5月に行われた女性限定コンペ「ウィメンズゴルフ JGGA カップ 2025 東日本大会」にシークレットゲストとして登場した上田桃子プロ。ツアー通算17勝、米ツアー挑戦の経験も持つトッププロでありながら、現役を離れた今も女性ゴルファーの憧れとして輝き続ける彼女に、ファッションのこだわりから、ゴルフというスポーツの魅力まで、たっぷりと語っていただきました。

ウィメンズゴルフ JGGA カップへの参加は初めてという上田プロ。女性限定イベントならではの華やかさと高揚感に目を細めていました。スタート前に用意された、プロの美容師による“ゴルフウェアに似合うヘアメイクサービス”や、4人一組でウェアを揃えた華やかなチームコーデにも驚いた様子。
「ヘアメイクまでしてくれるなんて素敵! ゴルフのいいところって、まさにこういうところ。コーディネートをお揃いにしたり、髪型でテンションを上げるのも、楽しみ方のひとつですよね。アマチュアゴルファーの方がプロのプレーにインスピレーションを受けることはよくあると思うんですけど、こういうイベントにプロがいたら、逆に影響を受けるんじゃないかなって。『この髪型、プレー中に映えそう』『この色、着てみたい』って思わせるようなスタイルがたくさんあって。プロにとっても、新鮮な気づきがある場だと思います」
◆上田プロの“勝負服”の選び方は? 現役時代との違いも!
イベント当日は淡いピンク×ブルーのストライプシャツに、鮮やかなブルーのショートパンツを合わせた爽快なコーディネートで登場。爽やかな配色とすっきりしたシルエットが、上田プロらしい大人のアクティブスタイルを際立たせています。そんな“おしゃれ番長”の上田プロに、ゴルフファッションへのこだわりを改めて伺いました。

「私にとって、ゴルフ場は“自分が輝ける場所”。勝負の日は、グリーンに映えて、ぱっと目を引く配色のウェアを選びたいと考えていました。勝負カラーはあえて作らずに、きれいな色のウェアを着るのがこだわりです。色選びでは“季節感”を大切にしていましたね。春はパステルピンクや淡いカラーが着たくなるし、秋冬にはオレンジやベージュ、ブラウンといった暖色系に惹かれます」
シルエットやスタイルへのこだわりについては、現役時代と違った視点を持つようになったと語ります。
「最近はどのブランドでも、ふわっとしたシルエットのアイテムが多い印象ですよね。私は、自分の体のラインとどう向き合うかを意識していて。コンプレックスを上手く隠すのも、おしゃれのテクニックのひとつかなと思っています。トップスにボリュームがある日はボトムスをタイトに、という風にバランスを取りながらコーディネートを組んでいます」
さらに今は、ユニセックスやメンズアイテムのミックススタイルも楽しんでいるのだとか。
「現役時代はどうしても機能性重視でしたけど、今は“私服でも着たいと思えるか”を基準にしています。パーリーゲイツのメンズのトップスを取り入れたり、甘辛ミックスで今っぽく仕上げたり。ユニセックスアイテムが増えた今だからこそ、楽しめる幅が広がったかもしれませんね」
◆スコアや飛距離だけじゃない、“つながり”があるからゴルフは楽しい
ファッションの話をきっかけに、自然と話題は“ゴルフそのもの”の魅力へと広がっていきました。女性限定コンペならではの熱気や一体感に触れたことで、上田プロ自身も、あらためてゴルフというスポーツが持つ奥深さを感じたといいます。

「何より素晴らしいのは、年齢も性別も関係なく、同じスポーツを一緒に楽しめること。これって、他の競技ではなかなかできないですよね」
上田プロ自身も、競技生活を通じて感じてきた価値は、“飛ばす”だけじゃない部分にあると続けます。
「ゴルフって飛距離だけが正義じゃない。むしろ、女性のプレーってシンプルでスピーディー。男性にも参考にしてほしいって思うことが、たくさんあります。1日かけてコースをまわるだけでなく、スタート前の支度やプレー後の会話、そのすべてがゴルフの時間なんですよね。共通の話題で盛り上がったり、初対面でも自然と距離が縮まったり。こういったイベントで輪を広げて言ったり。それができるのって、やっぱりゴルフならではの魅力だと思います」
◆次回は、上田プロから女性ゴルファーへギア選びのアドバイスをお届けします!
ゴルフがもっと楽しくなるヒントは、ファッションだけじゃありません。次回は、上田プロに聞いた「クラブ選びのコツ」や「上達のためのモチベーション術」をお届けします!
上田桃子(うえだ・ももこ)熊本県出身。9歳でゴルフを始め、10歳で坂田塾に入門。2005年にプロテスト一発合格。07年には初優勝を含む年間5勝を挙げ、史上最年少で賞金女王に輝く(当時)。08年からは米国ツアーにも挑戦。ツアー通算17勝。2024年の大王製紙エリエールレディスにてツアーを撤退し第一線を退く。
取材協力/日本ゴルフ用品協会