西郷真央プロの逆転優勝で幕を閉じた『第35回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント』。沖縄県を舞台に盛り上がったこの大会を皮切りに、待ちに待った女子ツアーの2022年シーズンが開幕しました！ 賞金ランキングからメルセデス・ランキングへの移行期間が終わり（くわしくはこちらの記事を参照）、メルセデス・ポイントに一本化される2022年シーズン。今年はその初代女王が決まる年。始まったばかりとはいえ、非常に楽しみなところです。
ところで、いよいよ始まった女子ツアーですが、開催された沖縄県は3月の初旬でありながら、毎日のように20度を超えていたようです。そのためか、薄着でプレーをする選手の姿が多く見られました。
女子ツアーと言えば、やはり気になるのはプロの着ているゴルフウェア。安田祐香プロがオークリーとウェア契約して話題になりましたが、契約が変わるとがらりとその印象が変わるのも女子ならではですね。そのお披露目とも言える開幕戦。気になるウェアを着ているプロはいましたか？
プロゴルファーのする契約とは？
ツアーに出場するプロの多くは、いくつかの会社と契約を結んでいます。まずは、商売道具であるゴルフクラブについてです。
クラブメーカーとの契約は、ウェア、帽子、ボール、スパイク、キャディバック、クラブといったように全ての物品で契約をする総合契約から、クラブのみの場合など、その契約内容はプロによってもメーカーによっても様々です。クラブについては、14本全て使用しなければならないような契約もありますが、14本の内のドライバーを含めた11本とか、10本といったようにウェッジやパターは自分の好みのメーカーのものを使うといった契約をしているプロが多いように感じます。契約金は、もちろんプロ、メーカーによって様々です。
プロの袖や帽子についているワッペンは、所属先であったり、スポンサー企業であったりと、その選手を応援する企業です。企業名の書かれたワッペンなどを付けることで広告塔となる代わりに、契約金をもらう形になります。移動や宿泊費など、経費がかなりかかるプロゴルファーにとって、こういった企業との契約は大変ありがたいものなのです。
『所属』と『スポンサー』の違いは実は曖昧ですが、所属の方が複数年契約であったり、経費の補助があるなど、契約内容は様々。プロに対する拘束力はかなり強くなりますが、プロの転戦にとって非常に大きな支えになっています。
企業と契約したからといって、必ずしも契約金が発生するものとは限りません。航空会社の場合は航空運賃、自動車メーカーの場合は自動車など、移動手段を提供する場合や、物品の提供のみといった場合もあります。ゴルフウェアをプロに提供するアパレルメーカーの契約も、物品提供ということになります。
例えば、松山英樹プロの場合、所属先はトヨタ自動車の高級ブランド『レクサス』。契約金の他に、車の提供も受けています。そして、ダンロップスポーツ『スリクソン』との総合契約。総合契約となるので、クラブだけでなく、ウェアもスリクソンのロゴが入ったものを着用しています。その他にも数社のスポンサー契約があり、ウェアの袖、襟、胸元、帽子の脇など、スポンサー名や商品名が刺繍されたものを着用していますね。ぜひ注目してみてください。
ウェアは別契約？オシャレにこだわる女子プロならではの事情
男子プロの場合、使っているクラブのメーカーのロゴが入ったウェアを着ている姿をよく見ますが、女子プロの方はクラブメーカーとは別に、アパレルメーカーとも契約している選手が多い印象です。より一層華やかに感じるのは、そのためかもしれません。
「○○選手が着ていたウェアが欲しい。」といった問い合わせにも対応できるように、その週に着るウェアを選手に対して指定しているメーカーもあり、トーナメントが開催される会場に、毎週のようにウェアを送って来る場合もあります。
提供されているプロは、そのメーカーの広告塔も担っているわけですから、同じウェアばかり着るわけにはいきません。ベルトや帽子といった小物をウェアに合わせてコーディネートすることも、プロの大切な仕事のひとつです。
アパレルメーカーはこぞって最新モデルを提供し、プロに着てもらうことで宣伝になります。つまり、女子ツアーは、今年のゴルフウェアのトレンドをチェックする、大事な情報源でもあるのです。
◆おだみなプロフィール
おだみな／元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。
