“やさしさ重視”がいまの正解! 上田桃子プロが導く、女性のためのクラブ選びのヒント

5月に行われた女性限定コンペ「ウィメンズゴルフ JGGA カップ 2025 東日本大会」にスペシャルゲストとして登場した上田桃子プロ。現役を離れた今も、女性ゴルファーたちの憧れとして注目を集める彼女に、前回のファッション編に続き、今回は女性ゴルファーにとっての「クラブ選び」について、考えを語っていただきました。

上田桃子プロ

◆クラブに頼っていいんです! 上田プロがもっとも重視するのは“やさしさ”

上田プロに、クラブ選びでいちばん大切にしているポイントを尋ねると、迷わず返ってきたのが「やさしさ」という言葉でした。

「もちろんスタイリッシュな顔のクラブを選びたいっていう気持ちもあるんですけど、やっぱり今は“やさしいクラブをどう使いこなすか”を重視しています。そのほうが結果が出やすいと感じていて。なるべくクラブに頼るようにはしています」

印象的だったのが、シャフトの色についての話。上田プロが使っているのは白いシャフト。そこにも“やさしさ”の感覚が宿っていました。

「例えば黒いシャフトって硬く見えるじゃないですか。白だとしなりそうなイメージがあるから、“振れそう”って気持ちが自然と湧くんです。ピンクや白が好きな方って多いと思うんですけど、色から伝わる情報の“やさしさ”って、実はすごく大事。ギアの性能だけじゃなくて、気分が上がるかどうかっていうのも、選ぶ理由になると思いますよ」

◆ 「ドライバーだけ替える」はアリ? ギア選びのヒントも!

クラブのことがよく分からないという初心者にとって、「とりあえずドライバーだけ買い替えようかな…」という考えは珍しくありません。その点について尋ねると、上田プロは「アリだと思います」とうなずきつつも、こんな視点を加えてくれました。

「女性用クラブって、選択肢が意外と少ないですよね。上手に見えない、スタイリッシュに感じられないっていう声も聞きます。でも今は、女性でも使いやすいやさしい男性用クラブもたくさん出ていますし、シャフトを替えるだけで変わることもあるので、もっと自由に試してみてほしいです」

その上で大切なのは、“誰かを参考にする”ということ。

「同じくらいのスイングスピードの女子プロがどんなクラブを使っているかって、すごくヒントになると思うんです。あとは、こういう女性向けイベントに出て、いろんな人と情報交換するのが一番早い。知識も増えるし、“ちょっと試させて!”ということもできる。自分に合うクラブに出会えるきっかけになると思います」

◆買い替えのタイミングは? “気持ちの変化”がサインかも

多くの女性ゴルファーが悩むことのひとつに“買い替えどき”があげられます。上田プロは、技術的な変化よりも、まず気分の変化に注目すべきだと言います。

「私が思うに、買い替え時はスキルよりメンタル。ずっと同じ悩みが続いて、自分のゴルフに変化を感じないとか、最近ゴルフが楽しくないなって感じたときです。それって“ちょっと変えてみた方がいい”サインかもしれません。ウェアを新しく買ったから『よし、ラウンド行こう!』って思うことってありますよね? ギアも同じ。テンションやモチベーションを上げてくれる存在だと思います」

一方で、技術的なサインもあると言います。

「もちろん、スキル的な部分でお悩みの方もいると思います。女性の方で多いのが、球が上がらない、球が右に行ってしまうっていう悩み。この2つが気になってきたら、クラブを見直してみるタイミングかもしれません。ゴルフクラブの技術は年々アップデートされているので、新しいクラブに頼ってみてほしいですね」

◆競技生活を離れて見えたものは? 知識を蓄えて次の世代へ

女性のギア選びについて語ってくれたインタビューの最後には、現役生活から離れた今、どんなことに取り組みたいと考えているのか、これからの目標についても話してくれました。

今は競技から離れ、生活の中に“自然体のゴルフ”を取り入れているという上田プロ。後輩のプレーを見たり、ゴルフ場の空気を感じたりする時間を、今は心から楽しんでいるといいます。

「ジュニアの頃からずっとゴルフに向き合ってきて、今は少しゆっくりと時間を感じながら過ごしています。でもその中でも、今の若い選手たちのプレースタイルやメンタルの整え方、そしてギア選びの感覚を外から見ることで、たくさんの刺激と学びがあります。私たちの時代とは明らかに違ってきている部分もあって。これからは、そうした気づきをどう次の世代につなげていけるか。自分なりの形で貢献していけたらと思っています」

キャロウェイの最新キャディバッグは、シックなブラックに、ロゴを縁取るグリーンの差し色がスポーティかつ洗練された印象。
アクセントとしてさりげなく入ったピンクのネーム刺繍が、上田プロらしい華やかさと品のよさを添えています。
まさに“実力派にふさわしい”1本!

上田桃子(うえだ・ももこ)熊本県出身。9歳でゴルフを始め、10歳で坂田塾に入門。2005年にプロテスト一発合格。07年には初優勝を含む年間5勝を挙げ、史上最年少で賞金女王に輝く(当時)。08年からは米国ツアーにも挑戦。ツアー通算17勝。2024年の大王製紙エリエールレディスにてツアーを撤退し第一線を退く。

取材協力/日本ゴルフ用品協会

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