コロナ禍の安全対策・ゴルフ場ではどんなことに取り組んでるの?【ゴルフコースの現場に聞く】

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「当分は純粋にゴルフだけを楽しむスタイルが続く」(千葉県ゴルフ場 支配人会会長・岡本豊さん)

お客さまに安心して利用して頂くことと、社員を守ること。両方を考え、感染対策のキーポイントとなる検温と消毒を徹底しています。スタンド型のサーモグラフィを入り口に置いて検温し、係員がチェック。37・5℃以上の方は入場できません。検温、アルコール消毒をしてから受け付け、という流れです。体調が悪いからと事前キャンセルされるメンバーさんなどもいらっしゃって、みなさん体調管理をしっかりされている印象です。

 コロナ禍の初期はスループレーだけにしたこともありましたが、5月からは昼休憩が入る元の形です。カートにアルコール消毒液を設置して、バンカーレーキなどに触ったらすぐに消毒できるようにしています。

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クラブハウス内ではスタッフにマスクを着用させていますが、コース内ではキャディにも義務付けてはいません。夏場は熱中症の方が危険ですし、屋外なので感染リスクは低い。検温と消毒を徹底しているのはそのためです。

レストランでは、座席をひとつずつあけて飛沫防止にPET板を設置。全部隔ててしまうと声が聞こえなくなってしまうので、4人席にPET板が2枚。板の間、つまりテーブルの中央に隙間を空けることで、安心感があり、声も聞こえます。

たまに大きな声で話されるお客さまもおられますが「お静かに願います」とお願いするとすぐにわかってくださいます。密にならないようにレストランに長居をせず、早く退出することもお願いしたいですね。

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送迎バスも、自粛期間の1か月半ほどは運行を中止していましたが、今は再開しています。

7月には累計で90%程度お客さまが戻り、8月には昨年を上回る収益で、若い方が増えています。1組か2組なら安全だという考えが広がり、旅行や他のレジャーではなく、ゴルフになったのだと思います。コンペやパーティなどはほとんどなく、純粋にゴルフだけを楽しんでもらうこの形を、ゴルフ場は当分、維持していくことになるでしょう。

お話を伺ったのは:千葉県ゴルフ場 支配人会会長 千葉夷隈ゴルフクラブ 米原ゴルフ俱楽部 総支配人 岡本豊さん

取材&文/小川淳子(清流舎) Regina 秋冬号掲載