池に向かってボールを打つ「水上ゴルフ練習場」って何?普通の練習場との違いや、メリットデメリットを紹介

水上で練習できるゴルフ練習場は日本では少ないものの、普通の練習場とは違った感覚が楽しめるのが特徴です。では、普通の練習場とはどのような違いがあり、メリットやデメリットは何があるでしょうか? 筆者が実際に訪れたときの様子を交えて紹介します。

◆水上ゴルフ練習場の特徴とメリットデメリット

水上ゴルフ場とは、主に農業用の「ため池」を利用したゴルフ練習場のことを指します。水上ゴルフ練習場の特徴はなんといっても、打席の目の前が地面ではなく池になっていることが挙げられます。

また通常の練習場には必ずと言っていいほど存在するネットを張っていなかったり、自然の多い場所に立地している場合が多いため、通常の練習場と比べても圧倒的な開放感を得られるのが特徴です。

「池に打ったボールはどうやって回収するの?」と疑問に思う方も多いかと思いますが、ゴルフボールは水中に浮かぶような軽いものを利用しているため、ネットを使ってボールを囲んで回収する仕組みとなっているのです。水上ゴルフ練習場のメリットとしては、『池に向かって打つのが楽しい』『自然の中でゴルフが楽しめる』『ネットがないと開放感が高い』『キャリーの把握がしやすい』といったことが挙げられます。

逆にデメリットとして、『軽いボールを使用していることが多く、実際のボールの感覚と違う事がある』『ボールが転がらないので、実際の距離感が身に付きにくい』『水上ゴルフ場の数が少ないので、気軽に行くことが難しい』といった問題があります。

上記のようなメリットとデメリットを踏まえると、水上ゴルフ場は「実践的な練習をしたい」というよりは「開放感を楽しみたい」「普段と違ったゴルフを楽しみたい」といった方におすすめと言えるのではないでしょうか。

◆実際に水上ゴルフ場練習場でプレーして感じてみたこと

筆者はマレーシア滞在中に、水上ゴルフ練習場で初めてプレーしてみました。場所はクアラルンプール郊外にある、「KDE Driving Range」です。

この練習場は周囲にネットが張られておらず、森に囲まれた場所でボールを打つことになるため、自然の雰囲気と開放感を存分に味わえるのが魅力です。110ヤード付近には小さい浮島があり、何人かのゴルファーは浮島にボールを残そうとチャレンジしている姿も見かけました。

池の奥行きは220ヤードであるため、ドライバーを使えば池越えを狙うことも可能です。実際に筆者が訪れた際も、ドライバーで森の奥まで飛ばしている方もいました。ラウンド中に池越えを狙うとなればプレッシャーもかかりますが、水上ゴルフ練習場では思う存分池越えにチャレンジできるのも魅力だと思います。

筆者は2階席からプレーしましたが、すぐ下は池になっているため、「クラブがすっぽ抜けて飛んでいったら大変だな」という印象を持ちました。また実際にボールを打って感じたことは、「キャリーがはっきり分かる」「短いアプローチ練習をやっていると空しい気持ちになる」ということです。

水上ゴルフ場では、打ったボールが水面に落ちて波紋を作るため、「キャリーでどれくらい飛んだのか」がはっきり分かるのが印象的でした。とはいえ距離の短いアプローチでは滞空時間も少なく、すぐにボールが池の中に消えてしまうため、打った後の満足度は低くなってしまいます。

筆者が実際にプレーしてみた経験から、水上ゴルフ練習場ではボールを遠くに飛ばしたり、浮島などの目標物を狙うのがおすすめだと思いました。自然に囲まれた開放感のある場所でボールを飛ばせば、普通の練習場では得られない爽快感を味わえますし、ゲーム感覚でゴルフを楽しめるはずです。

日本には水上ゴルフ練習場の数が少なく、なかなか訪れる機会が少ないと思います。それでも初めてプレーすれば新鮮な気持ちを味わえると思いますので、興味がある方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。

撮影/山本峻 取材・文/夢書房

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