしていました。ただしお腹が冷えないように気を付けていましたね。

ただ、地球温暖化は確実に進んでいるので、私の肌感覚だと3年前より確実に暑いです。トーナメントでは、ハーフターンに氷を用意してくれて氷のうの中身を変えたりできることが多いのですが、もっと多くのホールのティーイングエリアに置いておいていただいたほうがいいのではないかな、と思います。

アマチュアのみなさんがゴルフをするのは仕事ではないはずですが、だからこそ、暑くても無理をしがちなところがあります。プロほど暑さ対策をしていない場合も多いので、くれぐれも熱中症には気をつけてください。

基本はとにかく水分をマメに摂ること。これが意外にできていない人が多いのです。お酒は水分ではありません。利尿作用が強いので、お酒を飲んでも水分を摂ったことにはならない。もはや常識のはずですが、真夏のゴルフ場で深酒をする方、まだまだたくさんいらっしゃいます。朝からお酒を飲んでプレーして、体がだるくなった方、たぶん熱中症に近い状態になった方を何人も見たことがあります。

暑いとき、水を飲まずに我慢して飲むビールがおいしいのはよくわかります。でも、ビールやお酒は飲んだ分が尿になって出てしまうのに、水やスポーツドリンクなどを飲まなくなるから水分補給にならない。非常に危険だと言うことを改めて認識して下さい。おいしくても、熱中症で倒れてしまっては元も子もありません。

忙しい合間を縫ってのゴルフで寝不足だったりしたら余計に危険です。くれぐれも気をつけて、健康的にゴルフを楽しむことをお勧めします。

取材・文/小川淳子 写真/Getty Images

おすすめの関連記事