【可愛すぎる弁護士ゴルファーが教える】誰でも巻き込まれうるゴルフ事故…自分の身は自分で守ろう。いざとなったら弁護士に相談を!

『可愛すぎる弁護士ゴルファーが教えるゴルフ保険』シリーズ。大人気の山口先生に裁判例をベースとして、ゴルフ場で起きた事故について、これまで11回にわたって解説してもらいました。今回は最終回。今までの連載を振り返りつつ、いざというときに備えて弁護士特約についても解説してもらいましょう。

山口めぐみさん

梶山法律事務所所属。交通事故等の損害賠償請求、離婚、相続等の身近な法律問題から、契約書作成や労務相談など企業や経営者からの法律問題まで幅広く扱う。女性ながらの細やかで丁寧な対応からクライアントの支持も高い。かつ、ゴルフ歴7年のゴルフ女子。9月20日(祝)に四街道ゴルフ倶楽部にて女子コンペを開催予定。興味のある方、参加したい方は、Instagramでメッセージを!Instagramアカウント(@megumi_lawyer) Instagram ゴルフアカウント(@megumi_golf)

◆損害額は数千万円を超えることも…保険に入って自分の身は自分で守ろう

今回の連載で多くの事故をご紹介してきました。カート事故、グリーン周りの事故、打ち込み事故などの事案を取り上げましたが、いずれも事故が起きやすい条件や状況だと思いますので、初心者の方は、事案をインプットしてプレーに臨むと良いでしょう。

損害額についてどのような印象を持ちましたか。

死亡したり、後遺障害が残ったケースでは、損害額が数千万円と高額になりました。加害者になった場合は、被害者に対して、この金額を支払うことになるので、保険に入っておかないと大変なことになってしまいますね。

被害者になった場合は、加害者に対して、損害賠償請求することになりますが、加害者が保険に入っていなくて、さらに資力もない人だったら、自分で治療費を工面しなければなりません。このようなときも保険に入っていれば、自分の保険を使うことで保険会社から治療費や慰謝料等を支払ってもらうことができます。

被害者なのに「自分の保険を使うの?」と思うかもしれませんが、怪我によっては治療費だけでも高額になるので、万が一に備えて保険に入っておくと安心ですね。

◆本当にゴルフ保険に入る必要があるの?

第1回目の記事でも書きましたが、ゴルフ保険は、①傷害保険、②個人賠償責任保険、③携行品保険、④ホールインワン・アルバトロス保険の4つから成り立っています。ホールインワン・アルバトロス保険は、ゴルフ保険にしかない保険なので、ここをカバーしたい場合はゴルフ保険に加入する必要があります。

他の3つについては、ご自身が加入されている保険でカバーできるのであれば、敢えてゴルフ保険に加入しなくてもいいように思います。大事なのは、自分が加入している保険内容をしっかり理解しておくということだと思います。

◆弁護士に頼むときってどんなとき?

今回の連載では、弁護士が入り、訴訟になったケースをもとにご紹介しましたが、多くのケースは裁判になる前、加害者と被害者、保険会社とのやりとりで解決することがほとんどです。

では、弁護士に頼むときってどんなときなのでしょうか。

一般的には加害者、被害者、保険会社とのやり取りで解決できないときに弁護士を依頼することが多いように思います。

本当はもっと治療したいのにそれほど重い怪我でないから治療を辞めて下さいと保険会社から治療費の支払いを打ち切られそうな場合や、保険会社から提案されている過失割合に不満がある場合に、弁護士に相談に来るケースが多いように思います。

その他にも、死亡事故や後遺障害事故のように被害が大きいときには弁護士に相談してもいいかと思います。損害額が高額になるので示談前に弁護士のリーガルチェックを経た方が安心だと思いますし、慰謝料の金額、逸失利益の計算の仕方や後遺障害等級の認定について、弁護士が保険会社からの賠償提案内容を検討して請求した結果、金額が大幅に上がったということもよくあります。

弁護士になじみのない皆さんからすれば、弁護士に相談することのハードルが高くて、この程度の争いで弁護士に相談していいのだろうかと悩まれることが多いように思いますが、迷ったらいつでも相談してください。

弁護士費用について心配される方もいらっしゃいますが、保険に弁護士特約が付いていれば、弁護士費用は保険でカバーされますので安心して相談できますよ。

月々数百円から弁護士特約を付けられるという保険が多いように思いますので、万が一の事故のためにも、弁護士特約を付けることを検討してみてください。

◆さいごに

「今回、弁護士の視点から、ゴルフについて記事を書かせていただきました。そのため、事故や怪我などの内容が多かったと思いますが、私自身、普段はカジュアルにゴルフを楽しんでいます。

意外かもしれませんが、私だけでなくゴルフを楽しむ弁護士は多く、定期的にゴルフコンペが開催されているくらい弁護士業界ではゴルフが盛んです。老若男女を問わず楽しめ、一日同組でゴルフをすれば、すっかり仲良くなってしまうというところがゴルフの魅力ですよね。

昨今、ゴルフブームの再来といわれるほど、ゴルフ人口が増えているなと感じます。嬉しい反面、それだけにゴルフ事故に巻き込まれる確率も高まるかと思いますので、自分の身は自分で守りましょう! ご縁がないのに越したことはありませんが、何か困ったときには、みなさんのお力になれたら幸いです!

全12回にわたる連載でしたが、記事を読んでくださった皆さま、どうもありがとうございました」