「週5で普通の会社員だけど、競技ゴルフにもチャレンジしていきたい」そんな働く女性ゴルファーたちの挑戦するステージ「プルミエールカップ」の関東予選が2025年7月8日、埼玉・嵐山カントリークラブで開催されました。

「プルミエールカップ」は、企業で働く女性たちの“時に真剣に時に楽しく戦える個人戦”です。取材では、彼女たちの朝の練習から、ラウンド中の真剣な眼差し、プレー後の笑顔まで、1日に密着。「一体どんな大会なの?」「私でも参加できるの?」と興味が出てきた方のために、詳しくレポートします。
今回は、実際に大会に参加した3人の女性たちの声を通して、大会当日の流れや、出場のきっかけ、ゴルフを通じてのつながりなどをお伝えしていきます。
◆「Premiere Cup (プルミエールカップ)」とは?
プルミエールカップとは、一般社団法人企業対抗レディスゴルフトーナメント実行委員会が開催する個人戦競技。Premiere(プルミエール)とは、フランス語で“第一の”“最高峰”を意味する言葉。大会名には、「企業で働く女性たちが、自分らしくゴルフというフィールドで最高位を目指す姿を讃えたい」という想いが込められています。
一般社団法人企業対抗レディスゴルフトーナメント実行委員会は、発足から7年を迎える団体で、これまでダブルス戦やチームでのスクランブル競技を主催してきました。ただスコアを競うだけでなく、様々な職種で働く女性たちが予選通過や優勝を目指し、ゴルフを通じて楽しい時間や喜びを共有できる環境を創出してきました。また、主催者だけでなく、選手一人ひとりがこの大会を創り上げるような新しいタイプの大会運営を目指しています。
そんな中で新たな試みとして、今年からスタートしたのが“シングルス戦”の「プルミエールカップ」です。
ペアの退職や転職、子育てや介護などで出場が難しくなるケースが増えたことを受け、“一人でも挑戦できる場”を用意したことが、さらに多くの女性たちの背中を押してくれています。
大会当日の流れは?

朝の受付を済ませたら、まずは練習場へ。ドライビングレンジやパター練習グリーンでウォーミングアップ。
その後は、ルールや注意事項の説明タイム。距離計の使用OKなどの詳細も確認しながら、参加者の表情は一気にキリッと。プレーに向けて気持ちを整える大事な時間です。
普段は男性が多いゴルフ場で、女性だけがずらっと並ぶ光景は新鮮で華やか。

そしていよいよスタート。スタートホールで記念撮影をしたあと、プレーが始まると少しずつ緊張もほぐれていきます。「ナイスショット!」の声が自然と飛び交うなか競技が進行していきます。心地よく、ゴルフを“楽しむ姿勢”がそこにはあります。
プレー中は、上手な人の技術に刺激を受けたり、自分の課題に気づけたりと、学びもたくさん。そして何より、年齢も職種も違う女性たちが自然に打ち解け、輪が広がっていくのがこの大会の大きな魅力です。
プレーを終えたあとはスコアの提出=アテストタイム。自分のスコアや相手のスコアをしっかり確認してからスコアを提出し、全員分が集計されます。その結果、上位16名が決勝大会への切符を手にします。
◆“自分のため”にクラブを握る時間
大会出場者は企業で働く女性の皆さん。共通項は「ゴルフを通じて、自分自身と向き合いたい」「会社の外にも、自分らしく輝ける場所がある」といった想いです。実際に参加したプレーヤーの声を聞いてみました。
「またこの舞台に立ちたいと思える大会」

「ゴルフ歴は15年。小学生の時から大学まで続けていましたが、卒業のタイミングで試合がなくなり、一時は気持ちが離れていた時期もありました。でも社会人になって改めて、ゴルフの楽しさを実感しているところです。
これまではダブルス戦に出場していましたが、今回は個人戦に初めて参加しました。他の企業の女性ゴルファーと出会えることと、この大会の雰囲気が好きで、『個人でも挑戦してみたい』と思いました。 社内でもゴルフ部が活発で、月1回のコンペには約40人が集まります。そんな中で、ゴルフを通じて普段関わらない人ともつながれるのが何よりの魅力。今回4位という結果に少し悔しいところももありますが、次はぶっちぎりで勝ちたいです。でも決勝に進めることになり、とても嬉しいです。大人になってからは、『代表』としてチームで戦える機会はなかなかないので、この大会の決勝ではチームEASTでおそろいのウェアで思いっきり楽しみたいです!」
「同じ温度でがんばる仲間ができるって、うれしい」

「ずっとダブルス戦に出ていたんですが、個人戦は初挑戦です。最初は正直、不安もありました。中にはジュニア出身の方もいて、レベル高そうだなと思う方もいましたが、実際に参加してみたら、同じように“平日は仕事、週末はゴルフ”っていう仲間が多くて、すぐに打ち解けられました。
チームEASTとして自然に生まれる仲間意識も心地よくて、前回同組だった方とは、今も一緒にラウンドしたり、今回も彼女の車で一緒に会場入りしたり(笑)。また、決勝ラウンドで仲良くなり、関西の友人もできたりと、会社を超えて、いろんなつながりができるのも、個人戦ならではの魅力だと思います。ゴルフ歴は20年近くあるけれど、本格的に競技を意識し始めたのはここ数年。普段のラウンドとは違って、最後の1打まで集中する緊張感がいいですね。学生時代にテニスで大会に出ていた頃の“真剣勝負”の感覚を思い出します。大人になっても、こんな風にスポーツに本気になれる場所があるのは幸せです」
「大人になって“代表”になれる喜びを味わっています」

「8歳からゴルフを始めて今年で17年。競技にも取り組んできましたが、社会人になってからは練習時間の確保も大変なところもあります。ですが、この大会は『仕事とゴルフを両立している人たち』が集まる場所なので、状況は同じというところもいいですね。
今回、予選1位という結果を出せたのは素直にうれしいです。試合なので、プレーは本気で取り組みますが、合間に交流ができるのが楽しい。他の参加者の練習法や時間の使い方をシェアし合えるのが刺激になります。団体戦や東西対抗戦のような「代表」として戦う経験って、大人になるとほとんどないものなので、この大会は特別だし、そこに選ばれたこと自体が誇らしいです」
◆「職場や家庭から解放され、自分らしく輝ける場所に」
参加者一人ひとりがそれぞれの想いを胸にプレーしていたこの日。この大会自体も、“ある想い”から生まれたものでした。

一般社団法人企業対抗レディスゴルフトーナメント実行委員会が運営・企画する「企業対応レディスゴルフトーナメント」は、以前、出場していた大会が終了してしまったことをきっかけに、「この場所をなくしたくないという気持ちからプルミエールカップをスタートしました」と代表の菊池愛子さん。
本業を持ちながら副業として企業対抗レディスゴルフトーナメントやプルミエールカップを開催しているのは、「この大会やコミュニティを継続させたい」という一つの想い。年齢も職種も異なる参加者が出会い、つながることを大切にしており、あえて異業種同士で組み合わせるなど、交流の仕掛けにもこだわっています。
◆女性ゴルファーが輝けるように

大会を応援する女性専用シャフトブランド「ELDIO(エルディオ)」も、プルミエールカップの理念に共感してサポートをしているそう。
「ゴルフ市場はまだまだ男性中心。でも、女性がもっと心地よく、自信を持ってプレーできるようにしたい。その想いから生まれたレディース専用シャフトです。なので、弊社としても一般の女性たちが活躍するこの大会を通じて、働く女性たちの活躍を応援していきたいですね」(ELDIO 国司祐希さん)。
プレーヤーも、運営も、スポンサーも——。それぞれの立場で、女性ゴルファーを応援する輪が広がっています。
◆今回参加者にはオリジナルのトラベルカバーを参加賞としてプレゼント

企業対応レディスゴルフトーナメントやプルミエールカップでは参加賞も楽しみの一つになっています。今回用意したトラベルカバーも参加者から大好評!決勝の名古屋への移動、旅行でゴルフなども多いので大活躍ですね。
◆ゴルフを通じて人生が豊かになる。次は名古屋の決戦へ
次は2025年9月19日(金)に名古屋市の南山カントリークラブで行われる決勝大会です。
関東と関西の予選を勝ち抜いた上位16名ずつ、合計32名が名古屋に集結。東西チームで競う“東西対抗”の大舞台が待っています。
自分らしく、仲間と楽しみながら戦う、特別な日。
「ゴルフを通じて、出会いがあり、人生の景色が少しだけ変わる」
「プルミエールカップ」は、そんな特別な大会です。
企業で働く女性であれば、誰でも参加可能です。あなたも体験してみませんか?
あなたの“次の一歩”が、ここから始まるかもしれません。
特別協賛 三菱ケミカル株式会社
撮影/山代厚男 取材・文/橋本夏子