【村田理沙プロが先生】バンカー越えのアプローチはどうやって打つ?

スコアを大きく縮めたいなら、アプローチとパットに磨きをかけるべき。ダブルボギーをボギーに、ボギーをパーにできれば、100の壁はもちろん、90の壁だって突破できる可能性が出てきます。

そこで、ショートゲームの上手さには定評がある村田理沙プロに、状況に応じた打ち方を教えてもらいましょう。

第4回はバンカー越えのアプローチがテーマです。

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◆ボールを上げようとする気持ちがミスを招く最大の原因

バンカー越えのアプローチを苦手とする女性アベレージゴルファーもいることでしょう。理由は、バンカーショットを苦手と感じているからです。できればバンカーを避けたい、バンカーに入れたくないと思えば思うほど、バンカーが気になります。その結果、スイングが緩み、ボールがグリーンに届かず、バンカーの中へというパターン陥ります

また、バンカーを越えるためにはボールを高く上げなければいけないという思い込みが、ミスショットを招きます。どうしても下から上へとクラブを振ろうとするため、インパクトで右肩が下がりがちです。その結果、ボールの手前をダフって距離が出なかったり、クラブヘッドがボールの下を潜ってショートします。当然、ボールはバンカーの中へと消えていきます。

まずは、自分が手にしたサンドウェッジのロフトを信じることです。下手な小細工をしなくても、普通に構えて普通に打てば、ボールはバンカーを越えるだけの高さは十分出ます。あとは、ボールの落としどころまでの距離に合った振り幅で打つだけです。変な話、7番アイアンで打ってもバンカーを越える高さは出ますからね。ただ、グリーンをオーバーしやすいので使用しないだけです。視界からバンカーを消して、落としどころをイメージしながら打つだけで、バンカー越えアプローチの成功率はかなり上がります。

サンドウェッジのフェースを開かなくても、スクエアに構えて右腰から左腰の振り幅で振れば、これぐらいのバンカーを越えるだけの高さは十分出ます

ボールを上げる意識が強いと、インパクトで右肩が下がり、ダフリなどのミスショットの原因になります

クラブヘッドがボールの下を潜り抜ける原因にもなるので、フェースを開くのは厳禁です

◆左右対称のスイングを心がけましょう

バンカー越えアプローチの打ち方は、ボールのライによって変わります。ボールが花道にあるなら通常のピッチエンドランの打ち方で、ラフにあるならラフからの打ち方を実戦するだけです。どちらにも共通するのは、ボールをスタンスの中央にセットしたら、両手が左足太モモ内側の前にくる軽いハンドファーストに構えます。どうしてもボールが上がることに不安を感じる人は、左足を少し下げたオープンスタンスで構えましょう。ただし、クラブフェースは目標に対してスクエアに合わせます。両肩と両腕でできる三角形を崩さずに体の回転でクラブを上げて下ろします。ポイントは、バックスイングとフォロースルーを左右対称の振り幅にすることです。

仮にボールからピンまで30ヤードあるとしたら、20ヤード地点にボールを落とすイメージでスイングします。私の場合、バックスイングで左腕がほぼ水平に、フォロースルーでは右腕がほぼ水平になる振り幅です。ボールを打つ前に、しっかりとこの振り幅で振ることを素振りで確認してからアドレスに入りましょう。

アドレスに入ったら、左右対称のスイングだけに意識を集中します。左腕が水平になったら、次は右腕が水平になるところまで振り抜くぞという感じです。これを実践することにより、スイング中に力が緩むことがなくなり、ショートすることがありません。

自分が打ちたい距離に合わせて振り幅を決めますが、必ず左右対称のスイングになることを心がけましょう

ボールをスタンスの真ん中、両手を左足太モモ内側の前にセットしてハンドファーストに構えます

両肩と両腕でできる三角形を崩さずに体の回転でクラブを上げます

ボールを上げようとせず、ボールの上からヘッドを打ち込みます。インパクトで右肩が下がらないように気をつけましょう

バックスイングと左右対称の位置になるところまで体を回転させて振り抜きましょう

◆教えてくれたのは…

村田理沙 むらた・りさ/1995年6月22日生まれ、東京都出身。ゼビオホールディングス所属。

取材・文/山西英希 撮影/山代厚男  取材協力/イーグルポイントゴルフクラブ