“噛む”=スコアアップ?! プロゴルファーも取り入れている話題の「ガムトレ」とは?

ゴルフのお供にガムを持っていく方。眠気覚まし用やランチ後の口のリフレッシュだけに使っていませんか? それはとってもモッタイナイ! 実は最近、「ガムトレ」という言葉があるほど、“噛むこと”とスポーツの関係性が注目されているのです。今回、スポーツ⻭学の専門家でもあり、⽇本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ・スポーツドクターでもある、東京歯科大学の武田友孝教授に、“噛むこと”がゴルフのパフォーマンスにもたらす良い影響や、どうやってガムを取り入れたら良いのか、聞いてみました。

◆教えてくれたのは・・・スポーツデンティスト・武田友孝教授

スポーツ歯学の研究に従事し、咀嚼や咬合と全身状態との関連の解明を行う。1997年から日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ・スポーツドクターでもある。

◆メンタルにもフィジカルにも! ガムってすごいんです

―—そもそもガムを噛むことのメリットって何でしょう?

武田教授(以下、教授)「精神的、肉体的な二つの側面でメリットがあります。“精神的”なところでは、第一にリラックス効果。噛むとか歩くとか、一定のリズムで続ける運動を“リズム運動”と呼びますが、リズム運動をすると、“幸せホルモン”=セロトニンが分泌され、リラックスできます。プレー前のウォーミングアップ感覚で噛んだり、プレー中の緊張状態にあるとき噛んだりすると効果的ですよ。

さらに、判断力と集中力。ゴルフに限らず大事ですよね。ガムを噛むことによって、判断力をつかさどる前頭葉の脳血流が上がるので、集中力・判断力の向上が期待できます」。

リラックス効果だけじゃなく、集中力もアップとは! 朝イチのショット前や調子が悪くてイライラしそうなとき、ベストスコアがかかったパット前には、ガムを噛むしかない!?

教授「“肉体的”には、筋力と平衡機能に影響を及ぼします。強く噛みしめることで、顎の筋肉だけでなく全身の筋肉の活動が高まり強い力を発揮できますし、首や肩の筋肉が活動するので頭部が安定します。また、ガムを噛むことの刺激が体幹筋や手足の筋肉にも働くので、体のバランスが良くなるのです。

注意点として、ギューッと強く噛むことで、体が固定されてスムーズな動きができなくなります。ドライバーを打つ瞬間など、瞬間的に大きなエネルギーが加わるときには適度に噛み、パッティングなど手をスムーズに動かしたいなら、打つときには噛むことをやめる、くらいが良いでしょう」。

◆中嶋常幸プロはガムをこう活用していた!

教授「ちなみに、中嶋常幸プロは、プレー中にガムを噛むことで、喉を潤すこともあったそうですよ。プレー中に緊張すると喉が渇きますよね。だからといって水分を摂りすぎると、お腹の中がポチャポチャになって腹圧も変わり、体のバランスが崩れてしまうそうです。

緊張状態になると、交感神経が活動して、ネバネバとした唾液が出ます。そうすると喉が渇きます。リラックスして副交感神経が優位にはたらくと、サラサラの唾液が出るので、口の中の乾きもガムで改善できるというわけです」。

◆【LESSON】ガムトレ3つのポイント!上手に取り入れてスコアアップ&さらにキレイに♪

―— ガムを噛むことが、メンタルにもフィジカルにも良いことが分かりました。では、実際に「ガムトレ」をするときのポイントやタイミングは?

教授「“左右均等に噛む”、“背筋を伸ばして噛む”、“リズム良く噛む”がポイント。口を閉じて噛むのも大事です。口を閉じて噛むことで、口輪筋という口周りの筋肉も刺激されるので、女性にはオススメです。使わない筋肉はすぐに衰えてしまうので、マスク生活ならなおのこと、ガムを噛んで口元からトレーニングをして欲しいと思います」。

確かに、マスクを外した瞬間、ボーっと口を開けていたり老け顔になっていたりしたら大変です。手軽にできるトレーニングだからこそ、ぜひとも取り入れたいところ!

教授「噛む時間は、1クール10分間が目安。日に3回くらいでしょうか。意識して噛むと、さらに良いですね。よく噛むと満腹中枢も刺激されるので、ダイエットしたい方には、食事前にしっかり噛めば食事量も減ってW効果かもしれませんね」。

これから寒くて代謝が落ちる季節、8番ホールあたりからガムを噛み始めたら、最後のパットもリラックスして2パット。さらには腹ペコも収まって、最高のハーフターンを迎えられそう!

◆人気女子プロも取り入れている、ガムとゴルフのベストな関係

実際に、すでに「ガムトレ」を取り入れた女子プロも。

米国女子ツアーで活躍する山口すず夏プロはガムを試合中もずっと噛んでいます!ある試合のときに10番ホールでダボを打ってしまい、そこでガムを忘れていたことに気づいたのです。ガムを噛んだ直後にバーディーが2つ来て予選通過ということもありました」と驚きのコメント。「プレッシャーで追い詰められたりして試合中は無口になりがちですが、口を動かすことによって自分本来の力を取り戻せた気がします。今後は緊張したと思ったら多めに噛んだりするのも良いかな」と、“噛むこと”の効果を実感している様子でした。

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さらに、Reginaユーザーに人気の高い成田美寿々プロもガムトレをおすすめ。「大好きなロッテマリーンズの選手や、海外のLPGAの選手が試合中にガムを噛んでいたので注目していました!」と、ガムによるリフレッシュやパフォーマンスアップの効果には以前から興味があったよう。「“噛むこと”をプレー中に意識的に取り入れて、リフレッシュできれば」と話してくれました。

森岡紋加プロもガムを噛むと朝のストレッチをしながらリラックスも出来ますし、噛む力をしっかり感じられます」。と太鼓判。

以上、話題の「ガムトレ」。いかがでしたか? 単純に朝や食後にガムを噛んでいた方には、噛むことによって、パフォーマンスも向上するなんて、目から鱗だったのではないでしょうか。

これから寒くなる季節、意識的にガムを噛んでコースを歩き、スコアも美しさもアップさせましょう! その際には、ゴミの捨て方のマナー美人になることも忘れずに♪

REMIQUESTプロフィール

REMIQUEST/ライター。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、一応大学ゴルフ部出身。スコアはイマイチだけれど、先輩に叩き込まれたマナーとプレーファストは今も健在。男2人のママ。出産後はなかなかゴルフができてないのが悩み。子どもに将来養ってほしいと、稼ぐゴルファーにすべく、密かに企み中。

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