初心者必見! プロキャディ・伊能恵子がアドバイス ゴルフ上達に役立つエチケット&マナーのススメ【6】“お先に”パットはラインを踏む危険地帯。チェックしてから判断を!

自分はもちろん、同伴競技者にも気持ちよくラウンドしてもらうには、最低限のエチケット&マナーを身につけておくべきです。プロキャディ・伊能恵子さんが独自の視線で語るエチケット&マナー第6回は、お先にパットをするときの注意点です。

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◆“お先に”は、他人のラインを踏まないと確信してから

グリーン上ではカップに対して遠い人から順に打ちますが、スロープレーを防止するために、30センチ程度の距離を残した時は、先に打つことが許されています。その際、エチケットとして「お先に」など、ひと声かけてから打ちましょう。

問題はその“お先”パットをする際、同伴プレーヤーのラインを踏みがちなことです。3、4人で回っていると、Aさんのラインを踏まないように注意していても、Bさんのラインを踏んでいるときがあります。ボールのところへ歩き出す前に、自分がアドレスしたときに他人のラインを踏まなくてもアドレスできるかどうかを確認するべきです。

同伴プレーヤーのラインを踏むのでマークをしようと思ったら、「ラインを踏んでも大丈夫だよ」と言って、“お先”パットを勧めてくるケースがあります。踏まれても気にしないタイプなのか、少しでも進行を早めたいのか、理由は分かりませんが、その場合はお言葉に甘えてその人のラインを気にせず、きちんとアドレスして打ちましょう。中途半端な構えのまま打つと、たとえ15センチぐらいの距離でも外すときがあります。どうしても他人のラインを踏むことに抵抗があるなら、マークするべきです。

競技ゴルフや完全ホールアウトのコンペは例外として、プライベートのラウンドや身内でのコンペでは、“お先に”の距離を“OK”にしてもらえることが少なくありません。これは、次のパットを入れたことにして打たなくてもいいというローカルルールです(スコアを1打プラスすることをお忘れなく!)。

初心者なら1メートル以下のパットをOKにしてもらうことが多いかもしれません。このときに注意してほしいのが、同伴プレーヤーのマークです。ボールを拾いにいく際に、つい同伴プレーヤーのマークがどこにあるのかを忘れてしまい、ラインを踏んでしまうからです。

急いでボールをピックアップしなければと思い、最短ルートでボールを拾いに行くのが原因です。慌てる必要はないので、どのルートを通ってボールを拾いにいけば同伴プレーヤーのラインを踏まずに済むのかを考えてから動くことをお勧めします。

実は、カップから遠く離れたところよりも、カップの近くでラインを踏まれるほうが、相手に迷惑をかけます。なぜなら、ボールのスピードが落ちている分、スパイク跡などの影響を受けやすいからです。お先パットとOKをもらったときほど、他人のラインを踏まないように気を配るのが大切です。

クラブがAさんとBさんのラインです。自分のボールはカップの近くですが、この場合、お先パットをしますか?

普通にアドレスすると、Aさんのラインは踏みませんが、Bさんのラインを踏んでしまいます

したがって、この場合はマークするのが正解です

Bさんのボールがこの位置であれば、ラインを踏まずにアドレスできるので、お先パットをしても大丈夫です

取材・文/山西英希 撮影協力/木更津ゴルフクラブ