森田理香子直伝「他人のプレーに影響を受けやすい人は、“どうせ1打だし”と考えましょう」

ゴルフはメンタルが影響するスポーツ。他人がいいショットを連発したり、飛ばす人と一緒に回るとプレッシャーを感じたり、力むという人は少なくないと思います。自分のゴルフを貫くことがスコアメークのポイントですが、森田プロはどう考えていたのか、お話ししてくれました。

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50ヤード離されたら、力まなくなりました

アマチュアの方と話をしていると「同組の先に打った二人がいいショットを打ったら、私もいいショットを打たないといけない」とプレッシャーを感じたり、「飛ばす人と回ると、つい自分も力が入ってリズムが崩れてしまう」と、いつもと違うスイングになると聞きます。気持ちは分かります。目から入る情報や音には敏感になりやすいもの。以前、飛ばし屋のレキシー・トンプソンが日本の試合に出たときに、「音を聞いているだけでも力が入っちゃう」と同じプロでも変化が起こるものなんですよね。

ただ私は基本的に他人を気にしません。プロゴルファーは、そのショットの1発勝負ではなくて、18ホール回ったときのスコアが勝負ですから。その1ショットで勝ち負けが決まるわけではないので、「どうせ1打だし」と思うしかないですよね。私の場合、対人よりもホールの影響を受けます。回ったことのあるホールなら、以前はここで曲がったなとか。そうするとスイングに変化が出てしまいます。やはりゴルフはコースとの戦いです。

他人を気にしなくなれたのは、学生の頃。世界ジュニアで、のちに海外メジャーで5勝を挙げるヤニ・ツェンと一緒に回ったことがあります。当時の私は、日本では飛ぶ方といわれていましたが、ヤニは、私の50ヤード前にいました。「なんじゃこいつ」って感じたのを思い出します。世界にはヤバイやつがいるんだなと。まあでも、そこまで離されたのはヤニぐらいですが。プロになって米国の試合に出ると、私より飛ばす選手はたくさんして、全然違います。飛距離を比べるのが恥ずかしいぐらいです。飛距離が違うと思ってしまえば、力みません。よくプロが「自分のゴルフをやる」という言葉をいいますが、それが対人を意識しないゴルフをするということにつながります。プレショットルーティンなど、打つ前の動作を一定にしてそれを貫いたり、他人に関係なく自分のスタイルを貫いて、スコアメークにつながりますからね。

他人のショットに影響を受ける方は、割り切って自分のプレーに集中することが大切。素振りなどルーティンを一定にすることも解消法の一つ

ゴルフの機会が減ると当たらなくなるのはプロでも同じ

話しは変わりますが、現役を退いてからイベントなどでアマチュアの方とラウンドをする機会が増えました。そこでよくいわれるのが「想像以上に飛びますね」と。引退してからスイングや道具のことを研究して、体を使ったスイングに変えたり、道具の進化で効率よくボールを飛ばせています。現役時代より10ヤードは飛んでします。

トレーニングやらないと、振れなくなって飛距離は落ちやすくなります。現役時代のようにボールを打たなくなりましたし、ゴルフをする機会が減るので、芯に当たらなくないことがよくあります。そういうときは、どうしても力が入って、余計に飛ばなくなることもあります。

アマチュアの方で昔は飛んでいたのに、今は飛距離が落ちたという方もいると思います。年齢的なものもあると思いますが、体力の衰えやゴルフをする機会が減っていることが考えられます。やっぱり練習場にいって体を動かすことは大切ですし、トレーニングだったり、軽く走るだけでも、飛距離の維持にはつながると思います。実際のラウンド中では、クラブを短く持つことでミート率も上がりますし、しっかり振り切りやすくなるので試してみてください。

あとは宣伝ではありませんが、クラブでめっちゃ変わります。私はPRGRのクラブを使っていますが、ボールが上がりやすいですし、飛距離が出ます。自分の好きなクラブを使うのはいいと思いますが、最新の簡単なクラブのほうが絶対にいいです。メーカーさんがやっているクラブフィッティングをして自分に合ったクラブを使うと、体力が落ちても補えるものです。特に女性にはクラブフィッティングはオススメです。

森田理香子プロフィール

もりた・りかこ/1990年1月8日生まれ、京都府出身。ツアー通算7勝。2008年にプロ入入り。10年の「樋口久子IDC大塚家具レディス」でツアー初優勝。13年には年間4勝を挙げ、23歳で賞金女王に輝いた。18年を最後にツアーから撤退し、現在はゴルフウェアのプロデュースや、ゴルフ中継の解説などで活躍している。スイングの動きを見直したら、ドライバーの飛距離は現役時代より10ヤード伸びたという。

撮影/福田文平 取材・文/小高拓